どうも上馬店ウエンツです。

 

僕のおうち時間と言えば、もっぱら手の凝った料理を作る。でしたが、最近は少し英語の勉強に充てよう。と思い立ちました。

しかし、学びのために用意された12年間全く教科書と向き合ってこなかった僕にとって、「勉強」と名のついたものは苦痛以外の何物でもありません。

 

したがって自然と自分の興味ある事柄で英語の理解を深めたい。と思うわけでして、本日は最近読んだ読み物の中の一つをご紹介。

 

元のブログ自体がかなり長いものになるので、今回はかなりの長文になります。お時間あるときにでも読んでみてください。

まずは今回紹介するブログを書いたChas Christiansenという人物から。


彼はMASH SFのメンバーの一人で、サンフランシスコを代表するメッセンジャーカンパニーTCB Courierで走るメッセンジャー。MASH 2015の彼のライディングには痺れましたね。世界最速のメッセンジャーを決めるCMWCでも常に上位、そしてMilanoで行われたRED HOOK CRITでも表彰台にに上るなど、現在世界でもっとも注目されているメッセンジャーの一人でしょう。(映像のような乗り方、日本でやっちゃだめですよ。国が違いますからね。)
近年ではトラックバイク以外にもシクロクロスやアドベンチャーツーリングも積極的に行っていて、サンフランシスコのローカルビルダーであるLOW BICYCLESのフレームに跨っているのですが、それがめちゃくちゃかっこいい。

 

そんな彼のLOW BICYCLESに関してのブログがすごくおもしろかったので、そちらをご紹介。

まず、彼は多くの人に「お気に入りのバイクは何?」と聞かれるのですが「それはその時の気分によって大きく変わるね。」というのが答え。そりゃそうだ。

ただ「LOW BICYCLES のフレームは持っているバイクの中で最も同じ時間を共にしたね。」とのこと。

それらのLOW BICYCLEのフレームは数年に及ぶ試行錯誤によって改良を重ねられ、TCBのチームメイトやLOW BICYCLESのビルダーAndrewと共に完成させたCX、グラベルモデルのことで、もはや持っている自転車のひとつという表現にはとどめられない。らしい。

 

そしてこれがLOW BICYCLESで初のCXフレーム。このフレームの制作からすべては始まりました。

話は2012年へとさかのぼり、新しいアルミのCXフレームを探していたChasが、ちょうどダートバイクの制作に興味を持っていたLOW BICYCLEのビルダーAndrewと相談して作ってもらったプロトタイプ。当時のプロトタイプはあくまでサンプルなので、溶接などはかなり粗削りのモノだったといいます。今販売されているフレームは溶接跡すら感じさせないスムースな見た目をしているので、是非比較してみてください。

何本か用意されたプロトタイプはすぐにChasも所属しているTCB CX TEAMに届けられ、その後ライダーたちからのフィードバックを受けました。フレームの規格は当時オーソドックスだったもので、今見ると少し古いというか、一世代前のバイク感があります。(それが今見るとかっこよかったりもするんですけどね。)そしてこのタイミングがチューブ入りタイヤ、リムブレーキ、クイックリリースホイールなど既存規格の終わりの始まりだったと言っています。丁度この時、徐々にグラベルバイクというワードが出始め、ディスクブレーキにスルアクスルホイール、チューブレスといった新規格たちがCXバイクやロードバイクにも使われ始めた時期でもありました。これらは元々MTBで使われていた規格で強度や剛性など、過酷な状況下での性能が保証されたものでした。

 

最初のプロトタイプの完成から何度も修正や変更を行い、初のTCB CX TEAMモデルのCXフレームが完成しました。先のチューブレスやディスクブレーキなど新たな規格がCXのスタンダードになっていく業界の広告戦略を好まなかったメッセンジャーたちの意向で、リムブレーキ仕様。TCB TEAMのメンバーのフレームにはすべて名前が入れられたそうです。AndrewがChristiansenのHを入れ忘れてるけどね。

 

このチームモデルに跨りTCB TEAMはいくつかのCXレースに出場し、彼らの自転車は瞬く間に注目を浴びました。彼らは純粋にレースを楽しみ、CXレースは本当に素晴らしいものだといっていましたが、唯一本当につまらないことはシーズンがあるということ。シーズンが終わればまた次の年までお預けです。しかし、このチームバイクにとってそれはまた、新たな冒険の始まりに過ぎなかったと彼は言います。

 

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When the road kinda just turns into mud soup…#ecaudor #zippspeed

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レース会場から離れると、このバイクは素晴らしいアドヴェンチャーバイクへと変わります。彼をはじめとした多くのチームメイトがこのフレームと共に世界中を旅しました。このフレームの魅力はレースで得られるものだけではないと感じた彼は本格的にCX、グラベルバイクの魅力にのめりこんでいったと語ります。

その後数年経ち、これらのフレームの多くがガレージや物置にしまわれたり(売られたり)しましたが 、Geoffは見事はTrackCXへと変化させ、昨年日本で開催されたトラッククロスの大会にこのバイクを持ってきていましたね。この様に乗らなくなったCXバイクを改造してシングルにしたりコミューターとして組みなおすのが本当にかっこよくて好きです。(ギア付き用のフレームをシングルスピードに組み替える方法はこちら。)

そしてすでにAndrewは新たな挑戦を始めようとしていて、その後もいくつかのTCB TEAMに向けたプロトタイプが作られました。一台だけ特別に作られたシングルスピード専用設計のモデルや、ついにディスクブレーキ搭載のモデルも登場し、LOW BICYCLEの未来に向けた過渡期が訪れていました。

 

そして冒頭のChasのバイクの写真へと戻りましょう。

そして2017年にこのバイクが完成し、LOW BICYCLEは新たなステージを迎えました。元々トラックフレームから始まったブランドでしたが、今ではロードフレーム、CXフレーム、そしてグラベルフレームも製造しています。

このバイクはChasが2017年に行った大陸横断レースの為のバイクで、このバイクでは多くの新たな規格や製品に触れたといっています。無線コンポーネントにスルアクスルのディスクブレーキとダイナモライト、サイクルコンピューターなどなど。

ビッグツーリングを快適に走りきるためにこのバイクには今までで最も投資し、またその判断は適切だったと。ここで彼自身、今まで毛嫌いしていたものも必要に応じて取り入れていくとこが大事だと気が付きます。

 

そしてこちらが彼最新のLOW BICYCLE MKIII GRAVEL。

彼は自身の自転車の歴史ともいえるほどの長い時間を、LOW BICYCLEのフレームと共にしてきたようで、当初は毛嫌いしていた新規格やサイクルコンピューター、電動コンポーネントなどの電子機器も、彼がやりたいことや興味を持った事柄によって考えが変わり、変化を受け入れ、楽しんでいる様子。

彼は人生の中で時に自分の計画とは異なった結果になる事に対して、そこから学ぶ事も多くまたそれらは自転車を通して学んだと。

バイクバッグに施されたハンドペイントもChas自身で行ったものなのですが、これらの模様や言葉にはバッグごとに意味があり、自転車に乗っているときに自分自身や友人を鼓舞したり、時に少し他人を馬鹿にするようなユーモアもあります。

彼はこれらの作品を通しても自身学んだことが多いと語り、それらのデザインが周りから必要とされていることに喜びを感じるそうです。

 

最終的に少し哲学的な内容になりましたが、彼の自転車そしてLOW BICYCLEに対する情熱が伝わってくる。

 

今回紹介したブログは以下からご覧になれます。

 

http://www.notchas.com/the-garage#/low/

https://www.mashsf.com/uncategorized/notchas-low-x-rapha

 

LOWのバイクについて詳しく知りたい場合は是非金子さんのブログを読んでみてください。めっちゃ最高なブログなので。

My name is SOW. My new whip is LOW!!!!

進み続けている。

都会を駆けるpart2。

とても長いブログになってしまいましたが、お付き合いいただきありがとうございました。

 

ではまた

 

ウエンツ