上馬店のタニです。まずは宣伝から失礼します。
毎週 日曜 夜9時からは、BLUE LUG YouTube LIVE。今夜は上馬が担当します。
テーマは「ハンドルを愛でよう」。変態揃いの上馬はハンドルを愛でれば30分多分イケる、という前衛的実験です。愛用ハンドルへの思いや、パイプの曲げ・シルエットへの歪んだ愛情を語ります。見てくれる方が少ないと寂しいのでどうか見てください。
目隠ししても、触れば日東ハンドルの品番を全て当てれる、と豪語する一周を中心にハンドルを愛でていきます。本当に目隠しクイズ生放送でやったろうかな。
さて、久々のブログ、書きたいことはいっぱいあるのだけど、忙しくて大渋滞、溜めてしまっています。紹介したいお客様のバイク、自分のバイク、パーツのこと、PIT TIPSカスタムのこと・・・作業の合間にコツコツ書いていくことにします。
今日書きたいのは先日のジャグさんのバイクに続いて、INDEPENDENT FABRICATION(以下IF)のこと。
チューヤンとアメリカに行って、その憧れの気持ちが破裂して。二人でオーダーに踏み切ったことをきっかけに取り扱いが始まり。
それに続いて上記ジャグさんの他にも、デジ、コンノボーイとオーダー続いてくれたのが嬉しい。
盛り上がってるのスタッフばっかりじゃねーか!というツッコミが聞こえてきますが、ちゃんとお客様からもオーダーをいただけるようになってきたのも、なお嬉しい。
(こちらはお客様の採寸)
そもそも一般的なバイクメーカーと何が違うのかと言うと、
身体を採寸して、その人のためにフレームを設計、制作してくれます。そんな夢のような話。
そしてお察しの通り、この日採寸の被験者になっているのはこの男。巨星動く。
幡ヶ谷店名物メカニックカネヤン。
どうやらIFのオーダーを検討しているお客様に「○○さんが頼むなら俺もオーダーしますよ!」と言い放ってしまい有言実行したある意味男気オーダー(本当は頼む口実が欲しかったんじゃないか疑惑)。どんなバイクが上がってくるか楽しみ。
(彼のソックス見ました?ブログが最高なので読んでください)
ところで、最初にオーダーしたはずのタニのIFはどうなってるのかというと、実はとっくに組み上げて乗っているのでご紹介させてください。
なんならチューヤンのバイクより早く完成してたのですが、ちょっと思うところもあり、ご紹介するタイミングを逸してました。
僕がオーダーしたのはGRAVEL ROYALEというモデル。
どういう経緯でどんなオーダーをして、どういう意図で組んだかを正直に書き残しておきます。今後オーダーを検討されている方僕を踏み台にしてください。
色はいつものラッキーカラー「エンジ」。赤じゃなくてエンジです。バーガンディーよりかマルーンな方が好きです。
「グラベル」って旬なキーワードを冠するモデルですが、正直呼び名はなんでも良くって、まずは「どんな使い方をするか」というところからオーダーを膨らませてみました。
僕は普段どちらかというと「スポーツ」としての自転車よりかは、「日常」としての自転車の方が好きだし得意です。RIVENDELLとかいわゆるエブリデーバイク、フェンダー付きの雨の日バイクとか生活感のあるバイク。SUICAも持っていないし(いい加減作れ)日常自転車が信条。
でも、そんな僕でも、ここ数年ハマっているのは、「休日に普段見慣れた(見飽きた)風景から離れて自然の中で自転車に乗ること」。定休日に輪行で少し都市部を離れて緑の中をマイペースに走ること。それが本当に脳がジュワッと溶けてリフレッシュされて気持ち良い。
なので今回のオーダーは、「車種」から入るのではなく、休日の過ごし方、自分にとっての最高の休日はどんなんだろう?って想像して、その目的だけに特化したバイクを作ろうと思いました。エブリデーバイク主義の僕の非エブリデーバイク。つまり通勤で乗らないバイクで構わない!という覚悟をしたわけです。
なので林道や砂利道オフロード、自然の中を走れるバイクであること、そして激坂だらけの日本の山や田舎道。先月辛かったあの坂をイメージして「軽くて」「昇り坂で楽がしたい」とオーダーシートに正直に書き込みました。
「下り坂でよく効くディスクブレーキも必要だな」とオーダーは徐々に固まっていきます。柄でもないカーボンフォークも。
そして「輪行」がしやすいこと。僕の貧脚体力では自走で目的地まで踏むのは無理なので輪行は僕のマストのキーワード。走ってもつまらん都会はワープ。
朝イチ通勤で混み合う真逆のガラガラの電車に乗るという、人間社会(タイムライン)から逸脱していくような「俺は何をしているんだろう」という背徳感、カタルシス。たまらないぜ。。。
スルーアクスルに油圧ブレーキ。一見輪行向きではないこの仕様がコツと仕組みを理解していれば実は駅でめちゃくちゃ楽ちんだったりするので試してみたかった。
ホイール、タイヤクリアランスは700x40cと650x48bのコンパチ。というのも、このバイクが出来るまで休日輪行ツーリングの役割を担ってきた、
611 デイヴィジョーンズ号のクリアランスにちょびっと不満があったので(650x48B入れてパンパン)、
その意向を組み入れて650Bでさらに太いタイヤを無理して入れています(27.5×2.1)。これで48Bで苦戦したあのお気に入りの林道で楽ができるかな?
ただこれはしばらく乗って少し失敗。
オフロードではめちゃくちゃ調子良いですが、それにたどり着くまでの道中オンロードの上りではこんなに太いタイヤは要らなかったですね。おそらく来週あたり700c化します。700x40cあたりで落ち着きそう。リム何にしようかな、こう繰り返される反芻、自分のバイクに深く深く潜って溺れてアップップ、がまた楽しい。それはピストバイクばっかり乗っていじっていた時と変わらないな、と思います。
僕はフロントディレイラーが好きなのでフロントはダブルで組もう、とあらかじめ決めていました。貧脚にマストな激軽ギア作れます。
ちなみに最近のトレンドのフロントシングルのコンポで組むことが決まっている方は、そもそもフロントのワイヤー受けを溶接しない「フロントシングル専用機」なんてオーダーもできます。ハンドメイドならではなソリッドなオーダー。SURLYやALL-CITYをフロントシングルで組んだ時、使わない左側の受けダボが気持ち悪く感じる方は是非トライを。
そして身体が固くていつもステムの下にスペーサーを積みまくりの僕ですが、このバイクは僕の体型、僕のポジションの専用機。
憧れの「ビタ切り」でポジション作れます。この満足感はすごい。
またぎやトップチューブももちろんピタッときます。
また何回も出かけていると、フレームだけでなく自分に必要な荷物の量がだんだんわかってきます。バッグは必要最低限。実際乗る時はサドルの下に輪行バッグが付きます。冬はバッグが増えるかも?
総じて、宣伝ぽく聞こえるのでこんな言い方嫌ですが、「僕の人生で一番調子良いバイク」と本気で感じています。ぶっちゃけまじでIF良い、めちゃくちゃ走ります。
ただ、せっかく組んだのに去年は台風の爪痕深く、今年はコロナ・・
明確な「目的」を持ってオーダーしたのにその目的の中でなかなか乗ってあげられてなくって、ブログにするのが億劫でした。それが紹介するのが遅れた理由。
早くこの状況が良くなって、もっともっと乗りたいな。このバイク持って脳をジュワッと溶かしに出かけたいです。
僕のIFの話でした。自分だけの専用機。未来オーダーする人の参考になれば幸いです。
長くなりました、読んでくれてありがとうございます。
今夜YouTubeライブでお会いしましょうー