上馬店ピットから谷です。
本日はカスタム日記。日々ピットで思うこと、組み付けの細々したものをTIPS的に書きます。
この*RIVENDELL* joe appaloosaから。
↓持ち主はRivendellスタッフのVince。
ヒゲと笑顔が印象的なRivの中では若いスタッフ。シャツの柄がいいですね。
フレームサイズは55、PBHは87.5cmでサドルハイトは 76.5cmだそう。
でも今日の主役はこのJoe apploosaではなくて、ヘッドに巻いたペイズリーでもなくて、
このグリップ部について。
「グリップの代わりにコットンバーテープを巻く」というのは日々よくやるカスタムですが、どうしたってコットンオンリーだと握り心地はタイトに固めになってしまいます。
これはダイレクトにハンドルに巻いているのではなくて、ハイテクグリップESIを下に仕込んでいるとみた。実践してみます。
これがESI。素材の振動吸収とグリップ力が最強であれば、形は”筒”でいいでしょ、って言う極論のモチモチグリップ。エンドはいつものワインコルクを。
バーテープだけだと太さも稼げなくてよく二重に巻いたりしていましたが、これは一発で良い太さ。疲れにくそう。
・・・コルクのバーエンドは完全にインサートせずに、ちょっとハミ出てた方が格好良かったかも。ちょっと失敗です。
そしてニスで色を変えます。元の色が水色ならオリーブに、強いブルーなら深緑になります。
風合いと佇まいはローテクのままに、機能握り心地は今のものに。
このESIのコットン巻き。RIVENDELLをオフロードのニュアンスで組む”HILLY BIKE”なスタイルで組むときにハマりそう。最近選択肢の引き出しに入ったグリップ案です。
ここからは応用編。アク強めなのであまり真似したい人はあんまりいないと思いますが(数人挑戦した猛者カスタマーもいらっしゃいますが笑)
参考画像、Rivの創始者でありボス、グラントさんのハンドル周り。
向かって右グリップ。
Rivendellの世界観を創造する張本人、かなり独創的なDIYで毎回びっくりさせてくれる方ですが、
この麻紐とも忍者巻きとも違う謎の感じのグリップ処理。正直最初は「なんだこりゃ」だったのですが苦笑
うっすら気になっていて、正体究明しないまま迎えた今年のNAHBS、RIVENDELLのブースにあったバイク。
フレームはATLANTIS。
おお、あの時のアレだ。興味津々でジロジロ見てニギニギ触っていたらVinceがニヤニヤしながら「これはグラントスペシャルだよ」と教えてくれました。
そしたらグラントさん本人がひょっこり「教えてあげる」と。
ESIに直で巻いてあるものもありました。この独特の糸は船のセイル用の糸で、ワックスが染み込んでいるから対候性が高くて切れにくい、そう。これにセラックニスを塗るとGoldになってGoodなんだよ、と。
端っこをバーテープ余らせてるピラピラは何?と聞くと
「Feel so good..」と優しい笑顔で答えてくれました。それ以上何も聞くことはできませんでした。
NAHBSのあと、Rivendellのショップにお邪魔した時、グラントさん個人のバイクのハンドル周り、
本当に使ってる。そして巻き方の復習とセイル用の糸一巻きをくれました。
・・・ここまで良くしていただいて、伝授までしてくれて、僕がやらないわけはいかない。まずは自分のバイクで実践します。
ESIのコットン巻き、の状態にペロンと1枚。このペロンは幅が狭い方が格好いいので縦に細くカットしてあります。端っこの「Feel so good」の部分も忘れずに。
セイルの糸を巻いて、ニスで閉じ込めます。糸は金色のままですがテープはここでも変色するので変色後をイメージして選びましょう。
色合わせは・・グラントさんに習ってもはや感覚。自分のバイブスを信じましょう。
一旦完成。ちょっとまだ綺麗すぎるのと、もうちょっと引っ張りながら巻かないとESIに食い込んでるあの「ポコポコ感」が出ないですね。
実際にぎると、セイル糸とポコポコした表面が手のひらに引っかかって、ただ直にバーテープを巻いた時とは全然違うグリップ感。
糸で縛ってタレを塗りこむその工程から、忍者巻きに続き「焼豚巻き」と呼ぶことにしました。
ニスは度々塗り足すと良い、ともおっしゃっていたので、ボロくなるたびに塗って乗っています。
これはちょっと前。数回塗ると金色掛かってくる。塗ったら乗って、またガビガビになってきたら塗って、
今こんな感じ。結構いい感じになってきました。この梅雨でまたスカスカになってきてるので塗り足そう。
雲の上グラントさんのバイブスにはまだまだほど遠いですが、自分のバイクを巻いた時より少しは上達しているので、ご要望の方は(あまりいないと思うけど)焼豚巻きお申し付けください。