遡ること数日、3月17日。

この日は第三火曜日で上馬店、代々木公園店がお休みの日。(毎月第一火曜、第三火曜は上馬店、代々木公園店がお休みとなっております。幡ヶ谷店は営業しております。)
自転車好きな人達はほぼみんな1度は足元をお世話になった事、聞いた事があるだろう「三ヶ島製作所」さんへ上馬店スタッフ、代々木公園店スタッフ、幡ヶ谷店スタッフの選抜メンバーで工場見学に参加させて頂きました。

三ヶ島製作所とは、その名の通りあのペダルのMKSの製造工場になります。

MKSさんのペダル、およびtoe strapなど、MKS製品に関しては三ヶ島製作所で製造、組み立て、出荷、が行われています。
今回はその裏側を案内して頂いたのでその模様をお伝えいたします。

 

 

お伝えすると言っても文章だけじゃ1/100も伝わらないので今回は動画を用意しました。
その動画は最近僕らがチャレンジしている「You Tube」にアップさせて頂きました。
ぶっちゃけ同時進行は難しいの分かっていますが今回はその動画の解説をメインにお送りします。
写真を載せつつ文章で解説します。その後で動画をお楽しみください。
そうすれば何をしているところかいくらか分かりやすくなるはずです。

では動画と同様の時系列でご説明しますのでご覧ください。

 

 

0:13 11時30分に幡ヶ谷店を出発します。今回は10人乗りの車をレンタカーして向かいます。僕の実家方面という事もあり僕がみんなの命を背負って三ヶ島製作所さんへ車を走らせます。

0:20 13時00分、三ヶ島製作所さんに到着です。(渋滞もなくスムーズ過ぎて実は1時間で着いてしまった)三ヶ島さん、弓場元さん本日は宜しくお願い致します。
MKS Factory tour 2020/03/17

0:40 ブルーラグ一同は工場見学前の説明、ペダルが製作される流れ等をご説明して頂きました。
MKS Factory tour 2020/03/17
MKS Factory tour 2020/03/17
MKS Factory tour 2020/03/17

0:56 ここでご説明したくださる方は荻野さん荻野さんは以前おしゃべりする会にもお越し頂いたことがあります。その節はありがとうございました。
そして「ペダルは粘り強くなくちゃいけない」という。ペダルは硬いだけじゃダメ。硬くすると折れてしまう可能性があるから。そこで三ヶ島さんは折れずに”曲がる”、いわゆる粘りを強くしているそう。そうするためにはペダルに使うアルミ素材の選び方、シャフト部分の焼きの入れ方。いろんなところに秘密が隠されていました。
その一つに三ヶ島さんの扱うアルミ素材は「ADC6」というのを使用している。そのADC6というのは非常に鋳造が難しいんだそう。だけど性質上、耐腐食性に強く、粘り強い物だそう。鋳造性は悪くても折れてはならないペダル故の素材なわけです。
MKS Factory tour 2020/03/17

1:10 ここで登場。ペダルの心臓部分にあたるシャフトです。
分かりやすく写真参考にして頂きたいのですが向かって一番左側がシャフトになる前の形です。ここからプレスを重ねて右側に進んでいきます。ここで勘違いして欲しくないのはこの芯棒を一部を除いて削ったり、伸ばしたりを一切せずにただ潰すだけで成型されています。何がすごいかって一番右と一番左で形は変われどほぼ質量が変わっていないことなんです。その分シャフトになるつれて密度が増していくんです。かっこよすぎる・・・
ここで全員完全に心をつかまれました。
唯一削っている部分がベアリングが収まる部分、玉押しナットとロックナットがねじ込まれるところのネジ切りと、クランクに取り付けするネジ山の最後の部分だけ。(ネジ山ではない)クランクに取り付ける部分のネジ切りはプレスだっていうんだからまじで仰天。
MKS Factory tour 2020/03/17

1:37 「よし、そしたら実際に工場の中を見に行きましょう!」と言われ部屋を出ると目の前には三ヶ島さんの歴代のペダルなどがならぶアーカイブを発見してしまった。
行くって言ってるのに誰も行かない。むしろみんな夢中になってしまって30分は居座ってしまった。本当に恐ろしい。いつまでも見てられるし拝観料払いたくなる。これから工場見に行くってのにドキドキがてっぺん手前。
MKS Factory tour 2020/03/17
MKS Factory tour 2020/03/17
MKS Factory tour 2020/03/17
MKS Factory tour 2020/03/17
MKS Factory tour 2020/03/17

2:21 遂に本日のメイン。工場内の見学です。途中ででてくるコイル状のものが先ほど見て貰ったシャフトになる部分です。それが真っ直ぐに矯正されて、段階別でプレスされてあの形になります。プレスする機械を見せてもらいましたがどう動くかは分からないけどとりあえずこの機械に男心をくすぐられる。ワクワクせずにはいられない、めちゃくちゃかっこよかった・・・
MKS Factory tour 2020/03/17
MKS Factory tour 2020/03/17
MKS Factory tour 2020/03/17
MKS Factory tour 2020/03/17

3:33 先程ちょっと説明した切削ではない方のネジ切りの場面です。
まだネジがたてられていないシャフトたちがどんどんネジ山をたてられていきます。プレスでネジ山をたてることによって目に見えないレベルのバリや切削痕が残らずに成型できるのだそう。
MKS Factory tour 2020/03/17

3:54 こちらは逆に切削によってネジ山を作っています。ここのネジ山はボールベアリングの玉押しナット、ロックナットがねじ込まれる部分のネジ山です。

4:13 ここはペダルのシャフト部分に「R」「L」「製造年月」を打刻している場面。
そしてなんとこの女性の方三ヶ島製作所勤続60年だそう・・・。僕の母も生まれてねぇや・・・。
MKS Factory tour 2020/03/17

4:24 ここで作られているのはボールベアリングが収められるワンの部分です。一定の周期で動くものを見ているのはなんでか飽きない。別に一定の確率でミスするわけでもなんでもないのに目が離せなくなります。
MKS Factory tour 2020/03/17
MKS Factory tour 2020/03/17
MKS Factory tour 2020/03/17
MKS Factory tour 2020/03/17

4:43 これはインスタでしか見たこと無いやつだ・・・。ペダルのボディにあたる部分を磨き上げる場面。50分ほどこの機械で振動を与え続けてボディをピカピカにする。
MKS Factory tour 2020/03/17
MKS Factory tour 2020/03/17
MKS Factory tour 2020/03/17

5:02 ここで登場するペダルはNJS認定の競輪モデル「ROYAL NUEVO」になります。MKSさんのNJS認定ペダルはベアリングの玉当たり調整から組み付けまでが全て人の手によるものです。職人さんが完璧な玉当たりを自分の手で調整し、プレートの組み付けも人の手によって一つ一つ締められていきます。
NJS認定以外のペダルも最終的なベアリングの玉当たりのチェックなどは全て人の手。あなたが使っているそのペダルもMKSさんの職人さんの手が掛かっているのです。たかがペダルなんてもう思えないし、ありがたく踏みましょう。

そしてこの女性の方動画の途中(5:52)で出てくるSURLYに乗ってらっしゃる方です。とっても気さくな方でした。
僕らが「うわーすっげぇ!めちゃくちゃベアリングスムーズ!」と言ったら「これでもまだ仮組なんですよ、この後またチェックします!」なんて言うから驚いた・・・。
この玉当たり専用のバイスが欲しい、手裁きがかっこよすぎていつまでも見てられました。
MKS Factory tour 2020/03/17
MKS Factory tour 2020/03/17
MKS Factory tour 2020/03/17

6:10 ここは焼き入れシーン。MKSさんの計らいで僕らの工場見学に合わせて焼き上がりの時間を調整してくださいました(涙)
やっぱりこのシーンは迫力があった。離れているのに熱かった。
この窯の中に十数分入れて置くみたい。
かなり撮れ高十分の絵をわざわざ見せて頂きありがとうございます。もう一度見たい。
MKS Factory tour 2020/03/17
MKS Factory tour 2020/03/17
MKS Factory tour 2020/03/17

8:29 これにて三ヶ島製作所さんの工場見学ツアーは終了。

 

 

素晴らしい機会を設けていただいた三ヶ島製作所さん、ありがとうございました。
とっっっっっっても有意義な時間となりました。またこの見学ツアーに立候補してくださったお客様が2名。
#mymks も受賞された、@minori_hoshi様と、これまた受賞者、@daisukelephant様この度はご同行いただきありがとうございました。
受賞者のお二人でなんだかヤラセみたいでとってもきまずいですが逆にめちゃくちゃなMKS愛を感じられるお二人に工場を見学してもらえてこちらもハッピーでございます。これからも変わらずご愛顧ください☆

 

 
今回みたいな普段何気なく使っているパーツの裏側、人を知って理解を深めるとより一層好きになってしまう。これって必然的な事かも知れないですがそんな機会滅多にあることじゃないですしそれをもっともっと色んな方に純度を落とさずお届けしたい。もっと好きになってもらいたいです。

それではお待ちかね、その動画をどうぞ。

シャミセン