入荷したての時、一周が組んだWILDE RAMBLERを乗らせて貰った時の衝撃が未だに染み付いている。
それはこのバイクの各所設計がドンズバで自分の体にフィットしていたからかもしれないし、
ナイスガイのJEFFが新たに立ち上げた、「WILDE BIKES」に対しての期待を大きく上回るクオリティと走り心地を、その一瞬でガツンと感じたからかもしれない。
身体にスチャっとハマる感じにまず驚き、上り坂で踏み込んだ時にBB付近から今までに感じたことのない気持ち良さを感じた。
真っ先にJEFFのニヤリ顔と、本国で話した日がフラッシュバックしました。
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(左の男性がJEFF。)
ALL CITYの長だった時に彼が話してくれた事。
「量産のプロダクトに美を。」
ペイントやスモールパーツ、チュービングにこだわる事で、
自分たちが今まで憧れ観てきたUSAハンドメイドの雰囲気や特別感を限りなく表現し、
それを手に取りやすい形にして世に送り出す事がALL CITYの役割なんだ。
その時は、おおー、すげぇ志しだ…。と思って聞いていたけど、
時が経ち、自分の目も肥えてきて、今周りを見渡してみて、改めてそのJEFFの言葉がぶっ刺さる。
ALL CITYを作っている時に大事にしていた理念は、ここで紹介する彼が立ち上げたWILDEでも色濃く反映されていて、
カスタムオーダーでなければ必要ないと削られてしまう仕様や、量産では骨が折れそうな特殊な曲げのフレームチュービング。
ルックスと強度と軽量さを兼ね備えた、散々吟味され選ばれたであろうフレーム用スモールパーツ達を、
彼の美意識で集合させ一つのフレームを完成させている。しかも彼の思い描いた乗り心地まで反映させて。
このモノ作りに対する姿勢は、本当に本当に尊敬でしかない。
このバイクが入荷したタイミングは、世に「グラベルバイク」という言葉が浸透し、巷にはどれも似たような車両が出始めていた時期だったように感じる。
だったので、僕からしたら食傷気味で、そのグラベルバイクの各社モデルをどう説明していいか分からないよ…と接客時に脳味噌フル回転だった。
(BLK MTN CYCSのMOD ZEROもこの時期ぐらいだった。)
乗り比べて分かるかいな…と乗らしてもらった時の話が冒頭のそれに繋がる。
タイトルのスチャって音が跨った時聞こえた気がした。
まるでオーダーメイドのフレーム~みたいなありきたりな表現で説得力もクソもないが、
JEFFのいうUSAハンドメイドのそれに近い感覚を何となく感じた。
見下げる意味では決してないが、
SURLYやCRUSTやRIVでは感じれない何かが必ずあるのだと思う。
乗り出した時、勝手に進んでいく感覚、
上り坂で踏み込んだ力がダイレクトかつ車輪にアシストを掛けて登る感覚、
巡行時に自然と足が回る感覚。
戸惑いが喜びになる感情を抱きながら試乗したあの時間は、
自分の自転車歴の中に深く刻まれた七不思議のひとつになるなぁと思い返してもやっぱ不思議。
単純にそん時の気分が最高だったって話かもしれないけどね!!
フレームメーカーは星の数ほど。
ブームに乗っかる物やブームを作るものなどさまざま。
WILDEはその2つとも少し違っているように感じ、
「自転車を突き詰めて美しくするもの」という風に僕は感じています。
この姿勢に大きく頷いちゃった人が選ぶべきは、
多分このWILDEなのかもしれません。
乗っているスタッフの感想も是非一読頂けたら。