こんばんわ谷です。

先日のIndependent Fabricationに続いて本日も”ハンドメイドバイク”のこと。そりゃなんぞや、という方も読んでいただけたら嬉しいです。

人→フレーム&パーツ→バイクチェック、の順番で書こうと思います。

写真左が本日の主役、Steve Pottsさん、レジェンドフレームビルダー。

真ん中はSOULCRAFTのフレームビルダー(WHITE INDUSTRIESのエンジニアでもある)のショーンさん、右はチューヤンさん。これは2019年カリフォルニアでの写真。
Steve pottsさん、ふわふわに簡単にいうと、学校に「自転車」って科目があったとしたら、きっと教科書に載っていてテストに出る覚えなきゃいけない人。

カチカチにややこしい説明をすると、
若い頃ジョーブリーズ(地球で初めて「マウンテンバイク」を始めた何人かに初めてマウンテンバイクを作った人)と自転車に乗って自転車に目覚め、
親友のチャーリーカニンガム(この人もマウンテンバイクの創成期を作ったレジェンド)と1982年にWTBを作り、フレームビルダーとしてマウンテンバイクを作り続けてきた人。

・・・このPottsさんがいなかったら、今僕らが日々愛用する「WTB」はないかもしれないし、普通に街で見かけるマウンテンバイクのカタチも違ったかもしれない。soulcraftや多くのビルダー、現在僕らが夢中なアメリカのBIKE達に多大な影響与えてきた人。です。

そんなレジェンドが、現役でなおバイクを作り続けている。量産や工場でなくて、変わらず本人の手のみの作業で。
NAHBS2013
当時のバイク。

現在のバイク。

2019年にチューヤンと行ったアメリカのバイクショーNAHBSで直接お話することができて、ダメ元でオーダーをする約束をしました。正直お話しできるだけで興奮したし、ダメ元でした。
帰国後改めてオーダーの意思をぶつけ、ぶっちゃけ来ても来なくてもラッキー、まさかお話しできるなんてな〜・・くらいの感じで思っていましたが、

来た・・アメリカの人でも憧れるバイクなのに、このフレーム、後述します。

そしてPOTTSさん、


チタニウムを材料に、ハンドルやステム、シートポストも設計、制作しています。


これもフレームと合わせてオーダーしたのですが、ホントに来た。
*SURLY* disc trucker (56)
*STEVE POTTS* setback titanium seatpost
柔らかな曲線のシートポスト。Pottsさんの溶接痕の跡が美しく生々しい。ヤグラのシステムはENVEを使用。
*SURLY* disc trucker (56)
*STEVE POTTS* titanium stem
そしてステム。ベロアのようなビーズブラストフィニッシュ。パラゴン製のフェイスプレートにはエンブレムのエンボス。

むむ、フレームは雲の上だけどこのコンポたちなら・・と思ったのは僕だけではないはず。
この人が一人の手で作ったからSteve Potts。こんなこと言ったら失礼だけど、この人が生きているうちに作ったものがSteve Potts。歴史の息吹を愛車にいかがでしょうか。

そして先述のフレーム。
*STEVE POTTS* trail
STEVE POTTS「steel 27.5″+ Trail Bike」
今回届いたのは「steel 27.5″ Plus Trail Bike」という雛形モデル。フルカスタムでチタンもスチールも作る人ですが、これはセミカスタムでS,M,Lとジオメトリが決まっているもの。

歴史あるレジェンドが今なお進化してて、現在の規格やジオメトリの最前線にいる。

この個体、SOLD OUT。
*STEVE POTTS* trail
このフレームが奇跡で日本に着陸して、この紹介ブログを書く前に運命のオーナーが現れてしまいました。元々Pottsさんのファンである人の元へ。店頭で対面し、止めることのできない想いは運命だったといえよう。
*STEVE POTTS* trail
*STEVE POTTS* trail
*STEVE POTTS* trail
フレーム、フォークにハンドメイドのステムのセット。NAHBSで見た憧れの姿をベースに、休日の林道トレイル遊びに焦点を当てたパーツ構成。
*STEVE POTTS* trail
Pottsさんといえば、代名詞のtype2 fork。
*STEVE POTTS* trail
密接な関係でショーでも装着していたPASS AND STOW RACKに必要なダボ穴完備。アメリカの職人さんの作ったもの同士が支え合ってるの興奮する。
*STEVE POTTS* trail
コンポはSHIMANO XTとSLXのミックス。そしてOURYグリップ

バブリーなコンポじゃなくて、現実的なSHIMANOのコンポをアメリカ人が日本人より好むのを見ると、僕はなぜかTOYOTAのピックアップトラックを思い出します。
*STEVE POTTS* trail
タイヤはルーツを探ってWTB。フレームのクリアランスは27.5×3.0までフォロー。
*STEVE POTTS* trail
フォークもですが、切り出したこのディスクブレーキタブがたまらんですね。。

納車した次の日には林道に持ち出して早速遊び駆け回っていたオーナー。
*STEVE POTTS* trail
まさかSTEVEPOTTSのフレームを組ませていただけるなんて、実物を日本で見れたことが奇跡で感動ですが、ピッタリのオーナーが見つかってよかったです。もしも売れなかったら僕のものになっていたことでしょう(キリッ

ご紹介の前に売れてしまったこのフレーム、同じものの色違いをすでにオーダー依頼していますが、何せ世界中にファンのいるレジェンドビルダー、果たして2本目が来るかはわかりません。もしも実現したらご紹介します。

入手性だったりコストだったり、量産のフレームメーカーにはないデメリットもあるハンドメイドバイクですが、僕の中で煌々と、最高であり続けます。

もしもちらっとでもご興味持っていただけたら、お暇な時に過去のブログ
こちら
とかも読んでくれたら嬉しいです。

最近じわじわと日本でも信者が増えてきたRivendellも、実はハンドメイドとは線でつながった点と点であったり。
Rivendell信者の方にもハンドメイド興味持って欲しい!

長々と読んでくれてありがとうございます。手で作られたモノ、それを作るヒト、それを愛して使う僕たち。憧れているんだからしょうがない。

以上タニでした。