上馬店シャミです。
続きになります。
箸休め程度にゆるっと時間ある時に読んでくれたら嬉しいです。
前回のMADEブログの最後はV.Oとの夜の食事会をチラ見せしたところで終えています。
ベロオレンジ御一行とご飯を食べたんですけど、アメリカ南部発祥の料理を多く提供しているレストラン。
あのワッフルの上にチキンがのかっていてメープルシロップをかけて食べる、アレとかです。
ポートランドでも人気なレストランってだけありとってもおいしかったです。
もうベロオレンジクルーと言ったらですね。「チャリで来た。」
たくさんよくしてもらって、たくさん食べてデザートもこれでもかってくらい食べて(お前ら本当に食べ切れるの?)って完全に引いてたイゴアさんの顔を僕は忘れません。
さらに少し脱線しますがそんなイゴアさんにちょっとしたお土産を持っていきました。
実は少し前からベロオレンジのクリントさんから「シャミ〜ステム作ってよ〜!」と言われていてせっかくアメリカへ行くのでこの機会にベロオレンジのイゴアさんとクリントさんに製作して持っていきました。
「サインをしてくれ」と頼まれ、そんなに書いたことないサインを囲まれながら書きました。緊張しますね…
イゴアさんはあげた翌日にはもう自分の自転車につけてくれてました!!
嬉しいっ!!
VELO ORANGEのブースは屋内のすぐ手前にありました。
やっぱり彼らと写真を撮るとどこでも「チャリで来た」やってくれるんです笑
次はなんのポーズ教えましょうかね、ギャルピースとか?死語ですかね?
イゴアさんとクリントさんの私物ニュートリノに昨年クリントさんが乗っていたプロトタイプだったChessieの製品版が展示されていました。
写真には映ってないのですが、VERO ORANGEが20″ 26″ 27.5″ 29″のリムを同じプロファイルで作ってるんだとか!
製品版として落とし込まれるのがいつになるかはわかりませんが選択肢に困ること無くなりそうで期待しちゃいます。
ちょっと脱線しましたが軌道修正しながら本題に戻ります。
今回のMADEには日本からNITTOさんとMKSさんもブースを出展されていました。
共同出展のようで普段こっちでも見る顔ぶれがブースに並んでいました。
MKSさんは普段工場でやっているベアリングのアッセンブルから調整までの工程をデモンストレーション。
この期間に出荷できる状態のものを量産してました。
2日目途中ですでに「用意してきたやつが全部無くなりそう、やりすぎた…」なんておしゃってました。
デモストの回数を減らして3日目も挑んでましたね、
NITTOさんは写真に映るフレームを日本から持ってきて展示してました。
すこし昔にNITTOさんもフレームを製作していてその時のものです。
フレームカラーはNITTOならではなダルメッキで色だけでもNITTO感あって自転車に詳しい人かつNITTO好きならすぐわかりそうなくらい。
PAULやWHITE INDSUTRIES、PHILWOOD、CHRIS KINGなどハンドメイドバイクシーンを支えるコンポーネントメーカーのメーカーの一つで「PARAGON MACHINE WORKS(パラゴンマシーンワークス)」というメーカーがあります。
彼らは先述のメーカーなどとは違った形でハンドメイドバイクを支えるメーカーで、ちょっとした気の利いた小物もそうですが、フレーム製作には欠かせない溶接ありきの小物を製造、販売しているメーカーです。
有名なところだと、ホイールがはまるエンド部分であったり、ハンドメイドステムなどで多く使われる部品を製造していたりもします。
そのどれもが一目でパラゴン製だとわかるほどにかっこいいものです。
これが使われているだけでグッとフレームの細部が引き締まります。そういうのが見れるのもハンドメイドバイクの楽しいところです。
ハンドメイドバイクシーンの発展には彼らの存在は欠かせませんし、逆も然りです。
「THE RADAVIST」
入り口から入ってすぐのところにブースを構えていたラダビスト御一行。
彼らはとても影響力のある人たちで一度は名前はブログなんかを見たことがある人も多いのではないでしょうか。
そもそもブース横に停められているスタッフバイクが偏差値ヤバめでそっちに気を取られる…
CRUST BIKESの小径車のSTUPID TOURISTが、搬出の時にバラされてケースにしまわれている姿はリアルを見せつけられた時は、「ちゃんとブレカウェイされてる!」と流石に心躍りました。
BRAKE AWAYが搭載されている車体はごく少数だけど「フレームをバラせる」という付加価値はなかなか探してもなくて素敵です。
会場に辿り着き、屋内に入る前に一同がくらったこのバイク。どうしても知りたいことが多かったのでキャメロン氏を捕まえてインタビューをしました。
屋内で彼を捕まえ「教えて欲しいことがある!外までついてきて欲しい!」と伝えこの青いトラックバイクに関していくつか質問をしました。
まず初めに「これは誰の?」と聞くと「これは自分のバイクだよ」と返事が返ってきた。
(やっぱりな!)と思いつつ確信はなかったわけですが、帰国後谷さんには「サドルでキャメロンの私物だって分かったよ」と。さすがです。
Q:これはどんなバイクですか?
A:これは軽いトラックバイクです、軽さを意識してバテッドしていないプレーンの極薄のパイプを使っています。車体重量は約8kg。
前後チューブレス仕様で、バッシュガードやブレーキレバーを穴開けして軽量化している笑
シートポストは置いてあったROCKSHOXのドロッパーシートポストのインナーポストが27.2mmで使えたから切って使ってる!
リアブレーキはPAUL専用のボスを使っていてフレームと近くなるからブレーキタッチも制動力も抜群。
サドルはお気に入りのunicanitorだよ。
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そうなんです、彼のお気に入りのサドルはこのunicanitorとfliteだそうで、谷さんはそれで見抜いていたんですね!!
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Q:ブレーキレバーは?
A:このブレーキレバーは12,13年前に使っていたレバーなんだけど、このバイクを組むときに持っているのを思い出して必死に探したんだ笑
Q:シートチューブのこのクランプ部分はどうしてこういう形になっているの?
A:これは、手元にあるシートクランプが31.6mmしかなかったんだ。
だからフレーム側を31.6mmに対応させたんだ、あまりお金をかけて組むつもりなかったから持っているものを使いたかったんだ。
—
キャメロン氏からするとシートクランプを買うよりもフレームを対応させる方が早くて単純で安いんだとか。笑
さすがにその思考はなかったけど、ひとつひとつにしっかりとした意味を持ってやっていることに当たり前だけど美しさを感じました。
彼の作るフレームは決して派手ではなくシンプルなものが多いです。
そのシンプルな見た目の中にはっきりとした機能性が落とし込まれています。
細部にいたってもものすごいこだわりを押し付けてくるわけでもなく、程よい意匠に僕は心を打ち抜かれています。
まず第一にライダーにとっての機能性があり、そこにぶら下がる形でほんの少しの彼のアイデンティティーが垣間見れるその塩梅が僕がキャメロン・ファルコナーの虜になる一番の理由です。
さらにそれを後押ししたのが実際に会えて彼と会話できたこと。
「いつもありがとう、あなたのフレームは本当にカッコよくて日本にもとてもファンが多いです。僕もファルコナーに乗れるのが楽しみです。」
と伝えると彼は、
「こちらこそたくさんのサポートをいつもありがとう。私が今こうして普通の人間でいれるのはあなたがたのサポートがあるからだ。普通の人間にしてくれてありがとう。」
なんて謙虚なんだ。ってめっちゃくちゃびっくりしました。
あくまでも自分は普通だと言っているその目には涙を浮かべていたし、彼を慕い、感謝を告げるとなりふり構わず感情を表に出してくれる姿に愛おしさすらも感じてキャメロン・ファルコナーのことをより好きなり、やはり彼の作るフレームに乗らずにはいられないな。と改めて思いました。
そうしてMADEの3日間の全日程が終了しました。
僕は気を付けていたにもかかわらず熱中症になりその場から立てなくなり今すぐ車から降りたくなるくらいまでダウンしました。
本当にギリギリのところで宿に戻り座ったらそこからまた4時間動けなくなりました。
今となっては思い出。良くはないけど思い出。
MADE 2025はこれにて閉幕。
金子さんやサンバのブログにもあったけど他にもカリフォルニアでの思い出もたくさんありました。
これからもますます言語化していってなるべくたくさんの人に現地の空気感をお伝えできたらと思います。
それでは。
シャミセン