上馬店のタニです。
余談から書きます。輪行遊びの話です。
先日まっちゃんのブログにありましたが輪行で静岡に行ってきました。
小径車持ちのスタッフを中心に、輪行のしやすさ、持ち運びの便利さと弊社の輪行バッグmini velo carry bag の体験・体感しつつのツアーでした。
が、僕は小径車を持っていませんので、横目で小径チームのコンパクトさを羨みながら、700cのバイクをぶん回して前後ホイールを外して輪行を試みました。
また、最近なぜか静岡ルーツのお客様がすごく多くって、何か縁じみたものを感じていたのと、実は静岡生まれだけど静岡で生活していたわけではない僕は「そういや生まれ故郷を自転車で走ったことないな」と思ったのが同行の理由です。
小径チームはバラすのも包むのも、コンパクトで楽そう。リアルFRISCO、チョッパースタイルのまっちゃん。
僕が今回持っていったバイクは、
Rivendell FRANK JONES。シングルスピードの方が、輪行も簡単だし今回のショートトリップにスマートかな?なんて思いつきで品川駅まで転がしてきたのですが、
このバイクでの輪行は初めて。そしてハブはPHIL。・・・トラックハブなのでお察しの通りシャフトはクイックではなくボルトオンです。
で、問題発生。
「フンッ!!!」
手持ちの折り畳み携帯工具では短くてトルクがかけれませでした。・・・ホイールが外せない。出発前にいきなりのピンチを迎えました(皆さんも輪行は前もって持ってくバイクで予行しておきましょう)
「だ、誰か長い六角レンチなんて持ってないよね??」
急に焦ること言い出したタニさんの一声に、静まり返る一同。すると救世主が、
「これで良かったら」
まっちゃんがサドルの下から六角レンチを取り出しました。僕は知らなかったのですが、モールトンはラック分解用の六角レンチがシートポストヤグラ部に収納できるようになっているんですね。すごい。
助かった!
俺だけ品川に残るのはごめんだ。で、このツアーの終わりにこの失敗から何か学べんだろうか、と考えました。
教徒たる僕の脳に思い浮かぶは教祖の姿。優しい笑顔。
そういえばGrantさんのバイクには、
拡大します。
おわかりいただけただろうか。
磁石で六角レンチをキャリーオン。
この発想よ、柔らかな脳よ。
早速マネします。PHILのハブは6mmの六角です。
3点留めで結構ガッチリ。このバイクにはこのまま6mm六角を貼り付けっぱなしにしておこう、これでいつでもホイール脱着可能。5mmであればサドルハイトもいつでも変えられるし、ドロッパーポストの始祖はもうコレなんじゃないかという。
走ってて落ちないのかな?なんて考えちゃうのだけど、このアイデアそのものよりも、子供の頃磁石を手に入れたら不思議で楽しくて1日触ってられたあの感覚を、Grantさんは今も持っているから思いつくんじゃないか、大人になったらそんな着目しないものへの感じ方がこのアイデアより凄いことなんじゃないか、なんて脳内で話が飛躍して、要するにGrantさんは本当すげーと思いました。
(追記:後日この磁石マウント方式で、ダート・グラベル遊びしましたが落っこちませんでした)
・・・という長くなりすぎた前振りも踏まえて、お客様のRivendellを見てください。
*RIVENDELL* clem smith jr. (52)
Rivendellのフレームは、それぞれ各モデルに長所短所、向き不向きはもちろんあるのだけど、基本全てのモデルが「用途がピンポイントでない」のが魅力と思います。
休日の移動手段として短い距離を乗るのも、ただ通勤で毎日酷使するのも、「今日はバイク乗るぞ!」って出かけるような日にも、大体どのシーンでも大丈夫。
でもRivendellを見にきてくれたお客様に等しくいつもお話しするのは、SURLYやALL-CITYのように、どのシーンでも高い性能を発揮しちゃうぞ!ってバイクではないというところです。SURLYより遅いし重いし柔らかいです。
それでもRivendellの美しさ(「綺麗さ」とは違います。味の出たブーツや、錆びて朽ちた船や、苔にまみれた木や岩だって美しいように)に魅了されてしまった人は、大概重さや速さなんて気にしない方たちばかりなので問題ないのですが!僕もそうです。
このバイクのオーナーさんもそうで、まずはRivendellというバイクに魅せられて、カスタムする箇所を決めたり、ホイール組みの時間をお待ちいただく間に、RivendellのボスGrantさんのそんな価値観に魅せられていったクチです。
グリップ周り。既視感あった方はRIVファンですね。「グリップ周りはどうしましょうね?」ってお話しになった時、オーナーさんから「色々考えましたがGrantさんのバイクオマージュで・・」とリクエスト頂きました。
Grant原理主義の僕ですが、まだあのバイブスを出す自信はなかったので、ただのマネになってしまったのが申しわけないです・・もっと徳を積みます。ハチャメチャなんだけど、バイクを引きで見るとまとまっていて美しい、というのがGrantさんのバイク。僕はまだ未熟です。
ホイール、タイヤ。足回りは一新しました。
タイヤは新興勢力からあっという間に主力戦力になってしまったTERAVAIL。デザインも価格も良くて、路面に合わせて幅広くバリエーションがあります。
街乗りバイクとしての役割もこなせるCLEMですが、2.4インチまでのMTBタイヤを履いて「HILLIBIKE」としても組むことができるCLEM。たまの休日にオフロードや自然の中に持っていって遊ぶイメージがあるのならこんなタイヤが良いですね。
RIVにはコンポは安価なものが良いです。RIVらしいシフターで操作のできる8.9速で十分。
そしてオーナーさんからマストでリクエストのダイナモハブ・ライトの導入。走れば点灯、バッテリー切れの心配ゼロ。火力も強くて夜道も安心です。
リアは、SONのハブダイナモとマッチした質感だと、このWHITE INDのMI5、もしくはPHILWOODのハブが完璧です。どちらもフリーボディのお掃除、グリスアップが簡単なのも良いところ。フレームと一緒に長く使ってくださいね。
リムはATLAS、A23より重量がありますが頑丈でタフ。速度感を気にしないCLEMにぴったり。あとこの青い地球儀に羽の生えたロゴが格好いいから好き、という声も多いです。たしかに。このロゴのTシャツ欲しい。
初回の点検時、早速泥まみれにしたこのバイクを持ってきたオーナーさんが嬉しかったです。山に限らず街乗りもどこへでも乗り倒してボッロボロのドロドロに美しくしていってくださいね。
RIVENDELL、現在在庫はありませんが、不定期に入荷したり、各店に試乗車やスタッフバイクがあるのでぜひお店に実物を見にきてくださいね、実物が写真よりも素敵です。このままコロナの影響も明ければ今年はいくつかフレームの入荷もあります。頑丈で長く乗れる一生もののバイクなので焦らずお待ちいただけたら幸いです。
もう1台バイクチェック書きたかったのですが、RIVのことになると話が長くなります。この辺にします。
最後まで読んでくれてありがとうございました、タニでした。