上馬店の谷です。
今日は自分の自転車の話。
性懲りもなく、欲しい自転車があるのでそのことをツレツレ書きます。おうち時間の暇つぶしに、読み流していただけたら嬉しいです。
何をモクモクと企んでいるのかというと、これです。
S&S Couplers。甲冑のような、指を切りそうなくらいなエッジと精度。
この部品がついている自転車は、
パカっと、フレームを分割することができます。どういうこと?
パカっと。
パカっとしてどうするのかというと、
自転車はフレームが半分になるとこんなに小さくできます、ホイールの大きさ。それでいてこのS&Sは、折り畳み式と違って乗り味や剛性感は全く犠牲にならないという。。
カネヤンや一周もこのパーツにお熱のようで、僕も漏れなくそうです。ずっとずっと憧れていた「カプラー付きのバイク」。僕は小さくできることよりこの部品そのものに魅かれているクチですが。
この部品、パーツ単体でバイクショップは扱うことができません。溶接、自転車のフレームビルディングができないとS&S社はバイクショップに売ってくれない。なのでSURLYで過去あったようにメーカーが生産時に組み込むか、認可のハンドメイドビルダーにオーダーするか。その高いハードルもそそります(共感した人変態)
しかしついに、
ご近所のフレームビルダーREW10 worksさんのお力を借りて、扱えるようになりました。
これから、このカプラー付きのバイクを組んでくれるお客様が現れるかな。どんなバイクにつけるんだろう。でも待てよ、お客様にご提案する前に、施工から組み込みまでどういう流れか把握してないといけないな。
口実は揃いました。まったくしょうがないな!まずは自分で付けてみよう。
すでに持っているバイクに付けるのか、新しくフレームを用意するのか。
楽しむ ”ツール”としての媒体ならやはり真骨頂SURLYかな?と色々妄想をしていたのですが、僕の脳味噌に浮かび上がったのは3台のバイク達。
以前お店に立ち寄ってくれたお客様のRivendell。
いつぞやネットで見かけたRivendell。
とある夜更に、各社が競って繰り出すレモンサワーの飲み比べをしながら考えて、酩酊の先にRivendellに付けたいな、カプラーの曲線とラグフレームの曲線が素敵だよな、とぼんやり方向が決まりました。
じゃあどんなバイクに組むか、というのはもう僕の中で決まっていて、
このバイク、KUMO CYCLES。日本に来た時何度もお店に寄ってくれたオーストラリアのフレームビルダーキース自身のバイク。僕が人生で雷落ちたバイクのうちの一つ。
それまでこの「S&Sカプラー」は、飛行機輪行のアップチャージを避けて、世界中を旅したり。荷物いっぱいの本格的なビッグツーリングを楽しむためのツール、ってイメージがあったのだけど、それを破壊してくれたバイク。
シングルスピードで、いかに簡単に分解できるか、ブレーキや寸法随所に工夫があって。旅の自転車というより、旅先でいつもの”脚”に使えるような、いわば旅先のエブリデーバイクのような。
世界中を自転車旅行するわけじゃない自分のカプラーバイクは、こういうバイクにしたいな。
(CRUSTの新しいフレームも、もっとラディカルですがそれに近い存在だと思いました)
そうと決まれば話は早い、鉄とボーナスは早いうちに打て、被験者となるフレームはどれにしよう?
本当はFRANK JONESをベースに施工したかったけど、僕のサイズは売り切れ(PBH:83cm)。このフレームでできたら本当に格好いいのだけど、諦めます。。
今手に入る各モデルで本当に迷いましたが、
選んだのはSam Hillborne。今回サイズは大きめでなくPBH通り、51にしました。
理由は色々ですが、キーになったのはあのときのライド。年始にまっちゃんとチューヤンと、自転車部品の展示会で皇居を抜けて浅草方面へ行った時のこと。
(早くまたこうやって何も気にせずみんなで自転車乗りたいですね)
この日はなんとなく3人ともRivendellに乗っていて、自然とピタリと合う歩調が気持ち良くて。僕はもちろんいつものCLEM SMITH JR、太いタイヤが履けるRivendell。
チューヤンはSam。
そしてまっちゃんの愛車、Quickbeam。
二人のRivのタイヤは38cほど、都内のアスファルトを軽やかに。そしてまっちゃんのQB、シングルでもスイスイと街を縫っていく。一緒に走って、後ろから見ていたその様が、組むバイクのイメージに重なりました。
・・・ブログが長くなってきました。
需要があるかわかりませんが、この魔力魅力詰まった金属部品に、心奪われる人が僕以外にもきっといると思うので、自分を実験台に続けます。
いよいよの施術(いざとなるとフレームをぶった切るのって結構勇気いる)、組み立てる工程と組み上がったバイク、そのレビューは次回に続きます。
長いのに最後まで読んでいただて、ありがとうございます。
つづく