グリップ。
ハンドルに付いているゴムのあのパーツ。わたくしそれがとにかく大好きです。
5年も前に書いたグリップ愛、それから月日も経ち最近はパッションに溢れたグリップに全然巡り合いません。
みんなオシャレに落ち着いちまいやがって…。
でも実はこっちが逆に落ち着いたのかなって説も。自分のバイク見回してみたらぜーんぶ優等生な感じ。歳を取ると好みも変わるなんて言いますしね。
しかしグリップへの偏愛は捨てきれない。夜な夜な変なグリップ無いかなってディグしていた時、目に留まったのがコレ。
?ナマコ???
YES!!バーエンドバーです。
コチラはCANECREEKのバーエンドバー。(グリップ愛が行き過ぎて違う方向に行った感)
ゴムに覆われたその見た目故に溢れるグリップ感もさることながら、
丁度良い大きさで誰が握っても何だかフィットする形状、小ぶりだから力を掛けてもグッと堪えてくれる名作バーエンドバーの予感。
当たり前のようにバーエンドバーって言っていますが???って人も多いですよね。
ざっくり説明します。
~バーエンドバーとは。~
その昔、80~90年代のMTBでは当たり前のように付いていたカスタムハンドルパーツの総称です。
フラットでしかないマウンテンバイクハンドルの限られたポジションに、一番力の掛かるハンドル端に追加できるこのパーツは、数々のレーサーやマウンテンバイク愛好家から支持を受け、
簡単にできるカスタムパーツでもあったため、だんだんと一般市民にも浸透していったようです。
今思えば考えりゃ分かんだろ的な事ですが、
そこを握って街を爆走→ブレーキレバーから手が離れているため減速ミスして事故。
みたいな事もあったそう。あとこれは稀ですがトレイルで枝に引っかかってウザいなんて事も。
一説によればマウンテンバイクの進化、ライザーバーの登場でお役御免と縮小していった歴史があるそうです。
遠い昔の流行をなぜ今掘り返したと聞かれたら、
単純に物の見た目が可愛かったから欲しくなっちゃったが主な理由。
でもなんか今の時代フィットする場面ありそうな気がした直感もありました。
例えばトラクロクロス。
そもそも固定ギアならブレーキレバーでの減速の不安も無いのでコースによっては有利な場面とかありそう。
っていうかワイドなブルホーン的なものと捉えたら固定ギアとの親和性があってバイクの雰囲気にフィットする気が…。
それと正攻法でMTBやフラットバーツーリング。
そもそもスピードを出す為に生まれたものではなく、上り坂のアシストの為に必要だった経緯は普通にトレイル、ロングツーリングの登りでも効果を発揮してくれる、はず。
フラットバーのバイクで長ーい上り坂をダラダラと上らなきゃいけない時、飽きた疲れたで手の置き場に苦しんだ覚えは確かにあった。こういった時にポジション替えられるのって本当に助かる。
ちゃんと用法さえ守れば身のためになるパーツと知れば、使い道もそれぞれに出てくる可能性に満ちたものだと思うんです。バーエンドバー。
勢いに任せてこっちもオーダーしちゃった。
ergon GP5
エルゴノミックを冠したブランド名は伊達じゃない。
何だか昔から握っていた物の様な気さえするぐらい自然と手に馴染む形状のグリップ部に、
これでもかとマルチポジションを備えた特大バーエンドバーがセットになったこのグリップ。
サッと付けるだけで握るところがプラスで3つぐらい増えるなら、グリップにしてはお高いこのお値段でも迷いを振り払ってポチってしまいそう。
バーエンドバー以外のメイングリップ部の握り心地は本当にびっくりする心地よさなので是非お店で一握り。
V.Oからもグリップが新入荷。コルク調のスポンジグリップに柄物でバリエーションが増えました。
気になったのがこの木目。これにニス塗ったらどうなっちゃうんだろう…。
普通のコルクグリップではぶつけたり転ばしたりで割ってしまうリスクがあったけど、この素材と値段なら怖いもの無し。しかもちょっとした手間で風合いも良くなるんだったら二度おいしい。
そういえば忘れちゃいけないお馴染みのこいつも再入荷。
OURY GRIP USA
息をするようにこれだけを付けまくっている時代もありました。アメリカ製のグリップって言ったらOURYかODIか。
ATIやAMEなんかもありましたね。(HUNT WILDEとか。)いや、結構あるな…。
とにかく、自分たちが謳歌した青春時代のグリップっていったらこれでした。値段も手頃で色数も豊富で、分厚さ故に握り心地も良く、形も独特で新鮮だった。
時が経って今、そんなOURYGRIPはV2なんてちょっとスマートなモデルも出て、別注カラーもそれでリリースしています。
当たり前にありすぎてずっと気にしてこなかったけど、そういえばこのグリップの歴史を知らんなと思い知らべてみました。
1968年創業。元々はモーターサイクルのグリップからスタートしたそう。当時のモーターサイクルは日本の輸入車が猛烈に流行っていたのだとか。
ただ、日本人の小ぶりな手に合わせて作られたグリップは欧米の人たちからすると細すぎたようで、振動吸収などの改善点の為に形や作り方でさまざまな工夫が生まれ、
ある日、コロラドに住むouryさんが生み出したのがこの“reverse blick”というパターンなのだとか。
劣化と引き裂きに強かった、当時から豊富なカラーリングがあったことから人気を博したのだとか。
バイクの事は詳しくないですが、80年台の日本のバイクのグリップもこのパターンが主流になったくらい影響が大きかったOURY GRIP。今はLIZARD SKINというグリップメーカーと共にリリースしています。
調べて見るとジャンルを超えた調べ物になってきてまだまだ掘り甲斐がありそう(というか長くなりそう)なので今日はこれで。
兎にも角にもグリップひとつとっても見た目や使い心地、用途が本当にそれぞれ。
しかもそれを結構簡単に変えれちゃうんだから面白い。
今一度、そのグリップはしっかり握れていますか?
それでは。