またお会いしましたね。いえ、初めまして、かな? サプライです。
仕事がらインボイス(そんな言葉聞いたことないって方はウィキペディアのインボイスをご参照下さい)のリスト(PDFファイル)に良く目を通すのですが、ダウンロードする度その辺に放っておいたら気が付くとデスクトップ上が相当訳の分からん事になっていて、もういい加減整理しよっと思い、作成した「名称未定フォルダ」にまとめて放り込んだのがつい先日のこと。
さすがに名称未定のままではまた後で分からなくなってしまいますから、そろそろタイトルを「インボイス」にしようと思い、「inbois」とキーボードで打ち込みスペースキーを押すと、何を思ったか、僕のマックが一発変換で「淫母椅子」を叩き出したのがつい先刻のこと。淫母椅子ってどんなだよ。相当アレだよ。
「PCは持ち主に似る」とはよく言ったものですが、自分でも気付いていない、かなり深い部分まで似てしまっているようで心配です。

さて、持ち主に似ると言えば犬、猫、子供。あとブルックスのサドル。
今週末こんなイベントをやるみたいですし、うちの自慢の息子とも嫁とも呼べる愛すべきブルックスサドルを、ちょっとだけ紹介させて下さい〜
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*BROOKS* b17 standard (black)
このサドルは僕のブルックス遍歴でいうと多分4個目?くらい?そんなに経験多くないです。
これと同じ個体ではありませんが、初めてこのサドルと出会ったのはおそらく10〜年ほど前。
当時頑張って手に入れたイタリア製の台湾製の完成車に初めから付いていたのがブラックのB17。
その当時はとにかく革製品、特にイギリスの伝統あるブランド、例えばホワイトハウスコックスやトリッカーズ、クロケットジョーンズとかそういうものに目が無くて、それと同じくらい自転車に興味がありました。
ただ自転車についての知識はまるで浅く、一体どれがかっこいい自転車なのか自分の中での判断基準があやふやな頃の話。
そんな時街で見かけたクロモリのクラシックなフレームにブルックスのぶ厚い皮サドルのコンビ。
なんてかっこいいバイク、いやサドルなんだ。と唸ったのを結構鮮明に覚えています。
もちろんそのあとお金を貯めて購入。それが初めてのブルックス。
(一応説明しとくとB17はブルックスの中では一番安いエントリーモデル。)
数年後、ピストバイクを組む頃にはそれなりに自分の中にもこだわりが出てきて、B17よりもちょっと高い*BROOKS* team pro specialを購入。
ぶっちゃけB17とそんなに変わんないんだけど、いらん見栄を張って一番安くない、決して完成車についてない奴、を手に入れたワケです(チームプロって名前もかっこいいし)。
高かったし、自分にとってはとにかく大切なものだったので、サドルを購入後すぐに専用カバーとケアオイルを購入。
外に停める時は必ずカバーをかけるのは当然。必要以上の頻度でオイルを塗り、イタリア製の革靴の様にウエスでピカピカに磨いていました。
今振り返ると結構バカだなぁと思いますが、その時はそれがとても楽しかったし、手入れの行き届いた(ちょっとやり過ぎだけど)自分のサドルを見ると何だか誇らしい気持ちにもなりました。
その後チームプロは事故で大破するまで使い切り、それから幾つかのサドルを点々とした後、結局また元の鞘(B17)に戻ってきた、という経緯。(長々とすんません)
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そしてこいつとの付き合いもかれこれ二年。もちろん最初は丁寧に扱いますが、、月日と共に多少おざなりになってくるのは致し方無し。テールの角とか、当たりやすい箇所は結構傷が目立ちます。
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あと座面の沈み。BROOKSも他の革製品同様に雨には弱いですから、濡れた状態で座るってのを繰り返してると日に日に沈んできます。付属のスパナで張りの調整が出来るんですが、一旦型くずれを起こすとなし崩し的にどんどん裾の方がひらいてきます。小さなトランポリンのように適度な反発とクッションがポヨンとして大変乗り心地は良いのですが、深く沈んだ状態を見て結構心配になって来たので、、
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ブルーラグの諸先輩方にならいレースアップカスタム。適当に横に穴をあけ靴ひもを通してキュッと縛り上げる原始的方法(といっても元々ブルックスのラインナップにこの仕様のサドルは存在するのですが)。一度広がってしまった座面もこれで元通り!っと一瞬ぬか喜びするのですが、実はこのカスタムには落とし穴が。上からの力を裾の広がりで逃がしていたものが、今度は逃げ場を失ってサドル中腹部分が沈んできちゃうんですね。覆水盆に返らず。
そもそもお手入れを怠り、というか正しいケア方法を知らず、型くずれを起こすまで放置する自分が悪いんですが、何か良い方法はないのでしょうか。是非ともその辺を週末のワークショップでブルックスの人に聞いてみたいです。

これ以上長々と僕のサドルの話をするのもアレなので、この辺でブルーラグスタッフの愛用ブルックスをご紹介。
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まずはMAX君のBROOKS。モデルは*BROOKS* b17 flyer(honey)
僕と同じB17にバネがついたモアコンフォートサドルです。元々はハニーという薄い茶色なのですが、使い込むことで良い飴色に変わってきています。どことなく本人にも似ているような気がしますね。
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座面もお尻の形に合わせてすっかり変形しています。使用年月は聞きそびれましたが、恐らく1〜2年程でしょうか。
ここまでくると座り心地は相当良いはず。まさに自分専用の唯一無二サドル。みたいな。
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横から見ると弓なりに沈んだ曲線が綺麗です。無理に縛り上げたりせず、成り行きに任せるとこうなります。
人によってはこの状態が貧乏くさくて嫌だと言う方もいるみたいですが、個人的には好きです。
ブルックスが本来持っている優雅さ、みたいなのが崩れていて見ていて落ち着きます。吊るされたハンモックみたいで良くありませんか。

お次はゆもっちゃんのBROOKS。
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*BROOKS* team pro s chrome (リンク先は普通のTEAM PRO SPECIALです。すんません)
普通のTEAM PROと違い、ノーズが短く小ぶりでかわいいサドルです。
銅リベットを用いクラシックな雰囲気がより一層アップ。B17と異なりレールがクロームメッキ仕上げでちょっぴり高級感もあります。
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大切に乗っているみたいなので結構綺麗。に見えますが端っこに大きな擦れが。
傷付けた直後はかなりショックを受けていたようですが、、
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今ではこの通り。なぜなら苦楽を共にした特別な存在だから。
お互いを傷つけたこともあったけど、それを乗り越え更に深い愛で結ばれたようです。
乗り心地に多少不満をもらしていましたが、その内良くなるでしょう。何だって時間が解決してくれます。

そして自転車愛と言えばこの人。
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*BROOKS* b17 aged??? (本人不在のため顔写真貼っておきます)
メカニック金やんが所有するBROOKSはB17に最初から味加工が施された特別モデル。
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ってどんだけ味だしとんじゃーい。AGED加工に更なるエイジングを重ね、ポンペイ遺跡から発掘された石像みたいになってます(ポンペイ遺跡から発掘された石像の人ごめんなさい)。
ここまでくると年季っていうより、もはや呪いの一種。人々に怪異として語り継がれるレベル。
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(B…? 17?? で合ってる?)
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そして彼らしい所はスニーカーのシューレースを使って編み上げているところ。
こうやって自分が好きなものを何とはなしにポイッと放り込んじゃう金やんのセンスにはいつも驚かされます。
彼を形作る特徴、型にはまらない人柄が、サドルにもあらわれていますね。見た目も何か金やん似てるしね。

革という素材には沢山の良い所があると思いますが、傷や汚れを良い形で、思い出としてとして記録してくれる所が一番素敵だなと僕は思います。結果を見ただけでは過程が分からないことが多い世の中ですが、革は多くの記憶や情報をギュッと沈黙の中に閉じ込めて、見た人、ふれた人に瞬時に追体験させてくれる不思議なヤツじゃないでしょうか。なんつって。

自分のサドルを見て一人でニヤニヤするのも良いですが、それをみんなで共有するのも結構楽しそうじゃない?と思ったので
急ですがこんな企画用意してみましたー

1brooksのコピー
*汚(お)BROOKSコンテスト*

内容はとても簡単。BROOKSの「汚さ」を競います。(汚くなくても可)
エントリー方法:あなたが愛用している年季入りブルックスの写真をハッシュタグ「#汚BROOKS」でインスタにアップ。
その際使用年数とか、まつわるエピソード、意気込み的なことを添えて下さい。オーナーの顔が写っていると尚良いです。
単純に年季だけでなく「エピソードの内容が面白い」「ブルックス愛が半端ない」「使用年数の割に超手入れが行き届いてる」「めっちゃカッコ良く撮れてる」「オーナーの顔芸」「よく見ると座面に刻まれたしわが鬼の顔」等々、BROOKSにまつわるいろんな物語が採点対象。
何名かの受賞者には「お前はサドルを今すぐ掃除すべきだ!」ってことでBROOKSメンテナンスキットを贈呈!(別枠として、メンテナンスすら手遅れな”最汚BROOKS”オーナーには特別賞を授与)。
詳しくはリンク先をご参照下さいませ♪

見た目は汚いけど響きは優雅。あなた自慢の”汚(お)BROOKS”。投稿お待ちしております(^q^)/