嗚呼、サンフランシスコをWILL君達と爆走した日に戻りたい。
と思ったら今日サンバがフライングでこの日の思い出の事書いてるじゃん…。
今日はSF味濃いめのブログの日と思って多めにみて下さい
今回のアメリカ出張は、ポートランドで開催されたMADE BIKE SHOWと、
カリフォルニアを拠点とする数々のブランドの所に訪問する事が大きな目的でした。
色んな場所で多くの人に出会って、たくさんの出来事があった中で、
今日はRIVの事を強く書きたい。
彼が誘ってくれたサンフランシスコ(以下SF)のライドが、
僕のイメージの“RIVENDELL”をアップデートしてくれました。
その日、朝からBLACK MOUNTAIN CYCLESに訪問しボスのマイクさんとミーティングや撮影、ポイントレイズステーション(BMCがある街)の周りをライドしたりと充実し過ぎの1日だったのですが、
「夕方からwillがサンフランシスコで自転車に乗ろうだって。行く?」
という話に。
(余談ですが、アメリカの夏の日の長さって全然日本と違い、夜8時くらいまで明るいです。バグる。)
断る理由なんてないです!行きます!と、皆期待に胸膨らませながらも、
サンフランシスコって坂の街だよね…僕ら登れる?(降れる?)っていうドキドキも募らせて目的地の公園へ。シャミセンはシングルギアだったし。
結構な激坂の横の小さな公園に着くと、出迎えてくれたのはWILLとJAMES、そしてSKLARのアダムさんと、アーティストのクリスさん。
(PAULの箱とかバンダナのグラフィックを描いている人!日本帰ってきてから気がついた!)
久しぶりー!元気だった?ようこそSF‼︎と挨拶交わして、今からツインピークス(サンフランシスコにある山。)に行こうぜとスタート。
坂を登り下り、気が付くとジョインしているCALLING IN SICKのアダム氏。
谷さんやカーネルのブログで名前が出てくるみんなといきなりライドが始まってる。
すごいぞSF。
時差ボケ大丈夫〜?とか今日のご飯どうする?とか喋りながら走る、というか登る。
SFの街を自転車で走る事は正直憧れていた。なんせ僕はMASH SFに食らった世代だから。
急にやってきたこんな機会に内心は感無量だった。
そんな気持ちに引っ張られ、トラックバイクで来れば良かったかも…とか思いながら、
ふと目をやった先のWILL君に釘付けになった。
JOE APPで力強く立ち漕ぎで坂を登って行く姿。横顔は微笑んでいた。
その姿がこれを書いてる今でもずっと脳裏に焼きついている。
MASHでも見たことあるよこんな光景!うおおと目頭が熱くなった。
たかが立ち漕ぎで何故興奮しているの?と思われるだろう。
「RIVENDELLで必死に走る」という事に違和感を感じる人は僕と一緒。
そしてこれまでのRIVの情報をたくさん見ている人なのではと思う。
頑張らなくて良い原始的な乗り物で、「頑張る」なんてナンセンスだから。僕の違和感を説明するならそんな感じ。
もちろん汗ダーダーにしながらSFのトラフィックを攻める乗り方をWILL君達がしていた訳じゃない。
だけど頭の中に思い浮かぶRIVのイメージや、グラントさんが作り上げたスタイルとは少し違う、
そんなRIVの乗り方で楽しんでいるように見えた。
ツインピークスの山頂に着き、この景色も画面越しに観てたやばい場所じゃんかよ。連れてきてくれて本当にありがとうと思っていたら、
「こっから降りてご飯食べ行こうと思うんだけど、シングルトラックで降りていくのイケる?」との質問が。
この日、僕だけがフルスリックタイヤのリムブレーキロードバイクだった。ちょっとみんなが羨ましかった。(このバイクの事はまた後で。)
だが、俺がそんなのを理由に走らない訳がない。喜んで行くよ‼︎とみんなと一緒の脇道に逸れていく。
前述した彼らのRIVの楽しみ方の真骨頂がこれだったように思う。
大袈裟じゃなく、普通にマウンテンバイクがベターな薮の中の降りを攻めていく彼ら。
張り出した木の根っこや、突き出た岩肌、ちょっとバームっ気のあるタイトなコーナー。
多分、古くからSFのローカルMTBライダーが開拓したであろうトレイルを、JOE APPで駆け降りていくWILL君。
当たり前に、昔からそうして遊んでいたように。
結構このシーン達が僕の心には深く刻まれたし、こんな彼らもRIVENNDELLなんだ。と、本当に目から鱗が落ちた。
若々しいとか都会的とかスタイリッシュとか、そんなチャチいイメージの次元じゃなくて、
純粋にそこで暮らしているからこその楽しみ方を見つけて、遊んでいる現実を観れた。そしてつま先だけかもだけど体験できた事が本当に貴重だったと思う。
RIVENDELLの大切にされてきた世界観は、グラントさんはもちろん、大先輩達が連綿と守り伝えてきたからこそ、今もこうして揺るぎなくここにある。
それを知り感じてなお、少しづつの変化や進化をする若い感覚がそこにあった。しかもカッコ良く、自然に。
その昔、グラントさんが自転車文化に辟易して、楽しみ方の模索をしていた時に見つけたRIVENDELLの源みたいな事は、
今のこういった彼らの乗り方や遊び方に巡り巡って繋がるんじゃないかな。と妄想が膨らみ始めた所で一旦落ち着こう。
ちなみにこの次の日、グラントさんがお気に入りで大好きな山にライドに行きました。
楽しみ方がまっっったく違ったよ。この日も決定打となり僕は、今自分のRIVを組む事で頭がいっぱいです。
…このブログ、新色のROADINIの紹介を織り交ぜる事が当初の目的だったんだけど、
描き始めたら自分のSFの思い出語りになってしまった…。軌道修正。できるか?
唐突だけどRIVENDELLのバイクは、
グラントさんの思い描く、「自転車」。なんだなと思う。
それぞれに性格と特技があるけれど、でも互いが補いあっているモデルばかり。
だからWILLやJAMESが、街でも山でも同じ自転車で楽しむ事が出来るし、
多くのお客さん達もPLATYやJOE APPを選んでくれる。補い合う部分の広さが多いから。
じゃあなんでROADINIがあるんだろうと思った。
このバイクの説明文は、
伝統的な「ロードバイク」を大幅に改善しました。
オールラウンドで全天候型のロードバイクです。
だそうな。
ROADINIで、
JOE APPALOOSA 。
他のRIVと比べた時、(対比がすごいバイク並べちゃった…)明らかなシンプル具合に少しびっくりするほど。
なんでも出来る系のモデルより少しだけ、牙が磨がれたバイクのように思う。
(ヘッドパッチが猫科だし。)
オールラウンドのバイクがたくさん並ぶ中で、「ロードバイク」カテゴリーのオールラウンドを作るのは何故だろうを考えてみた。
それは自分が自転車を乗っている時の気持ちと、これまでのRIVのフレーム達を振り返ってみたら、答えは簡単なのかもと思った。
PLATYやJOE APPでは補えない性格がある。
それは「疾走感」。
これが自転車を楽しむ中で大事な一つの性格だというのは、一緒に働くダンカンや大地、若いスタッフのタクマやメロを観ていて強く感じる事だ。
その疾走感をブーストさせ突き詰めた先に、カーボンフレームのディスクブレーキで、前のめりな姿勢がとれるバイクが生まれる。
最先端のロードバイク達やモダンなオールロードバイク達はそういう事だろう。
そしてグラントさんの好みではなさそう。
でも、ロードバイク=疾走感≠グラントさんではない。
グラントさんの思う「自転車」にも疾走感は絶対に必要な性格で、これまでに作られたRIVの歴史、バイク達にもその性格を持ったバイクが必ずあった。
え、今年でRIVは30年なのかよ…という衝撃の事実は一旦置いといて、
その疾走感が、アスファルトの上で本当に遺憾無く楽しめるものだというのを、
SFの町を走った事、RIVではないが新しく組んだ自分のバイクに乗った事で改めて実感する。
僕らはアスファルトだらけの土地で、リッジラインを走るRIVENDELLにばかり憧れを抱いていたけど、
SFの街を駆け回る事が得意そうなこのバイクだってRIVENDELL。
いつの日かTOKYOの街に一番合うよねって言われるRIVがROADINIであったら、それは素敵な未来かもなんて妄想を抱く。
僕らがつい引っ張られてしまう所謂なイメージ、
では無い性格のRIVENDELLにも、是非触れてほしいです。
この新色達はroadiniの性格らしく、少しフライング気味でアメリカよりも先にBLUELUGに到着。
店頭では発売中、オンライン販売はもう少しだけお待ちください。
それでは。