今日の上馬日記はバイクチェックワンツーチーです。
それはいいとしてワンツーチーのラインナップでは「鶏の唐辛子炒め」が一番好きです。辛みと彩りのために入っている食べちゃいけない唐辛子を、急にふつうに食って周りをビックリさせたり、その後辛くてMAD感丸出しで悶えたりするのが好きだからです。
それもいいとしてここ最近納車させてもらったバイク達。どれもこれも素敵なのでバイクチェックしまーす
あなたの好みのバイクはありますでしょうか。
*FAIRWEATHER* track complete bike
翡翠ヒスイを思わせるフレームカラー、クリーンにシルバーのコンポーネントでアッセンブル。
トラックバイクフレーム、ピストフレームをベースにしてフロントラックを主役にする組み方は年々増えていきますが、このバイクはそのまた一歩先行っちゃってる気がします。。
個性的な曲げが特徴の*NITTO* B356 M’s barに、コットンバーテープ2色を使った変則巻き通称”レジメンタル巻”が目を惹きます。カラーのチョイスもハイパー素敵。豊富なカラバリと経年で退色して味が増していくコットンバーテープ。DIY好きに好まれる傾向がある気がします。そのハンドルを支えるはターミネーター液体金属なCR79 fillet stem。
(クセのあるハンドルに見られがちなM’s bar、騙されたと思って店頭で握ってみてください。実は超合理的なので)
FAIRWEATHERのグレーのタイヤとブレーキアウターの色合わせ。あえてなホワイトコンコールのチョイス。全部確信犯ですね。超素敵。SOMAのポーターラックを中心にしてジャンクにチープに組むのはよく見られがちだけど、ここまでクリーンにアイスに組んで格好良くするのはセンスいいなーと思いました。おべっか抜きです。
変速機構の無いシングルスピード、美しく削り出されたPAULのクランクとWHITE INDUSTRIESのコグ。MADE IN USAなドライブトレインは見た目だけじゃなくて高い精度、スムーズな回転、音(←大事)も最高です。
お次もFAIRWEATHER。好みのフレームカラーにカスタムペイントが可能なので、実は店頭でお客さんが悩むのはパーツじゃなくて色なんじゃないか、というのはFAIRWEATHERあるあるです。
*FAIRWEATHER* CX complete bike
重厚なレザーバーテープの巻かれたB135ランドナーバーにギドネットレバー。一瞬旧車やビンテージ好きなオーナーを想像しちゃいますが、オーナーは女子です。
先程のバイクとは打って変わって、このバイクは革サドルやバーテープ等先に決まったキーワードがあって、最後にフレームカラーが決まりました。そんでもってこのブルーのチョイスがセンス良し、このバイクの素敵たる由縁だなと思います。(あと縦パイプの胴抜きが白じゃなくてクリーム色なのも!)鉄のフレーム、革サドルで、クラシカルをキーワードに組むとついついバイクが重々しくなりがちです。しかし最後にオーナーが決めたこのカラーがうまくそれを調和して、モダンさを演出しているんですねぇ、と思いました。あと乗る人。クラシカルなバイクにパイプくわえた白髪紳士が乗るのか、女の子が乗るのか。前者はやりすぎ、後者だと素敵、自転車は持ち主が乗って完成、っていうのは本当のようです。
日々の通勤や休日の相棒、というご要望だったので、コンポーネントはリーズナブルに。そのかわりクランクにはバッシュガード、裾の巻き込みやチェーンからの汚れを防ぎます。自転車に乗る時の格好を制限しないように。(またチェーンウォッチャーの役目もアリ)
トラックエンド+ディレイラーダボ=ホイールを後に引ける、のでセンタースタンドもクリアランスOKです。これで停めるところを選びません。あとサイドスタンドより格好いいです。
速く走るには必要の無いパーツ達ですが、休日格好選ばす行く先選ばずなら必要なパーツです。適材適所、適バイク適パーツ(語呂悪い)です。
お次も同じフレームでいきます、あえて並べて組み方の自由度、それぞれの個性をお伝えしよう、という算段です。
*FAIRWEATHER* CX complete bike
COOK PAINT WORKSによるカスタムペイントで人気上位をいつもキープしている金属調塗料”マッハシルバー”。普通のメタリックシルバーとは異なる無機質で独特のガンメタル感に惹かれる人が続出しています。thomsonを中心にブラックのパーツ構成。先程のバイクと対を成しとるんやなぁと思っています。
タイヤはグラベルキング32c、その名の通りグラベル、未舗装路を駆け回る、オーナーがどういうバイクライフを送りたいのかが伝わってきます。ホイール周りがシャープにキマるのはHplusSONのリム”ARCHE TYPE”の仕業、リムサイドブレーキ面までブラックにアルマイトされているから(でももちろんブレーキは効きます)。ルックスが良いのに軽量で精度も良いです。ナウくリム幅も広く作られているのでタイヤのボリュームアップにも貢献してくれます。名作リム。
そしてバイクのフックになっているシフトレバーはGEVENALLE(旧姓retroshift)。家庭の事情かいつの間にか名前が変わっていますがバーコンをブレーキレバーの先端に持ってくる、という奇天烈でありながら合理的なデザインはやはり格好いいです。STI等のシフトレバーと違って一気に何速も(手首の角度が許す限り)変速出来ちゃう荒技も秘めてます。フロントシングルの設定があるのでFAIRWEATHER CXとの相性もチリバツです。
そしてchris kingのヘッドセット、通常のグリーンじゃなくて限定のサワーアップルなのに気付きましたでしょうか。これも何年もしたら「うわああ買っておけば良かった」ってなるカラーなんだろうな、と思います。
お次は皆さんウワサのあのフレーム
*Ocean Air Cycles* Rambler
カリフォルニアから届く、自由で、バランス感覚がよくて、モダンなバイク。(生産はPortland U.S.A)マナーなランドナーをふんだんに吸い込みながらも、スローな空気感、古きに縛られない新しさがふんだんに入った本当に格好いいフレーム。
特設サイトをこしらえたので、是非見てみてくださいね>>> oceanaircycles 日本語サイト
品質はもちろんアメリカ製、でもどうしても値段も量産の物より高価になってしまう。そしてなにより本数も少ない。望みのサイズやカラーがいつでも手に入る訳でもなく、在る意味一期一会なところも有り。入荷して永らく上馬の店頭に吊るしてあったフレームがオーナーと運命の出会いを果たしました。
オーナーは当店にこのフレームがある事を知る前からOcean Air Cyclesがお好きで憧れていたそうです。そんな最中上馬スタッフであるコンノボーイがこのフレームに一目惚れして、ブログやSNSに露出があって、、うーん運命の出会いをお手伝い出来て嬉しい。
ホイールサイズは前後650B。コットンバーテープの忍者巻がアクセント。このフレームはレトロやクラシカルに縛られなくても良いです。クリスキングのヘッドセットを初めカラーアルマイトのパーツや遊び心をもって自由に組んだら自然と格好良くなっちゃう。フロントハブはダイナモでライトに給電。自分の気持のよいペースで乗るバイクなのでコンポはそこそこのもの、そのかわり酷使する箇所は良い物を、といったアッセンブル。WHITE INDUSTRIESのクランクは乗り方に合わせた歯数を仕込めます。
PAULのセンタープルブレーキ”RACER BRAKE”前後はフレームフォークにデフォルトで付属。台座は直付け(マハック規格)で制動力もあります。650Bのリムはなかなかブレーキが利く物が少ない、と思っていた方はご安心を。そして肝心の乗り味はルックスに反してかなり軽やか、走ります。
フロントラック、RIVENDELLがデザインして世界の日東が作ったM−1ラック。撮影には間に合いませんでしたがカスタムオーダーしたSWIFT INDUSTRIESのOZETTE RANDO BAGが搭載予定。
日常も、たまの休みの非日常も一番自分らしく乗れるのは組み方や乗り方に自由があって、乗り手の色が反映されていればいるほど格好良くなるこういうフレームなんじゃないかなあと思います。いつの間にかセオリーに支配されて自転車乗るのに疲れた方、是非乗って欲しいです。ちょこっとフレーム在庫あるのでお気軽にお問い合わせくださいな。
そんでもってオオトリは珠玉のハンドメイドフレーム。自転車好きな人は多分溜め息でちゃいます。
*ICARUS FRAMES* Commuterando
1人のフレームビルダーという人間が、1人のオーナーの為に体格を採寸して、用途や要望を汲み取って、文字通りハンドメイドで作られるまさにドリームバイク。個人の為だけに作られた自転車。
ハンドメイドというネクストレベルなフレームには、「速くて軽い」といった要素を盛り込む方が多いのだけど、このオーナーは速さより軽さより日常でいかに付き合うか、を見越してのオーダー。日曜日だけのスペシャルバイク、月から金までのエブリデーバイク、どちらにウェイトを置くかはオーナー次第。
ハンドメイド、ワンオフのステムと携帯ポンプもマッチペイント、フレームと一緒に日本に入ってきました。オーナーとパーツ構成を話し合う中でフロントラックとフェンダーもペイントする流れに。ここからはもちろんCOOK PAINT WORKSのお仕事。アメリカでカスタムペイントされたフレームに合わせてフェンダーはマッチペイント。
フロントキャリアはこちらもハンドメイドPASS&STOW。このキャリアを付けるの前提でフレームをオーダーしたのだけど、PASS&STOWのデフォルトカラーは無骨なグレーでした。なのでこれもCOOKにてマッハシルバーにてリペイント。ポリッシュ仕上げのパーツ達とマッチングしてあります。
パーツ構成も、単純にいいものを、では無くデイリーに使っていく中でいかに不便が減るか、ということをキーワードに決めていきます。メンテほぼフリーのPHIL、SCHMIDTSのハブや、調整しやすく屈強なPAULのブレーキ等。
ファーストバイクにハンドメイド、というのはあまり無いかもしれませんが、自転車が生活の中に溶け込んでいって、いつの間にか必需品になって。そしていつかは「自分のためだけの」バイクを「どのビルダーが」一番再現してくれるか、そんな事を妄想するのもいいかもしれません。自分もこのハンドメイドバイクという世界観に惹かれて自転車に深くハマるきっかけになったクチなので、頭の片隅に、いつかはきっと、というくらいでもいいのでハンドメイドのバイクの奥深さ、素敵さが伝わってくれたら嬉しいです。
ちなみにこちらのオーナーもSWIFT INDUSTRIESでこのバイクの為にバッグをオーダーしていました。
こちらフルアーマー形態。こういう風に全てのバッグを一度に使う機会は少ないかもしれませんが全部乗せで撮影してみました。こうやってバッグのカラーやヘッドセットのカラーを見てみると、オーダー前、組付け前からオーナーの頭の中には完成イメージがあったんだろうなあと思います。すごい。
・・・今回も皆さん濃いです。
自転車は乗り手の分身です。人が自転車を悩んで組んで、楽しんで乗っているところを見ると、自分も自転車組みたくなってきます。。ずるい。
今回ご紹介した素敵なバイク達でさえ、乗りながらだんだん良くしていくものですし、納車当日いきなり理想のバイクに巡りあうことは少ないのですが、他のバイクを見て、自分の未来のバイクを想像する、というのが理想の愛車に速く出会うコツなだと思います。
過去のナイスバイク達をチェックするにはこちらから
>>COMPLETE BIKE CATALOG
ここに載っているバイク全てが、全てのオーナーの分身、自慢の愛車であるという事実、さらなるバイクチェックしてみてくださーい
そしてこのこのカタログを見て、自分だけの自転車を組みたくなっちゃった方、是非お店でご相談下さいなー。