BLACK MOUNTAIN CYCLES
初めて見たのはいつだったか、
WTBかBRUCE GORDONを調べていた時に一枚の写真をネットの海から釣り上げた。
ウーム、ヤバいですね。スーパー好きです。と、
この写真が収蔵されているサイトを訪問したのが始まりだったかもしれない。
ビールを何本も空け、ホームページを夜通しDIGしていた時にふと目に留まった車体。
「黒山自行車」と書かれたフレームがあった。なんだこのクロスチェックみたいなやつ。超カッコいいじゃん…。
どうやらこのお店さんのオリジナルフレームなのかフムフム、え、FALCONERメイドのアメリカ製フレームも作っているのか!!
なんでこのお店CunninghamとかPHOENIXとかPOTTSとかのフレームがこんなにあるの?
限られた情報を観ながらウホウホ興奮して、
カッコいい自転車とはを再確認したい時、なぜか毎度このサイトに訪れる。
いつも頭の片隅にずっとあった印象深いブランドでした。
それから数年、Bluelugで取り扱いが始まるという一報に心の奥でyes!!とガッツポーズした。
自分がお目当てのフレームの入荷は無かったが、このブランドの得も言われぬ魅力が上陸する事、
写真でしか観たことのなかった様々なフレームは果たしてどんなモノだろうという好奇心で、
結構ソワソワしていたことを思い出します。
谷さんや一周、最近だとサンバのパッションに負けないくらい、実はこのブランドの事を心待ちにしていた。
調べるほどに興味が沸くこのブランドとお店の魅力は、
店主であり、このフレーム達のデザイナーでもあるマイクさんにもあります。
先日の谷さんがシェアしていた記事、「ドロップハンドルMTB」を科学していた人というイメージが強いですが、
自身でお店を立ち上げてオリジナルフレームを作り上げるまでは、ある一つのお店に長年勤務されていた様で、
僕らも知っている、あんなブランドやこんなブランドのバイクデザインをされていた方という側面を以前の出張組から聞かされた時にマジか!と嬉しかった。
15年前から実はMIKEさんのプロダクトに触っていたと思うとこみ上げてくるものがある。
最近組まさせて貰ったLA CABRAとMONSTER CROSSの紹介をしたいと書き始めたこのブログ、前書きが思いのほか長くなってしまった。
本題に入ります。
ドロップバーMTBと紹介することの多いLA CABRA。
ドロップハンドルで組む事を前提に設計された形なので、まさしくの組み方があるフレーム。ではあります。
フラットハンドルで組む事は邪道というわけではない。ですが推奨ならば…と、
正統派で組んで下さる方は多く、発信も自ずとその形が多くなる。
色んなフレームを接客する日々、どのフレームにも、「俺だったらこんな風に組みたいな」という脳内駐輪場があります。
今回はそんな金子脳内La cabraを、ほぼそのままOKしてくれたお客様のバイクを紹介。
ちょっと話変わって、(ちゃんと繋がるので読み飛ばさないで。)
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上馬店谷監督を筆頭に発足されたBL月例MTB。主に僕はMASH HARDTAILと1×1で楽しんでいます。
谷さんは最近紹介していたFALCONER、それ以前はHUNTERのフルリジッドでした。
二人でMTBを楽しみながら感じたこと、「サスペンションじゃなくてもいい山もあるね。」という話題でした。
適度な登りと急過ぎない勾配の下り、息を飲むように降りなきゃいけないドロップオフは無いが、少し根の張った曲がりくねったテクニカルなシングルトラック。
イージーなトレイルライディングであればこのバイクでも充分に楽しめるんじゃないかな…という妄想がこのバイクの基礎となっています。
なぜそこに?と疑問に思う場所に着いたバーエンドバーもといバーセンターバーは、少し飽きちゃった登り坂での休憩ポジションの為。
フラットバーあるあるの「持つとこグリップだけ」問題はツーリストを中心に同じ考えがあって、実は少し古くから密にあるカスタムでもあります。
(VELO ORANGEのCASEY’S CRAZY BARのクレイジーな部分がようやく理解出来た。あったら楽なポジション…。)
MTBのライザーおよびフラットハンドルであれば周りの機材たちに変な干渉もせず、ライトやバッグの増設も出来る助っ人感あるカスタムなのでは。
アクセサリー繋がりで、このバッグの秀逸さを大きな声で伝えたい。
JUGG兄貴の頭の柔らかさが生んだ拡張性は、ドロップハンドルの自転車でないものに付けた時にも効果を十二分に発揮するFW“road bar bag”
上面ジップで荷物の出し入れと、両サイドのロールクロージャー方式故の拡張性で、
補給食や工具、薄手の上着、雨具ぐらいなら余裕でしまえるこのバッグ。
夏場の接客でよくおすすめさせてもらいました。
気の抜けたトレイル遊びを表現したくて取付けしたバッグと諸々は、僕がいつも遊んでいるときの装備と一緒。
ツーリングではなく遊びで自転車を乗る時のバッグってこれぐらいで充分。少し小さめで省スペースで収まるバイクバッグが最近の好みです。
バイクの話へ戻って、スピード感は欲しいかもというオーダーで選んだ29erホイール。
真っ黒ホイールに洒落っ気をとSIMWORKSのブロンズカラースポーク。
内側が波打っている形状のリムはMAVICのもの。優等生で洒落っ気あるホイールが出来上がりました。
RENEHERSEのタイヤは、以前にお客様より逆リコメンドされて一発でお気に入りになったFREECER RIDGE。
一見すると角の取れた四角がただちりばめられているようだけど、走ってみるとなんじゃこれってなるぐらい進む。
派手ではないパーツ構成に彩りをと選んで頂いたKINGのカラーがグッドセンス。程よい主張のMATTE MANGO。
「カジュアルMTB」とでも言いましょうか、昔に自分が組んだ展示車 を思い出しました。
今はこうやって自然とオフロードを楽しんで、
いつかMIKEさんが提案するドロップハンドルMTBの形にもしたくなるはず。
ミドルスクールのトレイルバイクを二度も楽しめるフレームなのかもしれません。
1×1にドロップハンドルをつけて、なんかしっくり来なかったあの日の自分にLa cabraを見せたい。
もう一台、こちらは幡ヶ谷店の展示車で組んだ“monster cross”
これも脳内駐輪場に置いてあったのをそのまま形に。
VELOCITYのグレーのリム、ULTRA DYNAMICOのグレーのタイヤ、SDGのグレーのサドル。すべてのピースが揃った気がした。
フレームカラーと同じカラー、トーンで組み上げた、潔く分かりやすいコンセプトの一台。
オールブラック、オールホワイトのバイクってなんだか憧れた。オールグレーってどんなだろうと好奇心で作ってみたけど大満足です。超COOLだぜ。
このMONSTER CROSSフレームはいわばBLACK MOUNTAIN CYCLESの元祖であり今なお定番の形。
マイクさんが当時必要と感じた、今で言う「グラベルバイク」でした。
約2インチのタイヤを飲み込むカンチブレーキのドロップバーバイクは、その当時は知る人ぞ知るニッチな存在だったかもしれませんが、
時が経ち、自転車の進化と共に感じるカウンターカルチャーのど真ん中にこの現代、ジャストミートしてるんじゃないかと僕は思うわけよ!!(?)
懐古主義でなく、人が乗る自転車、使う道具として、
ちょうど良い形や形式はこれぐらいでもいいのでは?の現存する形の一つと感じています。
バーエンドシフトで9速トリプルギアのバイクを組んでいて懐古主義じゃないですは矛盾してない?と思われそうですが、
これらを選んだ理由は二つ。
一つはマイクさんが通ってきたであろうミドルスクールのMTBとシクロクロス文化を落とし込みたかった。
もしもフレームだけ買って当時の古いパーツをかき集めて組む人がいたとして、
ちゃんとアッセンブル、作動できるかの実験も含めてやってみたかった。
もう一つは超単純。それらのパーツがお手頃な価格で用意できるから。
出来るだけリーズナブルにカッコよく、個性的だけど渋いバイクを乗りたいって人を想像しながら組んだ。
もちろんSURLYのメーカー完成車などに比べたら割高になってしまうが、
MIKEイズムをどうしても感じてみたいんだって人に夢で終わってほしくない。
とにかく色んなバイクに今まで乗ってきた。もうこれぐらいが俺にはちょうど良いかもってバイクも絞れてきた。
それをローテーションで乗り回す日々。こんな日々自転車屋さんでなければ味わう事ができなかった。
逆を言えば、こんなにも色々乗れてきたから感覚がバグってきたとも感じる。
本当にちょうど良いものってどれなんだろう。
そんなフェーズの現在の自分が、最近乗って落ち着いた気持ちになれたフレームです。
近年のサスペンススリラーばりのモヤっと感を感じさせて今日は終わりです。
それでは。