毎度入荷する度に光のごとき速さで売れていき、欲しい人にちゃんと買って貰えてるか不安になる、もはや一種の呪いが掛かってるんじゃないかと思いたくなる魅惑の商品のこちら。
先日オンラインショップにも無事アップ。サーバーダウンしないかドキドキしながら売れ行きを観察しています。
2011年に開発されて以来、不動の人気を誇ったままデザイナーズチェーンリング界に居続けるAARNのチェーンリング。
(これはプロトタイプの写真。まだあの特徴的な肉抜きはありません。)
実際なんでこんなに人気なのかって事を深く考えないまま今日までいましたが、今回の入荷のタイミングで今一度、このパーツについて深く知りたいなと思いこれを書いています。
そもそも「AARN」とは何なのか。それはこちらのブログを読んでもらえたらその人を知れると思います。
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アーロンさんというデザイナーの方が始めたのが「AARN」(←いつもどう読んで良いのか分からず「アア~ン」て読んじゃってましたが、もう「アーロン」で間違いないと思います。)
Goodnip! from Stebs! on Vimeo.
プロダクトデザイナーの側面もあり、サングラスやジャーのフタのアイデア商品、ちょっと悪びれたマタタビなんかも手掛けている方。
自転車も大好きというのもあって、今までもチェーンリングのみならず色んなパーツやフレーム部材を作ってきた人です。
「アメリカンプロダクツの質実剛健さ、それに伴ったデザイン力、丁寧で裏付けのある作りの良さ。」みたいなのをこの人の手掛けるものに感じます。
実際チェーンリングが初上陸し、購入し装着した時、なんとも言えないチェーン送りのスムーズさにびっくりしたのを覚えています。
それは初めて手にして興奮し、より良く感じたというのもあったと思いますが、
今回久しぶりに本国サイトの商品紹介をしっかり読んで解釈したら、相当な作り込みによって生み出されている恩恵だったのだと理解しました。
さて皆さん、実際にこのチェーンリングをまじまじと見たことがありますか?
さっきまで偉そうな事書いていた自分ですが、俺はつい先日まで無かったです。だって初めてこれを手にした時はカッコよさに悩殺されて即装着して有頂天だったから。
使って感じたフィーリングとカッコいいですよねっていうパッションで接客していたなと、今思えばプロダクトに対するリスペクトが薄い接客だったかもと猛省しています。お恥ずかしい。
ご購入された方は、袋から開けてまず、目を凝らしてじっくりと細部を見てほしいです。
今からご説明する箇所を実際に見てみると、このチェーンリングの価値を十二分に理解できるはず。
以前よりも値上がりしてしまいましたが、その値段を出す価値のある作り込みにクラっとします。
調べるうちに、金属加工や表面処理に大きく関わりがあるものだというのがだんだん分かってきました。
自転車パーツの大半は金属でできていますが、そこも掘り進めて行くと奥が深い。
僕も勉強しながらこのパーツの事を書いていますが、その勉強しているテクノロジーがこれにこもっていると思うと使うのにホントワクワクしてきます。
拙い部分もあるかと思いますがご容赦下さい。
まず素材は7075-T6アルミニウムを使用しているそうです。日本だと「超々ジュラルミン」と呼ばれる、一瞬ふざけてるのかという正式名称のアルミ合金です。
他のアルミ合金の中だと強度はずば抜けていて、引っ張り、耐圧力に特に強いそう。航空機材や意外なとこでは金属バットなどにも使用されているとか。
チェーンを力いっぱい引っ張る役割のパーツとしては申し分の無い強度の素材で作られています。
アルミニウムの弱点でもある耐腐食性には、いわゆるアナダイズド加工という表面処理でカバーしています。この処理によって腐食に強くなるのは勿論、耐擦過性(削れに対する強さ)も得れるそう。
シルバー、ブラック、カモのカラーにはこのアナダイズド処理が施されています。
そしてプロダクトが生まれて12周年記念の、「PRO TRACK」はそのアナダイズ加工をよりスペシャルに。
「AARN PRO Teflon® Infused Titanium Color Type III Hardcoat Anodize」
直訳すると「チタンカラータイプIIIハードコート陽極酸化仕上げにテフロン®粒子を注入した特別に開発されたコーティング」だそう。
ちんぷんかんぷんですが、調べてみるとハードアルマイトという硬質化に特化したアルマイト処理が施されていて、
通常モデルよりも金属同士の摩擦の軽減、撥水性などの恩恵もあって強度と腐食により強く、そしてチェーンをスムーズに送ってくれる魔法がかけられているようです。
トラックバイクで速く、力強く、過酷な状況下でもバッチリ使ってくれ!!というAARNからの新提案を早く使ってみたい。
書きたいことはまだあるんですがちょっと長くなりそうなので今日はここで。
AARNのチェーンリング、切削にもかなりこだわりがあるようだからそれをガッツリ伝えたい。
それではまた!!