今晩はサプライです。
最近よく思うのは「残りの人生であと何台自転車を組むんだろう、組めるんだろう」ってことと「これで最後。これ以上絶対に組まない」。こんな事考えるのは恐らく自転車屋だけだと思うのですが、店に新しいフレームが入荷する度に心を乱され、時に深く悩まされます。果たして自分はこのフレームを組むべきか否か。自分の求めているものが本当にそこにあるのか、理想を形に出来るのか等々。上手に絵が描ける訳ではないし、人を感動させるほどの物語を書く才能もない自分は、いつしか自転車を組むことを、ささやかな表現方法だー。なんて思うようになりました。結構大げさです。までも何にせよ、自分の中に在るものを外に出すからには、出来るだけかっこ良くしたいし、納得したい。誰かを刺激したいし、出来るなら同じ趣味を持つ友人や同僚を唸らせたい。そう思います。だからこそ自転車を組むってのは(精神的に)疲れるし、とにかく頭を使うんですね。バカなので。自分の中にいる悪魔(理想)と天使(予算)両方を同時に黙らせる事が出来る最良の選択とは何か。。

そんな時、天国に最も近い場所カルフォルニアから、神の啓示のごとく舞い降りた理想的カンバスAPPALOOSA。
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*RIVENDELL* joe appaloosa complete bike
リヴェンデルにはこれまで二つのコンプリートバイクがありました。一つはSam Hillborne。細いタイヤとスリムなフレーム、美しく飾られたラグとペイントはどこか気品漂うバイク。もう一つはClem Smith Jr。対照的に太いタイヤと太いフレーム、無骨さを漂わせるちょっぴりムスッとした風貌。どちらも個性的で、それぞれに良いところがあり、RBWが自転車に求める快適性、安全性、耐久性。そして自転車に走ること以上の役割を持たせる為の拡張性、あるいは柔軟性を兼ね備えたバイクです。2台ともコンセプトがしっかりとしていて、役割を分担するかのように用途が分かれていただけに「痒いところに手が届かない」様な状況がしばしありました。そこでRBWは二台の良いところをちょっとづつ貰って、中くらいのバイクを作った訳です。それがこのJOE APPALOOSA。

じゃここからはRBWの新しい完成車JA(JOE APPALOOSA)について具体的な説明をしましょう。神は細部に宿る。
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自転車の顔とも言うべきハンドル。NITTO B357″CHOCO BAR/チョコバー”。RBWが日東に別注をかけたオリジナル品番。RBWのスタッフが好んで使う352に形が良く似ていますが、突き出しが少なく戻ってくる量がその分多め。ライズは少なめ。JAはCLEMほどでは無いもののトップの長いバイクなのでこのくらい楽なハンドルの方が良い位置にグリップが来ます。
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クランクにはRBWのオリジナルコンポーネントライン”S!LVER”が使われます。フロント三枚、リア8枚。ギア比はツーリングバイクとマウンテンバイクの間くらい。少し太めのタイヤを履くJAにはちょうど良い塩梅です。実に使いやすいギア比。そして初めからペダルが付いてくるのは嬉しい誤算。シールドベアリングが打ち込まれたなかなかに上等なペダル。特に気にしないなら無理に買い足さなくても良いと思います。
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ブレーキには制動力の高いVタイプのものが装備。広くて丈夫なリムをしっかりと捉え、天候に関わらず確実に止まってくれる心強いもの。フォーククラウンには新作の美しいラグが使われちょっぴりリッチな気分です。セグメンタルチックな怒り肩が力強い。余談ですがフォークブレードには分厚く強度のあるパイプが選ばれているようです。この辺はCLEMの遺伝子。
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そしてJA最大のキャラクター。すとーんと伸びた長いチェンステー。見慣れない長さだけに、少し戸惑うと想いますがこれには良いことがいくつもあります。まずはクリアランスの確保。太いタイヤ、フェンダー、キックスタンドを余裕を持って取り付け出来る。そして安定した走行。ホイールベースの長さは安全なコーナーリングと快適な乗り心地を約束してくれます。これだけ長いリアバックがあれば、リアキャリアにパニアやバスケットを乗せてもかかとやサドルに干渉することなく、理想的な取り付け方が出来るんですね。
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リヴェンデルに目が止まる方は一人残らず皆そうだと思いますが、オリジナルラグの造形と墨入れの美しさに心奪われます。どの時代の、どの国のバイクとも異なるRBWだけの表現。JAにはSAMより一回り細いチューブが使われいることも見逃せない。ヘッドラグ周りに漂う、幻想的な空気は間違いなくRBWのもの。
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名前はアメリカ原産の乗用馬”アパルーサ種”から取られています。ダウンチューブを上から覗き込むと馬の足跡、馬蹄型の絵柄がパッカパッカと散らばっていて、ちょっぴり楽しい気分。RBWのバイクにはどれも個性的な名前が付けられていますが、その一つ一つに由来とストーリが存在し、そこからバイクのコンセプトが生まれているそうです。一体JAはどんな物語を紡いでいるのでしょうか。。

リヴェンデルの独特な世界観と、僕らが勝手に特別視してるせいで変に誤解されては困るので言っておきますが、RBWのバイクは普通よりちょっとばかし丈夫で重たいだけの、普通のクロモリバイクです。普通なのでラックとかフェンダーも付きます。細いタイヤも太いタイヤも付きますし、スタンドも付きます。何かの時用にいっぱいダボ穴も空いてます。特定の競技や用途の為だけに作られた専用のバイクではありません。なので安心して乗ってください、使いやすくカスタムして下さい。

ただリヴェンデルのバイクは組み方が少し変わっていて、世の中のスポーツバイクとは大きく異なる価値観が潜んでいます。スポーツバイクに馴染みのある方にとっては「ギョ」っとするような事態の連続でしょう。しかしそこにこそRBWの思想と本質と、自転車を楽しむ為のヒントが隠されています。RBWの世界に触れ、共感を覚えたなら、まずは真似をしてみましょう。
>>>RBW Staff Bikes

ちなみに先日組み上げた僕のバイクはこんな具合〜
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ラックは後ろにつけました^^/ テールの長いJAはこちらの方がバランス取れる気がしたし、余白が僕を呼んでいたので。
あとマックス君が前にラックをつけていたので!かぶっちゃやだし↓↓
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マックス君のJAはマウンテンバイクみたいな元気な雰囲気です。でこぼこでこんなに太いタイヤも入ります!

JOE APPALOOSAは本当に面白いフレームなのでじっくり考えて、納得して、あなただけのかっこいいバイクを表現して下さい。迷ったらリヴェンデルのスタッフバイクを見ましょう。もしくはブルーラグに相談して下さい。何にも分かんないけど、RBWが好きになっちゃったんならコンプリートバイクを検討しましょう。そしたらリヴェンデルの真似をしましょう♪
結構楽しいよー

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RIVENDELL BICYCLE WORKS “JOE APPALOOSA”