僕はバイクパッキングが好きです。
昔どこかで見た[Don’t be a tourist, be a travler]って言葉をいつも何処かで心掛けていて、基本海外に行く時は自転車を持っていきたい。そうすると旅行が急に旅に変わるから。

なぜ急にこんなこと言い出すかっていうと、僕バイクパッキングによく行くんですけど、これを急に始めるのってかなりハードル高いよな。といつも思うのです。
特にテント泊ですかね、誰しもが通る難関がテント泊だと思います。
なので、今日はテントで寝なくても良くね?っていうお話。

*SURLY* karate monkey (S) Wentz's
実際よく写真のような自転車にテントを乗っけてバイクパッキングをよくします。
これは僕がそれを「できる」からです。
つまりできる人と、できない(やりたくない)人がそこにはいます。

自転車を持っていてもキャンプ道具一式すぐに揃えたり、逆にキャンプ道具持っていても自転車をすぐに用意するのは難しい。ましてやすぐに始められる人ってごくごく僅かだと思うのです。

実際に衣食住全てを自己完結させる自由さや楽しさはありますし、ギアを集めていくワクワクもあります。でも本当の意味でハードルを下げていろんな人に挑戦してもらうためには、もう少し熟考の余地があるなとずっと思っていました。

そんな時に思い出したのです。

出ました、僕の必殺技アルゼンチンです。

僕は過去8ヶ月間アルゼンチンに住んでました。(1年間行く予定でしたが辛すぎて短縮させました)
この時キャンプ道具一式持って行ったのですが、テントは一度も使いませんでした。
とゆうか使いたくなかった。
灼熱の中何時間も自転車を漕いで小さな街に着いた時には外でテントで寝る気力はなく、ガソリンスタンドの店員さんと一緒にその日の宿を毎日探していました。
それがすっごく楽しかったんですね。自然と街の人との会話が生まれるし、快適に眠れるし携帯も充電できる。


(シンクがあれば洗濯もできます)

旅の道中では、ローカルのテレビ局が取材に来たり家のオーナーからマテ茶キットをプレゼントしてもらったことをきっかけにマテ茶にハマったり、知らないやつの誕生日会で一緒に踊ったこともありました。

これって町の人と関わったからこそできた経験だと思うんですね。(多分)
テント泊にもたくさんの魅力があることは事実です。それを否定する気は全くありませんが、僕はあえてそれをしないでホテルや誰かの家に泊まったことで得られた経験がたくさんありました。

カッコつけすぎなので、本当のこと言うと、
自転車ですれちがった手のひらサイズの蜘蛛を見て、俺は絶対にこの国で野宿しないって決めました。(外国虫こわい)

 

いる場所が過酷になればなるほど何処かで安心を求めるものです。(少なくとも僕は)
アルゼンチンはちょっと特殊な話ですが、これはどこでも一緒だと思うのです。
多くの人が自転車に乗って旅に出ることに慣れていない状態で、テントで寝るというのは不安要素が多いのではないでしょうか。

そんな時は、宿とりましょう。雨が降っても快適です。
日本にはどの街にも大体泊まれる場所があって、暖かいご飯もコンビニですぐ買える、旅には最高の国です。
自転車に乗ってちょっと遠くの街で泊まって帰ってくるだけで超アドベンチャーです。
過酷なライドをしてテントで寝ることだけがバイクパッキングの正解じゃない。
そう思うのです。

どうしても入ってくる情報はとてつもない冒険談ばかりになりがちです。
それはすごい写真も撮れるし、日常を逸脱した経験を得ることができますが、実際経験することのできる人は少ない。
だからもう少し寄り添った旅があってもいいじゃん。
そう思うのです。

宿を取るの最大のメリットは安心感と、荷物の少なさです。
もしかしたら想像よりも一回り小さいバッグに変更できるかもしれないし、逆にバッグにゆとりがあれば余計なものをより多く持っていけます。マテ茶キットとかね。
自転車で見知らぬ場所に行くだけで、十分Travelerになれると思うのです。

テントを持っていかなくてもバイクバッグは必要だし、旅に向いた自転車であれば快適です。
逆にいえばバッグを買ったから、テントで寝ないといけないわけじゃない。

つまり無理する必要なんてない、ウエンツ的旅のすゝめでした。