上馬店からタニです。
先日Rivendellから届いたフレーム”LEO ROADINI”、本日はお客様のROADINIを紹介しつつ、そのフレームに触れていく感じです。
本国RIVENDELLではバイクカテゴリーの呼び方、役割を知るための”しおり”として「Roadish=ロードっぽい」なんて言葉が使われています。
こちらは本国のサンプルバイク。このようにドロップハンドルで組むことだったり、Rivendellのラインナップ中では”Roadish”を許容してくれるフレームです。
とはいえ、世のロードバイクと違って、ドロップハンドルは460mm〜480mmくらいの広めの幅をグラントさんは推奨しているし、上記写真の通りサドル座面とハンドルは同じくらいの高さ=無理に前傾姿勢をとって競い合うようなスピードを出すバイクではないです。そこはちゃんとRivendell。
そして今回からタイヤクリアランスが変わって、少し大きなタイヤが履けるようになりました。前回までは、フェンダーなしで700x38cでパチパチ、そこは近年のRivendellの中では少し異端児だな〜なんて印象もあったのですが(それが魅力だったりもする)今回のロットから42cまで入っちゃう、フェンダーつけても38mmのタイヤも入っちゃうらしい。太いタイヤが正義な自分にとっては、最強じゃん、という感想です。短いチェーンステーは旧HOMERやロデオの面影もあり。
上記の本国サンプルのバイクがとびっきりだし、ああいうロードバイクな組み方をイメージさせちゃうかもですが、今回は僕からのご提案。このROADINIをベースに、アルバトロスバー等のいわゆるマッタリなスイープバックハンドルで、いわゆる”Rivendell”なカントリーバイクでROADINIを組むスタイルがひょっとして都内、市街地を流す相棒マシンとして最強なんでは、と思っちゃうわけです。
はい、そんな2台のご紹介をします。通称「街でアスファルトの上で一番快適なRivendell」。
フレームサイズは47、ホイールは650B。(50サイズからは700c)このサイズのROADINIはこのMAXY FASTY650x33.33333Bという可愛いすぎるタイヤが使えるのも特権です。
ROADINIにしっくりのドロップハンドルやマスターシュバーではなく、オーナーが選んだのは大きく手前にベンドする、LOSCO BAR。
他Rivendellに比べ、トップチューブが短めなのと、この手のアルバトロスよりスイープバックの大きいLOSCO,BOSCOハンドルを使う時はステムは110-130mm、長めを合わせると自然なポジションが作れます。ステムをビョンと長くしたくない方はやはりアルバトロスがちょうど良いと思います。
あまり使わないフロント変速レバーはステムの首に、よく使うリアの変速レバーは手元に仕込みました。
このロスコバーには、ブレーキレバーより奥を握った時に触れる位置にシフトレバーをつけるのが好きです。わざわざ手を離さないと変速できないのがミソ。
グリップ部を握っている時はブレーキにしか触れない感覚、頭がスッキリします。すぐ指が届かないとこに変速の機能を追いやる、それはシングルスピードに似てる。グラントさんが言ってた、「坂でギアが重く感じても無闇に変速しないでまずは”立ち漕ぎ”しよう」
そしてここはテストに出ます。リアエンド幅は130mm、ロードバイクと同じです。昨今のRivendellといえば往年のV-Brake MTBやSURLY LONG HAUL TRACKER同様に135mm QRですが。なのでWHITE INDのハブを使う場合はMI5ではなくT11 HUBを。
このバイクのハイライト、サドルの下にキャラダイスの大きめバッグを、R14バッグサポーターにドサッと。その日の荷物はこの中にポイポイ放り込んで手ぶらで跨がる。このワクスドコットンのバッグは日焼けして朽ちていったらきっと愛着は増すばかりだろう。
TOKYO、街、日常に寄せたカントリーバイク、という解釈なこのオーナーのROADINIは僕のお気に入りバイクです。
さてもう1台別のオーナー様のROADINI。こちらもXO-1オレンジ。もう一色のマーメイドは昨今のベストカラーだと思うんですがオレンジ優勢なのなんでだろ?
フレームサイズは50、ホイールサイズは700cになります。
街乗り、通勤という用途に濃く濃くフォーカスしてご依頼いただいたビルドです。
ハンドルは王者アルバトロス、この世で一番美しいスイープバーだと思います。
Rivendellだからアリになるのか、グラントさんのHOMERよろしくなバックミラー、左右非対称カラーなバーテープも退色してニスが抜けて、どんどん風合いが増して行ったらお気に入りポインツになっちゃうと思います。
通勤で服を選ばないようにバッシュガード、用途で名付けるならズボンガードと最近呼ぶことが多いです。
そしてこのバイクのハイライト、SKSのプラフェンダー。僕は美しいアルミのHONJOフェンダーの大ファンですが、Rivendellに関してはチープなプラフェンダーをつけるのが好きです。
この個体は前ロット、現在ある新型よりタイヤクリアランスは少し細めでフェンダー+32cタイヤでしっくりくるクリアランス。
フルフェンダーって、雨でも乗ってしまう人にとっては、皆が想像されてるよりも快適で効果抜群です。雨の日絶対乗らない人はファッションで付ける必要はありませんが、雨の日、もしくは雨上がりに水溜りをスイスイ躱しながら乗る人はぜひフルフェンダー装着を頭の片隅に入れてみてくださいね。
”ドロヨケ”なんてママチャリで育った我々日本民族は見慣れてしまっているかもですが、実は価値観ひっくり返るくらいの発明品です。
・・・ってここまで書いていると、いわゆる世に言う一般的なロードバイクではできないことが沢山詰まっています。さも当然にここまでで出てきた各要素、普通のロードバイクでやろうとしてもできないことばかり。それはRivendellはこう世に問いかけで「あなたがムッキムキの競技者やレーサーじゃ無いんだったら、ロードバイクは本当はこんな姿が快適なんだよ」。
最後に、ROADINI乗りの皆さんがきっと気に入っているディテール、
通称「肉球の記憶」に萌え死んでください。このジョーク感よ、好きだ。
ROADINI、色サイズによっては売り切れも出ていますがまだ数本あります。しばらくは店頭対面販売のみです。僕は組みたくてしょうがないのでぜひ組ませてください。まずはフレーム実物を手に取ると恋に落ちちゃうと思います。
ドロップハンドルで組んだRoadishで格好良いROADINIの写真もあるので、それはまた次回ご紹介します。
長々と読んでくれてありがとうございます、以上タニでした。