こんにちは
上馬店より一周です。
最近通勤路が以前から大きく変わりまして多くの自転車通勤者と遭遇するようになりました。自分の組んだバイクのお客様と遭遇することもしばしば。
店外でお会いしていざ自分の組んだ自転車が街に溶け込んでいるのを見ると嬉しいものです。
ただ通勤時はガン漕ぎで時間との戦いなことが多いのでサラッとご挨拶しか出来ないことが多く、もう少し余裕を持って通勤しようか。と思う日々です。。。
最近通勤の際ハマっている、今野さんの後ろにくっついてバレないように追跡している時の写真をアップしておきます。
これがお仕事を頑張るパパの背中です。
調子いいと千歳船橋〜桜並木〜駒留通りまでバレずに付いていけます。
今野さんは一生ゴルゴ13になれなさそう。自分がヒットマンならもうこの世にいないはずです。
バイクチェックをします。
monstercross (53)
BlackMountainCyclesのフラッグシップ(といっても良いでしょう)、モンスタークロス。
新ロットがお客様の手に徐々に渡って行っています。
自分の乗っているクランベリーとこのフェンスポストグレー、2色展開の今ロットはいまのとこややグレー優勢でしょうか。
これは自分の中でmonstercrossを組ませて頂く上でマナー的に気にしていることですが、
他の箇所のコストを抑えてでもブレーキはやはりPaul componentのカンチブレーキを使って頂きたいなと思っています。
同社の特製チドリであるmoon unitも使えたらもち最高ですが、Paulのカンチはシンプルなチドリが付属してくるのでそちらでもいいかなと。
昨今の効きが良いブレーキ系統と比較してストッピングパワーでは劣るカンチブレーキですが、過酷なコンディションでシリアスに攻めて乗るわけでなければカンチブレーキでも十分ですし、やはりこのフレームの大きな特徴ともいえる50Cのタイヤを盛り込む上で必要な要素です。
制動力を求めるオーナーさまは45C前後であればPaulのmini motoを使えるので是非そちらをお使い頂けたらと。
このオーナーさまは遠出する際の舗装路での道のりの長さも考慮して43Cビルドにしています。
BMCオーナーMikeさんとも関わりのあったR.I.PレジェンドBruce Gordonの名作タイヤRock N Roadをば。
正直舗装路での転がりは激し目のブロックパターン通りですが土の上で遺憾無く力を発揮します。
そしてもう1つ、これはブレーキほどでないですがフロントダブルがサマになるフレームというところ。
50Cのタイヤに次いで特徴的ともいえるトップチューブ上の3連アウター受けがすべて埋まっている状態にコレだーッ!な良さを感じずにはいられません。
が、やはりフロントシングルにおけるシンプルでトラブルへの強さという選択肢もまた1つかなとも思います。ただあくまで個人的にはフロントダブルで組みたい。
クランクはwhite indのVBCシリーズあたりを盛り込めたらば最の高ですがやはりコストが嵩む部位でもあるので、今バイクはSHIMANO GRXでリーズナブルに必要十分な機能を手にして頂きました。
よくフロントダブルとシングルで何が変わるの?なんて聞かれますが、脚の管理がし易く重いギアの帯域が広がるフロントダブルとトラブルレスでカジュアルに使い易いフロントシングルと思って頂けたらと。もう少し突っ込んだお話は店頭にて。
今ロットからエンド幅が132.5mmへと変更になり選択肢の増えたハブ、white indのマウンテンバイクハブのMi5を選んでいます。
ロードモデルT11の非対称フランジでシャープなルックスも好みですが、土臭いmonstercrossはぽってり樽形のMi5がよりハマると個人的には感じます。
リムはトラックバイクのイメージも強いH PLUS SONのARCHETYPEを。
トラックバイクで愛される=強い、ちょうど良い軽量さに価格とバランスの良いリムでmonstercrossにも調子良しです。
ゆくゆくはブレーキシューのあたり面の塗装は削れ、シルバーへと変わっていきますがそれもまた一興。
モダンリムが席巻するひと昔前のリムブレーキバイク感があって個人的にはグッとくる組み合わせです。
またグレーの選択肢があるというのもOpen pro CD無き今オンリーワン、他モダンなリムと比較してスペック似寄りですがチューブレスタイヤが使えないというのが弁慶の泣き所でしょうか。
とかなんとかウンチク屁理屈コネコネしても、結局佇まいが最高に格好良いのが全てを吹き飛ばしちまう、、、
長年シングルスピードに乗られてからのステップアップがこのバイクというチョイス、最高過ぎます。
街に山にと遊び倒してボロボロにしてくださいね。
素敵な1台担当させて頂きありがとうございました。
Krampus (L)
Bluelugで働き始めてはじめて完成車の組み立て担当させて頂いた方が今オーナー。
当時10代だった彼との付き合いも長くなってきました。どんどんバイク偏差値上がっていくのを感じますね。
店内に長く佇んでいた旧ロットkrampusを29er 3.0のビッグでワイドなタイヤでシングルスピード組なんて粋な1台を組んでくれました。
これを組む上でのきっかけになったのは旧SLX、マウンテンバイク系のパーツ達を余らせていたことでした。
昔のパーツが絡んできてジャンクな雰囲気なんだけれどstridslandのパーツを盛り込んでジャンクジャンクしない、ネオな感じに昇華されているというのが個人的に非常にいいなと思ったところで。
タッパもあるオーナーなので、stridslandのANCHOR BARが似合いますね。
モダン、ジャンク、クラシックにガン振りするのはある程度雛形、正解が決まっているなんて個人的に思いますがそれらとは別の世界線である「今」のバイブスで1台を形作るにあたってSURLYのフレームは試されるというか、お題になりますね。
持っていないパーツでバイクとして機能する上で重要なところは現行のアメリカのパーツ達でしっかりと組んでいるのがまた良いわけで。
地味にステムのBOXCARは22.2クランプのちょっち特別なものを。
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22.2(7/8)サイズは最近6ボルトクランプのタイプへと仕様が変わりましたが、今だから4ボルトタイプを選べる!ってことで選んでもらいました。
旧Krampus特有の形状として、トップチューブ〜シートチューブのこの斜めの補強パイプ。
ここが良いんですよね!なんて彼は言っていましたがうん、変態だな。と思いました。
アップデートされていくSURLYの現行フレームの調子の良さや、時代に即した規格からなるパーツの補修し易さの良さもわかりますが、こういういちディティールで喰らうのも分かり過ぎるほど分かります。
29×3.0でシングルスピードビルドなんて尖ったこと、自分ではやれないな、、、若さですね。
若返ってこのバイクに乗れたらな、なんて思いましたが老いを実感すると老いが加速するなんて言いますし、
次組むバイクはこんなバイク!と第二人格でイメージして老いを鈍化させ、ことなきを得ました。
EmmeAkka Disc Road
こちらはお持ち込みのフレームにて、日本は三陸沖のフレームビルダーであるエンメアッカさんのディスクロード。
これまでCherubim、Cielo、三連勝のバイクを触らせて頂いたご縁きっかけでのご依頼(うれしい)でした。
一番はじめはCherubimのブレーキPaul化だったでしょうか?3年前くらいだったかしら。
何でエンメアッカさんの名前を知ったのかは覚えていませんが、ネットの海で見たリア三角の小さいクロモリのキャリパーロードが印象的だった記憶です。
しかし、今回のフレームのようにチタンでフレーム作りをされているのは知らずで、フレーム持ってきて頂いた時にはびっくりでした。
チタンといえばブラストされた表面を思い浮かべることが多いですが、こちらはロゴがブラスト、他が磨きというのがユニーク。
またリアバックの上下ブリッジレスというのも印象的なところで。
コンポーネント類は前キャリパーロードからの載せ替えでGRXリミテッドを盛り込んでいます。
ピュアロードであれば少し違和感を覚えるGRXのチョイスですが、32Cと少し太めのcontinental 4season、またリアラックを取り付けてのツーリングも考慮しての軽めのギアレシオというわけです。
ハンドルもこちらツーリングを意識してグラベルカテゴリーのNITTOドロップハンドルのM137を。
ブレーキ系統は機械式キャリパーのEqualにして出先のトラブルにも強い選択をとっています。
ホイール周りはAstral wanderlust x Chris KingR45 discの28Hのピンピンの組み合わせにて。
前バイクでもターコイズカラーのキングを使われていましたが、今回入手出来る組み合わせを探っていった結果またもターコイズに行き着くことに。
やはりこの手のものパーツはご縁もの、自転車パーツにおける因果律は侮れません。
僕らは基本アメリカのフレームビルダーのバイクに触れる機会が多いですが、競輪文化の背景もあってフレームビルダー大国でもある日本。
アメリカ同様にその国々独特のノリ、カルチャーがありますし、日本でいうなればやはりロード、アスファルトの上を走るバイクにおける様々なアプローチ、ライダーその人にあわせたバイクがあってやはり自転車は面白いなと再実感した次第で。
大切なバイクの組み立てご依頼ありがとうございました。
本日は以上濃いめの3台。
あなたの琴線に少しでも触れたら幸いです。
いっしゅう