上馬店のタニです。
今日はNITTOさんに作ってもらった新製品のご紹介。
前回のバーエンドに続き、日東さんに叶えてもらった僕のちょっとした「シリーズ夢」。
今回作っていただいたのは「ステム」です。

永く自転車に乗ってる人は「うわー懐かしい!」と思ってもらえてると思います。

そして最近自転車にハマってしまった方も「なにこのフォルム!」と新鮮に思ってもらえてえたら嬉しい、15年前の僕のように。

そう、金型が古くなり、いつしかディスコンになってしまった過去の名作ステムをリファインして、現代に復活させてもらったんです。

以下NITTO吉川社長のお言葉。
-「あのステムは1995年~2000年まで販売した遊び用のATBのハンドルステムです。原型は、1971年に作った”MX-2”のATB用です。
-どちらもヒットした商品でしたが、MTBステムの主流は CrMoのTIG溶接で作るクロモリステムに移り変わり、
このアルミのステムは、2001年にカタログより外され新しい企画に取って代わりました。ジュラルミンの持つ強度とアルマイトの美しさをお楽しみください。」
-NITTO 吉川
・・・70年代のBMXステムをルーツに、90年代にATB用にアレンジされて生まれて、時代の中で消えていった名作。。グッとくる。

四角くて、短めの突き出し、
上下からガブっとハンドルに噛み付く愛くるしいフォルム。

名前は *NITTO* FW-36 Van Stem という名前で生まれ変わりました。
PAULの名作ステムが”ボックスカー”だから対してこれは、トヨタProboxとか日本の商用車みたいなこの可愛いフェイス、「Van Stem」と呼ぶことにしました。

突き出しはオリジナルから変更して60mm。(PAULには無い偶数ってのがミソ)当時のオリジナルは45mmと70mmがあったようです。
クランプ径はこの手のショートステムには貴重な「25.4mm」(ここもミソ)

カネヤンのHiHi-BarやJAM-Bar、

セント君のSync Barなど、Blue LugのオリジナルハンドルたちやSIM-WORKSのクロモリハンドル達とも親和性高し。
現代に輪廻転生したこのステムを、皆さんががどんなバイクにどんなハンドルと合わせてくれるか楽しみです。

そして、サンタのBEACH COMBERのSTRIDSLANDのハンドルのように、旬の22.2mmクランプハンドルLOVERの皆さんへ。

アメリカの老舗高品質パーツサプライヤーPARAGON MACHINE WORKSに、別注でシムを作ってもらいました。

*PARAGON MACHINE WORKS* 25.4→22.2 handle shim Blue Lug Special
「25.4mm → 22.2mm」このサイズ、今までチープな低精度のものはあったんですが、格好良くて精度の良いものはStridslandしかなかったので、それを大好きなパラゴンに作ってもらいました。

この端っこ淵の部分、Rの処理見えますかね?
何よりアメリカ製のアルミ塊から削り出された感がたまらないですね。
早速自分のバイクに組み込み。ハンドルと同じくらい楽しみしていたパラゴンのこのシム。パラゴンだったらステムからはみ出ても許せる、むしろはみ出たせたいのでワイド目にしてもらいました。

僕はSURLY Lowsideにて、BTCHNのクランカーバーをこのステムとシムで合わせました。
その他WILDEのCardinal Bar、SURLYのSUNRISE BARなど今イケてるハンドルはほとんど22.2、このステムと合わせてぜひ使って欲しいです。

・・・・・・
そして最後に、制作の発端というか、このVAN STEMへの思い入れの話を聞いてください。
オリジナルは15年ほど前まではちょくちょく見かけるステムでした。今思えばそれもデッドストックだったんだな。
iCloudの写真フォルダの奥底にダイブしたら、当時の僕のバイクに付いていました。なつかしい、当時の愛車STEAMROLLER、撮影日は2009年8月。

Blue Lugにてお客さんとして買ったものです。まさかそれを時を超えて自分で復刻することになるとは思わなかった。ハンドルはSOMAのスパローバーじゃなかろうか。
買って自分で取り付けてバーテープを巻いて・・嬉しくて写真を撮ったんじゃなかろうか。画質悪いなー当時の携帯。

当時は僕も周りの友人も、それまでメインだった中古の競輪フレームに飽きてきてて、SURLY Steamroller や SOMAのRUSHなどアメリカブランドのAヘッドコラムのトラックバイクに夢中だったんだと思います。
スレッドからAヘッドになったらブワッと広がるステムの選択肢にパーツをDIGするのが楽しかったな(それは今も継続中ですが)
あれから時が経って一周回って「今ならあの四角くて短いステムが似合うバイクもっとたくさんあるのに!」とNITTOさんに想いをぶつけたのが去年の7月。

いつも僕らのわがままを実現してくださるNITTOさんには本当に感謝しきれません。
古きのデザインが新しくて、とてつもなく気に入っています。
合わせるバイクは当時とはガラッと変わってしまったけど、自転車イジって乗って、楽しむ気持ちはほとんど変わっていないな。そんなエモい想いを引き起こしてくれた思い入れのあるステムです。
ルールは無用、発想は自由、規格・寸法だけ気をつけて、ぜひ愛車に「VAN STEM」を組み込んでくださいませ。ブルホーン?ドロップ?CAP部だけラッカーで塗っちゃう??上等!僕の想像を超えた自由なビルドでびっくりさせて欲しいです。
最後まで読んでくれてありがとうございます。タニでした。