”DISC TRUCKER”。
上馬店では昔から変わらずご指名率レギュラー格のSURLYの名フレーム。
特に、あだ名の通り昔このフレームで日本一周をした”一周”が仲間入りしてから、組ませていただくことがさらに増えたな、と思います。
(当時の一周黒いなぁ)
余談、先日幡ヶ谷メカニックのカネヤンが、
「新しい規格のフレームもどんどん出るけど、喰わず嫌いせずにどんどん興味持って扱っていくのがいいよね、楽しいよね」
なんて、良いこと言っていて、代々木公園店のメカニックトミーが、
「そうですし、でもだからこそその先、揺り返してリムブレーキや伝統的なディテールのバイク、不変性もまた輝くっすよね」
なんて良いことを返していて。それを聞いて僕は心の中で「みんな立派だなぁ」と赤面したと同時に、その規格の余談からSURLYを思い出しました。
例えばSURLYは、昔から根幹として伝統的な規格=「手に入りやすい・余ったパーツで組みやすい・元のバイクから載せ替えやすい」規格満載のフレームをデザインしてきました。(SURLYはこうである!なんて言うのはナンセンスなのですが)
とはいえ、世の中の「手に入りやすい・余ったパーツで組みやすい・元のバイクから載せ替えやすい」も時代に合わせて移ろいでいくのだから、最初SURLYからスルーアクスルのフレームが出ると聞いた時、「SURLYらしくないな!」なんて思ってしまった僕は頭カチカチだったと今は反省しています。
そんな前置きでDISC TRUCKER、1台目紹介いきます。
*SURLY* disc trucker (54)
これは僕個人の好きな要素を見て欲しくて、フレームの色から考えて組んだ上馬店の店頭展示車のご提案バイク。
サイズは54で、身長175〜183くらいの方に向けて、通勤にもツーリングにも乗って欲しくて。
僕のサイズではありませんがこの54サイズがバランスがすごくよく見えて好きです。
フロントバッグはOZETTE。SWIFT INSUTRIESの中で特に好きなモデル。ラックをつけなきゃいけなかったり付く車種は少し限られてしまうのだけど、僕にとってSWIFTの象徴的なバッグです。
このOZETTE好きが高じて、日東さんに作ってもらったディカラー、バッグサポーターのFW-20。ミニマルでシンプルな美しいディカラーではなく、つけられるバイクの幅が広くって、いつも自分や皆さんが乗ってるバイクに導入しやすい、ってことを考えて作りました。
このバッグが僕のSWIFT好きを決定付けました。
もう一つ実験的に、サンプルとしてご来店される方にご提案したかったもの。
ペインテッドフェンダー。フレーム以外にフェンダーもペイントが可能です。タイヤと一体化するような、つや消しマットブラックにしてもらいました。
ブレーキはBB7。調整のしやすさ、調整がバチっと決まった時のタッチの良さはコスパ一番。チェーンはトラックバイクの時選ぶのが楽しかったようにカラーチェーンを。KMC、変速も良いです。
サドルはBROOKSが好きですが、その副作用で店内BROOKSだらけになってしまったのでGILLES BERTHOUD。おフランス。学生時代元カノが知らん間に留学準備を進めて勝手に渡仏された謎の思い出、そしてネイマールの件でPSGと揉めたのもありフランスは好きじゃないですが、このサドルは好きです。カットの大きなgalibier。
無理やりラベルをつけるならツーリング特化のフレームをベースにしたランドナースタイルですが、そんなことは置いておいて、フロントバッグにその日の荷物をポンポコ放り込んでどこ行くにも手ぶらで街を流してほしい、そんな想いで組みました。
本気出したら日本一周、世界一周にも使われるフレームだけど、言い換えれば長い距離長い時間荷物を積んで走るのが得意なフレーム。そんな長所を活かして日常でも乗ってほしいです。試乗もできるので是非またがってみてください。
もう1台同じフレームで見てください。お客様のバイク。
*SURLY* disc trucker (50)
もともと自転車、スポーツバイクには馴染みのあったオーナーのとっておきネクストバイクとして。
今まで乗ってきたレーシーなバイクとは違う、肩肘張らずに乗れて荷物が積めて。ご希望ご要望を聞かせていただいて組み進めました。
ハの字のドロップハンドルは積載の邪魔をせず、砂利道グラベルやオフロードでもコントロールしやすい、二重の役割です。二重の極みです。
超余談から書くと、インスタグラムの「いいね!」の数をBest10できるアプリを試しにやってみた結果、去年度の一位だったバイク。
もちろんいいねの数が全てではないですが、上馬のアカウントは多くが海外の方だし、自転車全体で言うと僕らをフォローしてくれるなんてかなり偏った嗜好の人たちですが笑 少なからずそんな人たちが2019年に一番反応してくれたバイクであります。
MKSガンマペダル。RIVENDELLデザインのラムダペダルの後継で出たペダルで、これも最初はラムダの方が、と思っていましたがそれは僕の大きな間違い。ピン打ちのグリップ力って機能面もそうですが、ちょっと四角くなったフォルムはより多くのバイクに合わせやすくなりました。(ラムダは丸っこくて可愛いけど故に似合うバイクも限られちゃう)
RIVのスタッフの乗り方遊び方、HilliBikeや組むバイクが変わっていって生まれた必然だったのかも?と今は思います。
フロントギアはダブル。世の中ギアはフロントシングルが主流になってきました。僕はどっちも好きですが、最近の世論を基準にするとフロントダブルが好きな部類の人間です。
それは人それぞれなので、インプレ的な意味ではなく、男子たるものコクピットの操縦スイッチが多い方が興奮するからです。このオーナーも路面にあわせてガチャっと変速決めてほしい。速く走るためのものでないから乗ってて楽しい方がいいと思います!
余計なものをたくさん積んで、自転車以外の楽しみを目的に自転車を楽しむ。オーナーが今頃どんな遊び方をしているのか、気になります。
今日はDISC TRUCKERにフォーカスでした。
(一周白くなったなぁ)