今日はとあるフレームのご紹介。
と、その前に。朝出勤してみたらスタッフのウエンツが興奮気味に騒いでいたのですが、その原因となるのはこちら。
”自転車冒険おじさん”の最上級グレード、シーンのアイコンUltra Romance氏がまた面白いことを企画しているよう。
アメリカ、カンザス州Emporiaという中部大草原にポツンとある小さな町で行われる200マイル(320km)を、大会側からのサポートはほとんどなしで走りきるというグラベルレース。320kmのうちほとんど全てが未舗装路という過酷かつ極上の環境。。
(昨年のリザルト1位はTED KINGという人で、10時間44分で完走しています。ウエンツ曰く「多分休みなく走らないとありえない、本当の化け物、通常の3倍」とのこと)
そんな大会にUltra Romanceを筆頭にCRUST BIKEのオーナーMATTらとともに、参加するみたい。
CRUSTのボスMatt。
隊長の画力。
女の子もいる。。
片足の彼は以前Golden Saddle CycleryでALL-CITYのMACHOMANDISCをノーブレーキ固定で組んでいました。すごい。バイクも彼自身もめちゃくちゃスタイル出てる。
今回のライドにはCRUST BIKEとBROOKSがスポンサーという形でサポートしているみたいです。
そしてこの全員お揃いのバイク、”CRUST BIKES BOMBORA”が本日ご紹介するフレーム。
(タイヤもお揃いですが、こちらは「ultradynamico」というブランドらしく、Romanceおじさん監修のニュープロダクトだそう。こちらもめちゃくちゃ気になる。。)
*CRUST BIKES* bombora frame (reddish brown)
入荷当初、メカニック的には、どんな特徴のどんな位置付けのフレームなんだろう?ってとこが気になるところでしたが、開梱してまず眼に飛び込んできたのは、
船を沈めるクラーケンのヘッドバッジ。
潜水夫を助ける人魚。この意味深なストーリーのグラフィックと自分好みの中間色なペイントカラー。
(ちなみにEVASIONのヘッドバッジは人魚、Nor’ Easterは大西洋の嵐の名前でヘッドバッジは荒れた海と灯台。この辺のストーリーと由来を聞いてみたい)
そして調べると、CRUSTの代表的なフレームEVASIONを少しスリムにしてロードのニュアンスを持たせた姉妹モデル、とのこと。
スリムといってもタイヤクリアランスはMTB。27.5×2.3ほども入ります。
EVASIONでは選択肢の少なかったクランク周り。このBOMBORAでは使えるチェーンリングの歯数も大きくなって、BBも選択肢が増え、前後モダンな12mmスルーアクスルのロード規格のハブが使えたり。なのでMTBニュアンス強めならEvasion、ビューンとスピード感強めならBOMBORA。それはパーツ構成の話で、どっちも同じ遊び方ができるCRUSTなのでそう言い切ると語弊がありますが、僕はそんな解釈です。他のCRUSTより値段が安いのも良い。
僕はこのフレームを組んでみたくてたまらなくなってしまったので、他スタッフの希望を職権乱用で抑えつけ、今回ばかりは俺の好きにさせてくれい、と試乗車として組ませてもらったので、バイクチェックお付き合いください。
*CRUST BIKES* bombora (M)
M:sizeのフレーム。水平トップチューブは560mm。身長170cm後半くらいの方から乗れるサイズでしょうか。
いつも展示車を組むときは、乗ってくれる人をイメージして組みますが、これは僕の好き勝手で、上馬的ご提案をいっぱい詰め込みました。
高め広めのドロップハンドル。タイヤは広いクリアランスを活かしてパンパンに2.3インチ、ではなく650x47b Road plus + フェンダーをやってみたかった。フェンダーを仕込むと大概42B以下になってしまうけど、これもCRUSTの特権。通勤中の水たまりも、
休日のドロドロライドも、お下品にバシャっと飛び込んで欲しい。
フェンダーとフレームとのスペーサーにはLUG HATAGAYAからもらったワインコルクを使いました。
カットすれば高さは自在だし、振動吸収性も良いので開けた穴からフェンダーが割れにくい、はずです。コルク自体はどれだけ持つか未知なので自分のバイクでも使ってみようかな。切った断面には補強でボンド塗り込んであります。
今回はこれをやりたかったのでL字のハト金具は使わず、フォーク裏にアンカーを打ち込んでフェンダーダボを作りました。
KINGのアンカーが薄くてクラウンのラック穴を侵さずいい感じ。
CRUSTのほとんどのモデルがダイナモライトの電線をフォークに仕込める仕様になっています。輪行でラック外しやすいよう電線のコネクタはクラウンこの位置に。このフォーククラウン格好いい。
そして他のCRUSTのフレーム同様、フロントシングルギア設計。最近のモダンなダートツーリングバイクは、ぶっちゃけフロントギアは1枚で十分だし、Ultra Romance御大達も前1枚。
でもヘソを少々曲げて、この試乗車はフロントダブルで組みました。
せっかくEVASIONとガラッと違うポイントなので強調したかったのと、同じシングル用クランクをつけた例がこの後続くのかなあ、と思ったので。あと、ガチャっと動くFDフロントディレイラーって物体が個人的に好きっていうのもあります。
FD用の受けがフレームに付いてないので、SURLYのハンガーをいじります
曲げます
ここに仕込みます。僕は割とゴチャッとワイヤーが這うのが好きです。
UltraRomanceチームはラックレスでグラベルロードなニュアンスでしたが、このバイクには前後にはラック、大きすぎない軽快なものを。
フロントはCRUSTのsmall rack、リアはNITTOのR10 bag supporterをCOOK PAINT WORKSでペイントしてもらいました。ペインターのコンノボーイはお任せにしてもセンスが良いので微妙な色のニュアンスは彼にお任せ。「このフレームに合うコバルトブルー、つや消しで。格好良くないとやだよ!」と言葉でだけ指示。無茶振りとも言います。でもこの通り、やってくれます。
この二つのラックにしたのは、SWIFT INDUSTRIESの黄金コンビ、OZETTEとZEITGEISTを載せたかったためです。
塗る前の様相↓
ラックはぶつけやすいし、NITTOのダルメッキは頑丈で塗膜が食いつきにくいので塗装は剥がれやすいです。ラック塗りたい方そこだけ注意です。塗ったラックが徐々に塗装も剥げて味が出ていくのが好きな方は、ぜひ挑戦して見て欲しいです。
ハンドル周り、*NITTO* V-4 stemと*FAIRWEATHER* M174AA all road bar、ブルムースドロップって呼んでいます。これもまだあまりお店でご指名いただいていない組み合わせ。
まったりポジション、上ハンブラケットを持つとかなりのんびりなポジション。下ハンを持つと、通常のドロップの上ハンを持った時にほど近い姿勢になるようにしています。普段着の通勤も、荷物多めの遊びライドも、景色見ながら楽しめるポジション。
・・まだまだ書きたいポイントいっぱいあるのだけど、かなり長くなったのでここまでにします。
ぜひ実物、試乗できるようにしてあるので乗ってみてほしいです。
上馬的BOMBORAはこんな感じ。本国CrustチームやUltra Romanceのようにグラベルロード、ダートツーリングバイクに組んでもよし、はたまたフラットバーでMTBタイヤをはめ込んでもよし。好きに組んで良いのがCRUSTの魅力。
BOMBORA、ぜひご指名いただけたら嬉しいです。
そして彼らのように、この夏何か冒険を企んでいる方もぜひ。