上馬店のタニです。
今日ご紹介するのはハンドメイドバイクです。
ハンドメイドバイクといえばMADE、今ごろ一周たちは雲の上でしょうか。今年もMADEに潜入します(ワシは留守番)。ああ、早くショーバイク達を見たい。各アメリカンメイカーの新作や実験作が見たい見たい見たい。ちなみに、
去年の超個人的フェイバリットバイクはこのLARKINと、
このBTCHNはぶっ飛んでいた、、
あとBLACK CATのこのマウンテンバイク、目玉飛び出た。乗ってみたい。
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今日ご紹介するのはこのMADEには出ませんが、アメリカンハンドメイドの雄「INDEPENDENT FABRICATION」通称IF。
ご夫婦によるとってもナイスなオーダーを見てください。
アメリカはマサチューセッツ州、ボストンの北Lynnにある工房で作られるハンドメイドフレーム。
前回ブログで書いたFALCONERは個人のビルダーさんですが、IFはスモールファクトリー、個人でなく職人のチームです。
コロナと工房のお引越しで納期が不安定でしたが、ようやく正常に戻ってきました(M様お待たせしてすみませんでした)
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ご夫婦それぞれ身体を採寸して、現在乗っているバイクに関してヒアリングして今回も理想のバイクを作ってもらいました。
(その昔カネヤンがオーダーしたときの写真がPCに残っていました)
ぞれぞれがとっても良いオーダーだったのでご紹介。
旦那さん号は”Gravel Royale”。グラベルロードをベースにオーダー。
こちらは奥様号。奥様は”Club Racer”ベース。ちょい太タイヤが履けるショートツーリングロードバイクがベースです。
こんな2台で走るご夫婦、素敵すぎやしないか。
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小柄な奥様はフレームサイズにお困りで、なかなか量産のフレームで合うサイズのものがなく。今までは小さなサイズのSURLYのMTBに乗っていました。
でもそこはカスタムオーダーの真骨頂。体格に合わせてピッタリのバイクを作ってくれます。
量産のフレームで女子サイズももれなくカバーするSURLYも実はとっても凄いのですが、MTBにいくらスリックタイヤを履いても、アスファルトでスイスイ走るのが得意なロード系の車種に到底敵いません。
「過去にこんなサイズを作ったよ」と小さめ女子バイクのジオメトリーを見せてくれたところから始まって。IFならきっと合うサイズを作ってくれる、と確信。
ホイールは650B。昔は700cのホイールが難しい小さなバイクは650cというなかなか手に入れにくい&選択肢の少ない規格に頼るしかなかったですが、昨今の650Bはリムもタイヤも選び放題。話題のリムメーカーASTRALを。シルバーの選択肢ありがたい。
以前のバイクより「軽くて」「速い」から「上り坂も楽!」って思って欲しかったので、回転部はWHITE INDの高性能パーツを。実感してもらっているだろうか。
カーボンフォークでなく鉄フォークを選んだので、ラックマウントの穴をオプションで。ゆくゆくフラットバー+バスケット、なんて乗り方もできます。
仕上げはE.T。最近店頭で流行ってるおふざけベルもそうですが、クールなバイクほど余計なものを一個だけつけましょう。
小柄な方、逆に背が高い方で、自分に合ったバイクがなかなか無い方の救済策にもハンドメイドバイクはなり得るわけです(たしかHUNTERもビルダーさん自身が背が高い、っていうのが自身のバイクを作るルーツだったと思う)
旦那さんバイクもめっちゃ格好いいので見てください。
グラベルロードベースですが、オーダーシートには「グラベル専用機!」と記入したわけでなく。日々の足として、休日のライドとして、、と具体的な用途を伝えてオーダーしたので、ピュア100%なグラベルフレームでなく仕上がってきました。
元々とってもよく走るハンドメイドCXバイクにお乗りのオーナーなので「そのバイクより速いバイクを」というよりかは「そのバイクにできないことができるバイクを」というオーダー。それもハンドメイドの醍醐味ですし、とっても良いオーダー。
体の採寸は、ポジションやサイズ感的にオーナーにフィットするのですが、今まで乗っていたバイクでフィットしていないところ、困っていたことなどを潰して、アップデートことができるわけです。
新車だけどまっさらスタートじゃなくって、前のバイクの記憶、データが残ってスタートできる、って感覚です。クロノトリガーであげたレベルでもっかいスタートした時のチート感があります。よくわかんないですねこの例えは。
よく「昔のランドナーがグラベルバイクの祖先」なんて考えもよく聞きますが、面白いことに、現代のグラベルバイクの定番「650x48b」ってタイヤクリアランスは、ランドナーの定番「650x42b + フェンダー」と合致したりします。家系図というか、遺伝子というか。こういうカルト面白くて好き。ロードプラスを考案したSOULCRAFTのショーンとWTBもそんなこと考えながら発明したのだろうか。
つまりクラシカルなランドナーフレームもアルミフェンダーを外したらウルトラダイナミコの48bが履けるってことですね。
奥様同様に鉄フォークにはフェンダーマウント+ラックマウントをオプションで注文。溶接してくれます。
雨の日通勤快速としてフェンダーバイクに仕上げました。実用的なのに、踏んだらめっちゃ”走る”。
このボトルケージ。僕は最近まで知らなくてSTRIDSLAND経由で知ったのですが、格好いいですね。
正直KING CAGEとNITTOだけあれば良いと思っていたけど、その独占市場に風穴を開けるか。
フレームオーダー時に、これもオプションでつけることのできるヘッドバッジ。
奥様はデカール仕様を選びましたが、旦那さんはバッジにて。これちゃんと925SILVERです。
IF、個人のビルダーさんのバイクより少しお安い、納期が早い、といいうメリットをまず説明しがちですが、現在乗ってるバイクの採寸やヒアリング多めで、この”アップデート感”が実はキモだと思っています。
なのでオーダーのコツとしては、1台目のバイクでなく「今乗ってるバイクの進化系を手にしたい」という要望が一番叶えられるメーカーだと思います。ダンバイン→ビルバインに乗り換える時って改造は引き継がれましたっけ?この例えもよくわかんないですね。
スタッフが過去にオーダーしたバイクを試乗車にしています。ぜひ、その乗り味をお試しください(用意するので事前にご連絡くださいませ)
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ハンドメイドバイク、全てのお客様に必要なバイク、とは決して言えませんがシーンの究極、これを見ずにして何がマニアか変態か。ぜひ去年のMADEの模様のブログや、Youtubeに潜ってみみてください。
最後まで読んでくれてありがとうございます。以上タニでした。