今日の上馬日記はバイクカタロ更新です。
ブルーラグで自転車を組んでいただいたことのある方はよく知っていると思いますが、これから未来、ブルーラグで自転車を買ってくれる方に向けてご説明します。
僕らのお店では、同じ自転車をたくさんの人に納車する、ってことがほとんどないです。ほぼない。
それはその人の乗り方、用途、ライフスタイルや趣味嗜好によって、その人に必要なものが違うからです。
僕らが扱ってる自転車は幸運なことに、一人一人、乗るひとの個性に合わせて組みかえたり組み合わせたりが出来ます。
車だらけの国道を週六日走る通勤バイク、休日ショッピングやカフェまでの脚としてのバイク、週末に生活圏内を飛び出して100kmを走るバイク。それぞれに必要な部品は一緒のかしら、いいえ違うわ!と僕らは考えます。
そして単純に自分の道具として相棒として、本人にとって”お気に入り”であれば最高です。
「乗り心地が最高」「遠いと思ってた場所にあっという間に着いた」「フレームの色が気に入っている」「大好きなアメリカ製のパーツが付いている」「これに乗ったら俺は誰よりも速いくさい」・・・
なんでもいいんです、気に入っていれば。
そんな十人十色、千人千色なバイクを組ませていただくにあたって唯一の弱点、「メーカーが配るカタログに僕らが日々組むバイクは載ってない」を補うために生まれた聖典。
それが「カスタマーズバイクカタログ」。
ブルーラグを訪ねてくれたお客様が、担当メカニックとどんな話をしてどんなバイクを組んでいただけたのか、それをここに積み重ねています。
本日もアップデート!新たに旅立っていったバイク達がバチーンとアレしてカタログが更新されていくわけです!
*SURLY* long haul trucker
SURLYの作る名作ツーリングバイクのLHT、ん?なんか佇まいがいつもと違うな、と感づいた方は鋭い。
ホイール700Cです。(普通のLHTは26インチ)
大きなサイズ56〜は700Cの設定があります。見た目の問題ですがタテヨコのバランス、この56のLHTが一番好きです。僕の脚ではまたぐことは出来ないサイズなんでジェラシー補正も入っています。
その700cLHTにて、あえてまたぎいっぱいのちょい大きめサイズで組むランドナーやスポルティーフのニュアンス。メーカーアナウンスのスタンドオーバーハイトは812mm。股下83cm〜の方、この組み方できるのある種の特権です。羨ましい。
もともと長距離長時間乗るのに適したフレーム、ヘッドチューブが長い(=ハンドル位置が高く設定できる)ので景色を見ながら走る休日バイクにももちろん良いし、上着を着込んだり荷物が多かったりする毎日の通勤バイクとしても優秀です。
日本製憧れの本所のアルミフルフェンダー、クラシックな亀甲パターンを選んでも、”ド渋”になりすぎないのはコットンバーテープを2色使った”忍者巻き”にエレクトリックなカラーを選んだのと、フレームのカスタムペイント少しくすんだ赤。絶妙なフレームカラーの成す技だと思います。この色彩感覚はオーナーのチョイス。素敵。僕はレバ刺レッドと名付けました、この赤いいな〜
SIM WORKSのフロントキャリアのモダンな造形も、クラシカルに引っ張られすぎない一因になっています。クラシックにただ寄せるのはイージーですよね、適度に今のものであることが不便なく格好いい。
センターズタンドをつけて組むことも多いLHT、今季からSURLYが純正でアタッチメント式の台座を作ってくれたのでスチャッとズッポシつけることができるようになりました。
続いてもSURLY、なんですがマニアックなオーナーのオーダーで色々特殊です。組んでて楽しかった。。
SURLYの・・・何のモデルに見えます?
正解は
*SURLY* DISC TRUCKER + TROLL FORK
突っ込みどころ満載でどうしたもんだろうか。このオーナー、色々マニアックでお詳しい方だったので。ぼくも勉強するつもりで挑みました。
「DISC TRUCKERに新生TROLLのフォークを刺してみたいんですが」というお持ち込みのお題。正直リスクとデメリットの方が先に頭に浮かびました。しかしそのあとたくさんオーナーとお話する中で、オーナーが好きなold MTBの世界観を、SURLYのフレームを使ってという好奇心。リスクやデメリットも理解していただいた上でのオーダーだったのでお受けしました。
そんでもってこの方ただビンテージのコレクターってわけでもなくて、RIVENDELLも所有してたり、今のバイクやパーツにも理解あってセンスいい人だなーって思わせていただいて、”やっちゃった系”には決してならないだろうと確信もあったので、パーツ決めのプロセスは楽しかったです。
ハイライトはフォークの差し替えとスレッドコラム化。スレッドコラム化はOSのコラムにネジを立てるっていうのがすごく難しく、外注にて施工。今回なんとかなりましたが。。このスレッド化はやはりオススメしません笑 このバイクを見て同じオーダーが来そうですがもうやらない!笑
持ち込みの古いパーツだけまとうのではなく、回転部や要所に現行のPAULやPHILを使うミックス感。実際に乗って使っていくと滑らかに走って故障や不具合等不便もないと思います。こういうアメリカの高品質メーカーさんのパーツって壊れても小物から補修できたり直せるっていうのも強みです。良い状態を永く。フロントラックも今のもの。PASS AND STOW handmade in USA。多分地球で一番格好いいラック。
そして乗り味、組み付けて走るまでわからなかった部分、特にハンドリングですが、問題なく、むしろスムーズに走って快適でした。今まで何百台と SURLYを組むお手伝いをさせていただいてきましたが、最期の試乗前、一番ドキドキした個体です。
このオーナーが次にどんなカスタム、もしくはどんなバイクを企むか今から楽しみで仕方ないです。。
そんでもってラストはRIVENDELL。ビフォーアフターでお送りします。
まずはビフォー。
しばらくこれにフェンダーをつけて乗っていたオーナー。
今回ピットイン後、アフター。
*RIVENDELL* clem smith Jr.
Rivendellのラインナップの中で、ラグ溶接を少なくしてコストを抑えつつエレガントで美しいRivらしさとタフな作りは残してあるのがClem。広いクリアランスには太いタイヤを飲み込め、クルーザーとしてもMTBのニュアンスでも組み付ける事の出来る懐の広さ。
以前納車させていただいた時は通勤や生活圏の足としてのニュアンスで組ませていただいたけど、元々アクティブに自転車を乗るのがお好みのオーナーの希望でリビルド。マウンテンバイクな佇まいに生まれ変わりました。
バイクの性格を決めるハンドル。大きく手前にスイープしたボスコバーからフラットのブルムースバーにチェンジ。短い距離をお尻加重で流せる前者に対し、ある程度ハンドルに体重をかけられるものに交換。これだけで別物。普段ぼくもClemに乗っていますが「おいおい本当に同じフレーム?」って思っちゃうくらい試乗はニヤニヤが止まりませんでした。グイグイ凶暴に進みます。
フロントに仕込んだダイナモハブはそのまま、ライトは前後。おなじBROOKSでもレザーサドルより軽量なCAMBIUM”布サドル”は、フェンダーを外したこの仕様において水にも土にも強いってニュアンスもあります。フェンダーを外してクリアランス目一杯でMTBタイヤをは外すと自然と現れる選択肢が、ピタッときて気持ちいいです。
タフなフレームと太いタイヤをきちんと制動するためにPAULのVブレーキmotoliteは安心感があります。ビタッと効きます。チェーン脱落防止機能のあるチェーンリングでフロントシングル。最新式のMTBのようにビュンビュンてゃ行きませんがきっとオフロードもモリモリ走れます。
もちろん各所ダボ穴のあるRivのフレーム、ここからキャリアやラック、サドルバッグ等乗ってて不足を感じれば足す事ができます。
世界観が濃いいからこそのRIVENDELL、その隙間を縫って個性を出して自分だけのバイクに染め上げる事も出来ます。このオーナーのようにその人らしさが反映された組み方。新品の状態で乗り込む前より、乗り倒した後の方がかっこいい。乗って足したいところ、不要なところが見えてからが完成。このメーカーが作るバイクの真骨頂なのじゃなーと思いました。
・・・・本日更新の3台!ちょっと濃密すぎたかも、と今書きながら思いました。。
でもどれも乗る人のキャラや乗り方遊び方が反映されてる、とってもシグネチャーなバイク、ってところは共通しています。
もし自分だけの自転車組みたいなーって方は、ブルーラグ各店でスタッフを捕まえて、どんな乗り方遊び方をするか、たくさん聞かせてくださいね。お気に入りのとっておきになるよう頑張りますー
過去のバイク達は以下から一挙に見れます。
あなたの心に刺さるバイクはあるでしょうか??モデル別に絞り込みもできるので是非チェックしてみてくださいー