上馬店からタニです。
『展示車』— 各店の店頭に並ぶバイク達のことを、お店ではこう呼んでいます。

これらは、未来お客様を迎えるために、事前に各店メカニックが夜な夜な組み立てたバイク達であります。
ただ、「展示するだけのバイク」ではなくって、もちろんそのままお求めいただくこともできますし、時にお客様のパーツ決めやサイズの指標として、時に試乗車としても活躍します。そしてそれぞれ組み立てたメカニックの「おすすめ」と「ご提案」が随所に詰まっているのが「展示車」です。

なので用途とサイズがフィットするものがあれば、ある意味ブルーラグで一番おすすめなのは、そのメカの情熱や怨念がこもっているこの「展示車」だったりするわけです。
(全ての展示車ではないですが、その一部はオンラインストアでも見ていただけます)
上馬店のRivendellの展示車は 、

新品ピカピカよりも、”ビューセージ”(使用による汚れや傷や錆で新品より美しくなること)されたバイクが、Rivendellの魅力をより伝えられる、という僕個人的な思想から、スタッフの私物バイクを展示車にしていることが多いです。
しかし、春に向けて後輩たちが、目を輝かせながら展示車のT.I.EやAFFINITYを組み立てるのを見ていたらムラムラきたので、久々に僕も「展示車」組んでみました。

組んだのは*RIVENDELL* charlie h. gallop。
色は先日ブログを書いた「ダークオレンジ」、サイズは53です。
僕自身リリース以来Gallopをしこたま乗ってきて得た自身なりの最適解、おすすめポインツやご提案、そして見えない隠し味をふんだんに入れて組んでみました。

「今もし自分にもう1台組むなら」、もしくは「今もしフルオマカセでオーダーいただいたら」なんてテーマで好き勝手。
身長168cm〜174cm
PBH(股下)78cm〜85cm
サドルの高さ67cm〜72cm
くらいの乗り手を脳内に描きながら組みました。
もちろん販売用なので、もしもこのままピタッとくる未来のオーナーが現れたら泣いて喜びます・・久々に展示車組みましたがどこか我が子みあります。

以下詳細スペック偏愛多めで書いていきますのでお付き合いください。気に入っていただける方いますでしょうか。
・・・
当初は同じラグを使っているGeneに対して「オンロードに特化した」なんて触れ込みでリリースされたモデルですが、

(僕のGallop、この時は57サイズですが今は53サイズに乗っています、3本目)
自分で乗って遊んでいく中で、A.HOMER HILSEN同様、華奢なロードバイクではなくて「カントリーバイク」= 現代でいうところの「グラベルバイク」に近いものとして、砂利道ライドもなんなくこなせることを実感しました。
でも非ドロップハンドル。「非ドロップグラベルバイク」。これを伝えるには本国スタッフWillのバイクの力を借ります、

こんなイメージ、街中も気持ちよく流せて、

パーツを組み替えることもなく休日のこんな用途にも持ち出せて。
これにもうちょっと自分の好きな ”Full Rivy”(RIVっぽいパーツ群)なニュアンスを足して煮込んでパーツを選んでみました。
ハンドルはRivendellデザインの新作 ”Bar68”、

Rivハンドルの中では前身のWavie Barと並んでフラットバーに近いシルエット。立ち漕ぎでブンブン振り回しやすそう。
そこにグラントさんに教えてもらったウールフェルトグリップ。

グラントピーターセンの発明「羊の毛」のグリップ。
店頭では、実物を触って握ってもらって口頭で説明(説得)できるのだけど、ご遠方のお客様は特にまだ半信半疑というか、奇々怪界と思わせてしまっているのかな、と思ったのであえて選んでみました。
これ、本当にモコモコクッション快適、雨にも汗にも強くて、汚れたり臭くなったりしません。(なんならゴムやシリコンのグリップの方がよっぽど汚いそう)そしてコットン、コルクより滑らない。これ本当の話。

握り心地の隠し味でウールの下に仕込んだコットンバーテープや、ワインコルクで作ったバーエンド、真鍮のアウターケーブルキャップやコラムスペーサーなどはサービスになっています。
変速シフトレバーはRivendellのSilver-2。右用を左に、左用を右にすることでハンドルの内側なるように仕込んであります。
ブレーキレバーは名作SHIMANO R780が好きで、自分のバイクでも愛用しているのですが↓

上記のシフトレバーテレコセッティングだと、レバー同士のクリアランスを作るために、ブレーキレバーまでも左右テレコで逆さまにつけなきゃいけないんですね(写真、レバーの裏側が外側を向いてるのわかるでしょうか)
僕はこの「快適なシフトレバー位置のために、ブレーキレバーまで逆さまに付けちゃう」のがRivendellがらしくって大好きで、初見時は目から鱗がリフトオフ。大好きな組み方なのですが、
お店でお客様のパーツ決めの際「うーんブレーキレバーの裏側見えるの嫌ですね・・」なんてご意見をいただくこともしばしば。まあその気持ちもわかる。
そこで、ご提案。

DIA-COMPE MX-2 Lever。SHIMANO R780と双璧を成す名作レバー。
このレバーならシフトレバーを内側につけても、そのままの向きでレバー同士のクリアランスを共存させられることに気づきました。R780より短い2フィンガー形状も、Bar68のような開いたハンドルとニュアンスばっちりかと。
そのシフターで引くのは、*RIVENDELL* silver OM-1 rear derailer。

日本先行入荷分はこのバイクを組んだあと完売してしまったのでこれがラストです。
上記のセットは全て、フリクションシフト(カチ・カチ・カチと刻みがない)だから実現できる組み合わせ。
このフリクションシフト、確かに最初は少し戸惑うかもですが、練習すればすぐ慣れます、むしろその「操縦している感じ」がとっても楽しいです。(もしご遠方の方がこのバイクに乗るとしたらお電話でもレクチャーいたします)

クランクはSUGINO。ダークオレンジにはなんだかちょびっとブラックのパーツを使いたくなる不思議。グリップモナークペダルもツートンカラーのパンダにしました(これもちょっとレアでしょ)
チェーンステーにはコットンバーテープのハギレでタニテクター、

キックスタンドにもタニテクター、マイブームのバッテンにしないGrantWrap™️。これらもサービスで施工してあります。
タイヤは最近お気に入りの*CONTINENTAL* terra adventure。これ軽くて転がるのにムチムチオフロードも食いつくので好きです。

フレームスペック上の公表最大タイヤは45mmですが、コンチは表記よりやや細くなることを利用して、表記700x50c(実寸47mm)を放り込みました。おそらくこのフレームの最大タイヤ。これでアスファルトだけでなく河川敷や林道ライドも軽快に滑空できます。

そして”隠し味”としては、例えばホイール足回り。
オレンジSAMの話と重複しますが、Gallopはホイール外周部をすっきり軽くすると大袈裟でなく「フワフワ魔法のじゅうたん」のようになります。軽量なリム、アルミニップル、軽量チューブ・・外周部だけ徹底的に。そんな重量のことばっか考えていたらグラントさんに怒られそうですが。

仕上げに最後に眼に見えないところ。サドルの角度、手のひらの中のグリップの角度など、見えないオーナーを想像妄想して、おすすめを詰め込みました。もちろんこの部分は人それぞれなのでオーナーが決まったら微調整いたします。
このまま乗っていただいても、必要ならラックやバスケットやバッグを付けて、必要だったらダイナモライトのアドオンもいいかもしれない。気軽に手ぶらでスイスイ乗っていただけたら嬉しいです。大好きなGallop、魔法の絨毯の乗り心地きっと気に入っていただけるかと思います。
詳しくはこちらで
実写は上馬店にあるので是非見にいらしてくださいませ。普段店頭にお越しいたけないご遠方の方にも、店頭の展示車に込めた思いを知ってほしい!
「別の色のフレームで組んで!」「他のサイズで組んで!」なんてお声ももちろん大歓迎なので、ご遠慮なくお申し付けください。
今回も長くなった、最後まで読んでくれた方ありがとうございます、タニでした。