上馬店のタニです。
今日はRivendell自由研究です。夜な夜な考えてたことを書きます。
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誰しもが、トムリッチーやウルトラロマンス、はたまたツールのチャンピオンやレッドブルのヘルメットを被ったアイドルの写真をデスクトップ壁紙にしていると思いますが、僕にとってはこの写真。

この写真、格好良いが詰まってる。
しかしどういう状況なんだろう。意味は少々わからない。
バイクの写真を撮っていたときの奇跡の1枚なのか、カメラマンが「グラントさん自分のバイクの横に座ってよ」と言ったのか。
このグラントさんのCLEM SMITH Jr.、以前ブログで書きましたが「少しでも大きなサイズのフレームに乗る裏技」”MAXED OUT SIZING”って僕が呼んでいる、本来グラントさんの適合サイズより大きなフレームを選んで方法で組まれたバイク。
「いや、これも快適に乗れるんだからこれも”適合サイズ”だよ(ニヤリ)」
なーんて御大には言われてしまいそうですが。でも、普通にお店にいらしたお客様にご案内するサイズの選び方ではないのは確かです。
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少し話は飛んで、これは僕のCharlie H.Gallop。

これも先日に自由研究ブログを書きましたが、

大好きなアルバスターシュバーを使いたくて、フレームサイズは自分の「適正PBH」に該当するうち、小さい方を選んで組んだバイクです。この「49サイズ」も僕の適正フレームです。
このサイズの選び方であれば、

このように、ずんぐりステム(50-70mmとか) +ドロップハンドルで組むこともできるサイズ感になります。アルバトロスバーなら110mmステムって感じでしょうか。
先日の本国メルマガに載ってたこの方のバイクも同じようなサイズ感で組まれたと思われます。

シートポストの出代が目印。こうシャキッとポストが出てるGallopは ”小さめビルド”。きっと背の高い方がドロップハンドルで乗りたかったんだろうと想像します。
そしてリアラックR14を”シャクる”付け方は僕だけがやってると思ったのに。このビルドはアントニオでしょうか、ウェイビー🌊なステーの曲げ方がちくしょう格好いい。それは見た目の問題だけではなくて、これで少しだけサドルバッグの容量が稼げます。この方はVAGABOND Sackでも使うのだろうか。
・・・危ない、話が脱線しかけましたが戻ります。
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この「適正サイズのうち、小さい方を選ぶ」で組んだMy Gallopももちろんとっても気に入っていたのですが、自由研究「MAXED OUT SIZING」を書いていたら、
「ステップスルー形状なら、普段は乗れない大きなフレームを選ぶことができる」というこの裏技をグラントさんから学んだことにより、ムクムク膨らむ「大きめステップスルーフレームに乗りたい」「デカGallopに乗ってみたい」という性的衝動。

(超快適だったこのステップオーバーカントリーバイクも気に入っていたので寂しいですが)
AtlantisやSam Hillborne、Appaloosaなどのダイアモンド型のRivendellフレームにおいて、「53」や「54」というサイズに乗れない僕が、
ステップスルー形状なら「57」や「58」くらいまでサイズアップできる魔法。
「もっともっと長いホイールベースのバイクに乗れるんだよ、それはとっても快適なんだよ」というグラントさんの理論を味わってみたい。
よし、やるか。

放課後のピット、涙をこらえながら愛車をバラバラにする虚無な時間に少しのカタルシスを感じながら。ありがとう。
Charlie H.Gallopをバラして、新たにCharlie H.Gallopに載せ替えるなんて、頭おかしいと思われると思いますが、ミニにタコ。僕は過去に
・Frank JonesからFrank Jonesへ載せ替え
と常習犯であります。
ブルーラグで扱っている全てのブランド、フレームを所有したり乗り込んでレビューするのは不可能ですが、Rivendellに関しては、本国の能書きを和訳するだけでなく「自分で乗って、感じて」モデルごとの乗り味、サイズ感を把握したい、それをお客様に伝えたい。
俺は知りたいんだ、その欲求・探究心という大義の業火で、家計簿と貯蓄を燃やし尽くします。

身長 173cm、股下PBH 83cm、サドルハイト70cm、これは以前の49サイズ。

こちら載せ替え後の57サイズ。
「スタンドオーバーハイト」に注目してください。これだけフレームサイズを大きくしても、
PBH(股下)> スタンドオーバーハイト
ここを死守すること。これが最初のサイズアップの条件です。
そして組んだのがこちら、僕のデカGallop。

フレームサイズ「57」、過去所有した自転車の中で一番大きいサイズ。
乗り味は49サイズと全く別物、「他のモデルなんじゃないか」と思うほど違う乗り物。
サドルに跨ったら景色が違う。前輪はとっても前の方に、後輪は遥か後ろの方に在って、ハンモックに乗っているかのような”しなり”が足の裏で感じられて、なめらかに滑るよう。

「スイスイキビキビ」だった49サイズに比べ「ヌメーっとグングン」進む。
マリオカートで言うとこの、「ノコノコとクッパの関係性」という例えがしっくりくる(伝わるでしょうか)

この長いチェーンステーが、サイズに比例してさらに長くなって、繰り返すけど、クッパの感じ。僕はサーフィンやったことないですが、ロングボードってきっとこういう感じなんだろうな。違ったら恥ずかしいな。
そして、サイズを大きくしたからといってフレーム自体は軽いし、AtlantisやAppaloosaのドッシリ感はありません。軽快なGallopの長所はちゃんとある。
キャンプツーリング、オフロードに行かない街乗り用途ならGallopが最強、自分で書いた文章の意味が自分でわかってきた。(とか言って1年乗ってみて、グラベルくらいは余裕で走れるフレームだな、と感じています。いつもHOMERで行く林道で遊んでこようかな、自己責任)

トップチューブは前サイズに比べ、6cmも長くなってしまったので、大好きなアルバスターシュやドロップハンドルをつけることはもう叶いません。(一番短いステムを使っても手が届かない)

なので選んだのは大きくスイープバックするけど、ライズはペッタンコなので高さを抑えられるChoco Bar。
フレームサイズと比例してスタックも高くなってしまうので、戻り大きいけど”ライズが少ない”のがキーでした。(最初はBosco付けようかとよぎったど高さが気になった)

大好きなアルバスターシュバーが恋しいけど、HomerかRoadiniに代入することにします。
グリップはグラントさんに教えてもらった「ウールフェルトグリップ」。最近のマイブーム。

これはお察しの通り「自転車専用部品」ではなくって、取り付けには工夫や多少のDIYが必要です。(オンラインストアにアップしたのでぜひ挑戦してみてください)
焼豚巻(Grant Wrap)は丁寧に説明書を作りすぎて、綺麗すぎるものがスタンプのように波及していってしまったのを後悔しているので、今回は僕も皆さんも、いろいろ試して自分オリジナルなウールグリップを編み出して楽しみましょう。やり方自由、正解はありません。

今のところとっても快適。羊毛100%で臭くなったり雨や汗も気になりません。シリコングリップの方がよほど雑菌いる気がする。
個人的には「グリップ部」と「フォアグリップ部」がブレーキレバーで「分割」されてしまうって概念を無くしたいので、”レバー跨ぎ地続き作戦”の付け方にハマっています。好きなところに手が置けて乗っててとっても自由を感じます。
シートポストの出代を比べると、顕著にサイズアップを感じれて面白いです。

2枚の写真で比べてみてください。どちらもサドルの高さは同じ70cm。
MAXED OUT SIZINGを達成する2つ目の条件は、「シートポストを”全差し込み”で、いつもの自分のサドルハイトがクリアできるか」。
20年前ピストばっかに乗っていた頃は、いかにシートポストが出てるか、なんて気にしていましたが、いつの間にこうなった。
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そしてこの獄の番「デカGallop」の術式、その真価は小柄な方や女性にこそ顕れる、と思います。
他のモデルだと「47.5サイズ」や「48サイズ」など、小さいサイズを選ばなければいけない方、僕はそれらのサイズを格好悪いと思ったことは一度もありませんが、お店でRivendellのご相談をお受けしていると、それを気にしている方ってとっても多いです。

Gallopなら短くしか出ないシートポストも格好いいし、サドルから降りた時の「よっこらせ」「おっとっと」のストレスもありません。
なので小柄な方や女性にこそ49サイズのGallopをサイズアップして是非候補に入れてほしい。
ダイアモンド型のRivendellだと「小さいサイズ嫌だなあ」というのが引っかかっている方、Gallopならなんなら「53サイズ」乗れるかもしれません。
そこが今回のセルフ人体実験・乗ってみて実感してみたかったこと。「初めてのRivendell」を踏み出すにあたって皆さんが悩んでいるサイズについてを打ち消したかった。
51サイズのSAM HILLBORNEに乗る僕が、57サイズでこんなに快適・満足だったんだから、自信をもっておすすめできます。
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繰り返しますが、PBH通りに選んだいつもの適正サイズフレームも、このステップスルーを活かしたMAXED OUT SIZINGもどっちも正解で、どっちかが優れている、ということはありません。

ノコノコ、キノピオのようなキビキビ小回り小さめチョイスもとっても良いバイクになるし、

おおらかでしなやか、グングン加速感があるMAXED OUT SIZINGで組んだバイクも最高です。
どっちかが不正解、という話ではありません。どちらも快適、適正の中から選べば ”適合サイズ”です。

Charlie H.Galop、軽快なRivendellをお探しでしたらきっとピッタリです。サイズ選びのお手伝いもいたしますので、付けたいハンドルや好みの乗り味をご相談くださいませ。
メジャーで股下測るので動きやすいズボンで来てください。ご遠方の方は測る箇所をご案内しますのでお気軽にメールくださいませ(📩→ taniあっとbluelug.com )
もちろんお店でこのMAXED OUTの個体も試乗してみてくださいね、楽しいです。
どんなに長く書いても一周のブログよりかは短い。最後まで読んでくれてありがとうございます、タニでした。
