上馬店のシャミです。

MADE BIKE SHOW 2025 Portland

全日程8日間のスケジュールを終え無事帰国いたしました。

 

生まれて30年、人生で初めてアメリカへ行きました。
なんなら恥ずかしながら海外に行くことすら初めての経験でした。
金子さんのブログで全体の空気感は把握していただくとして僕なりに掘り下げた内容を綴らせていただこうかなと。

少しそれにお付き合いいただければと思います。

 

 

僕は自転車以外にも車やその他の身の回りの自分で弄れそうなものを弄ってみたりと何かと「自分でやってみる」ってことが好きです。
中でも自転車に対してはもっと根底にある「作ってみる」っていうところまで興味を持ち始めました。
これが僕のハンドメイドの世界に興味を持つことになるきっかけでした。

実際にやってみての大変さはもちろん(過去4本ほどフレームを制作しました。)、クリエイティビティ、作り手それぞれのアイデンティティー、設備等、本当に千差万別でそれぞれのフレームを見るたびに「どうやってこの形を作ってるんだろう、こうやってるんだろうな?」「どういう意図があるんだろう?」「どう作用するんだろうか?」と月並みだけど自分で作った経験からくる視点がありました。
フレームビルダーそれぞれの経験からくるそのノウハウを見れるのが何よりも楽しかった。
そしたら自然と「乗ってみて確かめたい。」となるわけです。
ファクトリーにも、個人ビルダーにもそれぞれに歴史があり、師匠なる人、憧れる人がいます。
そういう歴史も込みで滲み出てくる部分や出自など、工場でラインに乗っかり大量生産されるフレームにはない魅力や深みがハンドメイドにはあります。

僕が気になっていたビルダーの1人で、現在ブルーラグでも扱いのある「La Marche Bike co.」を手がけるTom La Marhce の工房に行きました。

La Marche in Chris King factory 2025

La Marche in Chris King factory 2025

彼がTom La Marche(トム・ラ・マーシュ)です。
見るからに陽気でおしゃべりそうで、温厚で優しそうな彼。
人柄が滲み出てて会ったら1発で好きになります。トムはとっても親切でいつも我々のことを気にかけてくれてました。

トムのところへはアメリカに到着したその日に行きました。
時間もカツカツでしたが優しく、大らかに終始快く対応してくれて、初のアメリカで不安でドキドキだった僕はふっと緊張が解け泣きそうになった。
それが初めて直接トムに会った時の第一印象。抱きつきたくなるほど好きになった。(この日とMADE最終日の挨拶の時はしっかりハグした。)

La Marche in Chris King factory 2025

La Marche in Chris King factory 2025
写真向かって左側がCamp and go slowの「Casey(ケイシー)さん」
反対側トムの右にいるのが MONE bikesの「Cjell Mone(シェル・モネ)さん」

La Marche in Chris King factory 2025

La Marche in Chris King factory 2025
こちらの女性はトムの工房で一緒に制作をしている女性ビルダーでHotSalad Bicycles「B vivitさん」

La Marche in Chris King factory 2025
またしても女性ビルダーで、この方はSignificant Other Bikesの「Ashley Kign(アシェリー・キング)さん」、ちなみに彼女はV.Oのクリントともお友達。

 

トムにインタビューをしようと思いマイクを渡すと慣れた手つきでその場にいたみんなに逆にインタビューをしちゃう回しっぷり。
ひょうきんでめちゃくちゃ楽しい彼です。

そしてトムの周りにはいつも誰かいる。
やっぱり彼は人柄もいいからアメリカでだって人気者。
MADEの期間中ブースをいつ訪れてもとても忙しそうだった、けどブースですれ違う時はどんな時だってしっかり目を見て挨拶をしてくれる。
トムは人を惹きつける魅力的な人です。

La Marche in Chris King factory 2025

La Marche in Chris King factory 2025

La Marche in Chris King factory 2025

La Marche in Chris King factory 2025

La Marcheの作られる工房はクリスキングの工場に併設されています。
そこではかつて「Cielo(シエロ)」が作られていた工房でもあります。現在はシェア工房となっていて数人のビルダーがそこではフレーム制作をしています。トムもそのうちの1人。

その日の夜はトムと一緒に食事をしました。
そこで彼に質問をしてみたので一部ご紹介。

Q:トムの得意な車種ってなに??
・トラックバイク、MTB、特にダートジャンパーだね。

Q:最近はトリックライドよりもダートジャンパーとかに乗ってる印象だけどなにかきっかけはあったの?
・きっかけは怪我だね。昔はスタントマンとして自転車を乗ったりもしてたし、ハードにトリックを楽しんでたけど怪我をしてからMTBを乗るようになった。
それからMTBにハマってダートジャンプにもハマって今があるね。

Q:トムにとって「ハンドメイド」にこだわる理由は?
・設計から、フィニッシュまで全ての工程を自分1人でできることかな。大量生産のものは素晴らしいけどハンドメイドはドロップアウトとか細部にまでこだわれてそこに自分ならではディテールを残せる。それがハンドメイドである理由かな。

うむ、納得。
初めて僕がビルダー本人にインタビューをしてみました。
拙い英語で、聞き取りも満足にできない僕だけどそれでも必死にトムの言ってることを理解しながら聞いてました。
わかりやすく何度も説明してくれるしここまでのことも含めて完全に彼のファンになった。

「あなたにフレームを作って欲しい、日本に帰ったら車種を決めてあなたにオーダーするね」
と会うたびに伝えました。
ほんの少しだろうけど、彼を理解することができて、彼の考えていることや理論、それらに共感でき、何よりも作り手のことを知り好きになった。
自分から選んだ人に作ってもらう自分専用のフレーム。なんて贅沢なことだろう。
震えるほど興奮する。

しかもその食事会の時に何気なくトムにあげたお土産を次の日にはもう身につけて自分のものにしてくれている。
人が人のことを好きなる瞬間って単純で、ほんとそういうところです。
めちゃくちゃ嬉しかったです。

誰が作っていてとか、誰が考えていて、が分かるメーカーやブランドって特別です。
ブルーラグが扱っているほとんどのブランドはそれが分かります。(RivendellもBlack Mountain CyclesもULTRADYNAMICOもNITTOもMKSも…たくさんあります。)
今回の出張では海の向こうにいる普段ある程度分かったつもりでいたブランドの人達に直接会いに行く、理解を深めコミニュケーションをとる、ための出張でもありました。

「誰が」の少し抽象的な部分がさらに具体的になりさらにそこにパーソナルな部分が加わり知ることができると余計にそのブランドが好きになります。
我々はそれらを選んでくれるお客様に素敵な人達がこれからの自転車が楽しくなるようにって考えて作ってくれているんだよと伝えるお手伝いをこれからもできたらって思います。

これを最後まで読んでくれている方達にも少しでも多くそれをお伝えしてさらには一緒に好き度をあげてもらって今後もそのブランドの人達を一緒に応援していけたら最高だな、とそんなふうに思います。

手始めに僕はトムの作るフレームに乗りたくて仕方ないので彼にメールします。
トムのもっと細かい部分を知りたい方はお店でぜひお話しさせていただければと思います。
なんだったら一緒にオーダーしませんか笑
僕のオーダー内容はもうだいぶ固まりましたっ。

MADE BIKE SHOW 2025 Portland

 

あらためてLa Marche Bike Co.のTom La Marcheさん、本当にありがとうございました。
最大限のリスペクトと愛も込めて。
(いたずらっ子のトムも微笑ましい。。。)

 

 

シャミセン

(本当はもうひとつフォーカスして書きたいことがあったのですが、それはまた近々。
思っていた以上に長くなってしまったので急遽題名変更して①と追加しました。
なので②以降もお付き合いください。笑)