上馬店のタニです。
先日日本に届きましたRivendellのフレーム「A.HOMER HILSEN」。
やっとこさオンラインストアの準備ができました、お待たせいたしました。
Atlantisと並んで20年以上前に生まれたRivendellのフラッグシップモデル。今日はこのA.HOMER HILSENへの偏愛を綴ります。
重積載のツーリングバイクをルーツにして、進化の中でHanqやBombadilのノウハウを吸収し、大きなタイヤクリアランスを活かしてダート走行までカバーするに至った、屈強で力持ちなATLANTIS、
そしてそれよりも軽量で軽快な乗り味、軽ツーリングをルーツに万能さと速度感を両立して今や「グラベルバイクの始祖」とも呼ばれるのがこのA.HOMER HILSEN。
お互いを補い合ってた初期からの2モデル。
HOMERの歴史を感じるには、この若き日のグラントさんの写真を。永く連れ添ったバイクは美しい。
そして今ロット、またもや僕らRIVファンをアッと言わせた衝撃の新色。
不意に来た”フォレストグリーン”。この新色を見たとき脳裏に浮かんだのはこの写真↓↓↓でした、見ずらいですが奥のバイク。
日付を見たら2014年、幡ヶ谷店シャッター前。このフォレストグリーンのSaluki(初期HOMERとは双子関係にある前身モデル)がこのカラー採用のルーツだったりするのかな、なんて思うんですが、きっと僕の考えすぎでしょう。
たしか皆で定休日にライドに行って、幡ヶ谷店に戻ってきたら出くわした、定休とは知らずに来てくれてた海外ゲストが乗っていたバイクだったと思います。
過去いくつかのモデルでも採用されてたフォレストグリーン、知った色のつもりでしたが(僕のCLEMもこの色)HOMERが纏うと全然違って見えるから不思議(オレンジや黄色のコットンバーテープにアンバーのセラックニスを塗って合わせたくなりますね)、どなたかこのグリーンで組ませてください。素敵になるの確定。
そしてもちろんもう一色は「HOMER BLUE」。
こちらは説明不要。Atlantisの潜水艦Tealと並ぶ「HOMERといえば」なこのBLUE。
永遠の定番か、一期一会の新色か、是非迷ってくださいませ。
「ツーリングバイクより軽快で」
「ロードバイクより太いタイヤが履けて」
「砂利道オフロードも走ることができて」
「多少の荷物も積むことができる」
それすなわちA.Homer Hilsen。
・・・これって昨今の流行、グラベル/アドベンチャーバイクじゃん、それを20年以上前に「カントリーバイク」という名前ですでに定義されていたのが、すごいところなのです。
(お若い)
軽くてキビキビなのにバスケットとスタンドがつけられる、それは彼女や奥様、パートナーバイクとしてもとても優秀だと思います ↓↓↓
このA.HOMER HILSENへの偏愛を語っていく上で、
前提として僕は「Rivendell」大好き人間であり、極右のグラント信奉者なので、特定の「推しモデル」と言うものはありません。
あの人が生み出したフレームには全部乗りたいし、それぞれを比べてみたい。全部味わって違いが知りたい。なので”HOMERだけ特別”と言うことはないし、別のモデルのブログではそのフレームを褒めるでしょう。
しかし「出動率」で考えてみる。1年365日の中で「乗った日数」が「推しポイント」でイコールあるなら、自分の推しはこのHOMERかもしれない事実。
僕のA.Homer Hilsen。度々姿を変え現在はドロップハンドルで運用中。
カラーは2ロット前のDark Gold。主に都内の移動や毎日の通勤で活躍しています。
組んだ当初はマスターシュバーでした。ハンドルはどうせすぐカスタムしてしまうんですが。次はWAVIE BARを試したいな。
Rivendellといえば、各モデルそれぞれに「名前」と「ヘッドバッジ」が設けられているのが特徴ですが、
HOMERは永くこのヘッドバッジ。これ「スピログラフ(鉛筆刺してギアをクルクル回して図形が描けるやつ)」なのかな?と思ってましたが・・よく考えたら知らない。グラントさんに聞いてみよう。もっと壮大な、宇宙とか運動の真理とかの気もするし、特に意味はないよ、と言われる気もする。
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そして乗り味、他のRivendellモデルより「軽い」「速い」と言われているモデルでもあります。僕もそう感じます。
重量なんて気にしない方が格好いいし、重量測るなんてRivendellファン失格な気もしますが、乗って感じていた部分が本当なのか検証の意味も含めて計測してみました。
HOMER 51サイズ(付属のヘッドセット、シートポスト。BB付き)3.82kg
ATLANTIS 50サイズ(付属のヘッドセット、シートポスト。BB付き)4.34kg
同じサイズ域のATLANTISよりペットボトル1本分軽量なようです。
(冒頭でもしたこの旗艦2モデルの比較は、SURLYでいうところのクロスチェックとロングホールトラッカーの関係のよう。どちらも汎用性抜群でエブリデイバイクとして組めますが「軽くてスイスイ」VS「重いけど力持ち」の関係はSURLYのあの2巨頭を思い出します)
乗って感じる「軽い」って言うのは重量とは別の話、って側面もあるんですが、それ込みでも他モデルよりペットボトル1本以上軽快な乗り味を保証します。
なので、
「初めてRivendellを組みたいけどあんまりずっしり鈍重な乗り味は嫌だな」
「すでに太RIVに乗っていて、そのバイクにはない高速域のバイクが欲しいな」
なんて方に、きっとHomer Hilsenがビタっと合うと思います。
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そして、Rivendellの中では「トップチューブ短め」のモデルというのも特徴です。
それによってドロップハンドルやマスターシュバーも選択肢に入れることができます。
(水平トップチューブ長、ここの長さの話です)
例えば僕のバイクで言うと・・
ロードバイク→ 530mm (ドロップハンドルバッチリ、スイープバックバーを付けたいとなるとステムビョーンで格好悪い)
HOMER→ 555mm (短めステムでドロップハンドルOK、スイープバックバーも適度なステムでOK)
CLEM→ 655mm (スイープバックバーバッチリ、ドロップはもはや不可能)
僕はこの特徴を活かして、ロングトップチューブのモデルにはつけられないドロップやマスターシュをつい付けがちで運用していますが、
短い、といっても一般的なロードバイクに比べればとっても長いので、もちろんRivendellらしいスイープバックバーもピッタリです。つまり選べるハンドル選択肢がとっても多いのもHOMERの特徴。
特にアルバトロスバーやチョコバーをつけた時の美しさ、バランスの良さはエグいです。
完璧。
・・・
タイヤクリアランス、タイヤの太さについては過去のビルド例を踏まえてご紹介します。様々なハンドル選択肢と合わせてあなたのHOMERの妄想の参考にしてくださいね。
LOSCO BARに43mmタイヤ、大きめサドルバッグでフロントはネイキッド。LOSCOやBOSCOなど大きく戻ってくるハンドルと合わせる場合は目一杯長いステムで組みましょう。
ホットゾーンは40mm〜43mmのあたりだと思います。いわゆる伝統的なランドナーの太さ。
CHOCO BARに43mmタイヤ、日常で一番ちょうど良いフロントバスケットスタイル。
こちらは43mmスリック、ドロップで金属のキャリアなし、こんな組み方はフレームの乗り味をダイレクトに感じることができます。ツルツルスリック系かイボイボグラベル系かは用途、走る路面に合わせて選びましょう。
フェンダーなしであれば最大48mmまで入れることができます。
ALBATROSS BARに48mmタイヤ。モチモチふわふわがお好きな方はぜひ太いタイヤを。48mmもあればスリックでも砂利道余裕で走れます。
650×48や700×45。昨今の旬の規格なので各メーカー色々な選択肢があります。ただホイールの抜き差しは空気を抜かなければいけないかも。
BOSCO BARに48mmタイヤ。やはりキャリパーブレーキなのにULTRADYNAMICOを入れれれるのはとっても魅力的。このタイヤ履ければ勝ち、みたいなところがあります。
フェンダーをつけるなら38mmくらいのタイヤがベストでしょうか。僕も長らくフェンダー+38mmスリックタイヤで雨の日通勤号としても使っています。
ビーサン+短パン+レインポンチョの最強装備で、夏の雨の中、シトシト黙々とHOMERに乗るのが好きです。
最近はフェンダー有無関係なくとしても、都市部でのスピード感と安心感の両立は38mmが最適解なのかなーなんて思ったり。余談でULTRADYNAMICOのパトリックに「日本のHOMERやMalocchio乗りのために、CAVA650Bの38mmか42mmを作って欲しい」とお願いしたことがあります。叶うかな。
(ALBASTACHE BARに38mm+フェンダー)
過去組ませていただいたバイクをこうやって見返すと、ハンドル・タイヤの選択肢、積載の有無、組み方は本当に無限ですね。遠出する時、疲れてるとき、何も考えずにさあ通勤だ、となるとその軽快さに吸い寄せられてついこれに跨ってしまうのがHOMERの魔力。
(そしてグリーン組んでみたい・・)
Rivedenllの中で、万能さの中に「機動力」を求める方、きっとHOMERがぴったりのはずです。よりキビキビしたROADINIももちろん良いですが、砂利道と積載、スタンド台座の観点で言うとHOMERの勝ちかな?
もし55mm以上のMTBタイヤをつけてトレイル遊びをしたい場合はHOMERはあなたのフレームではありません。AppaloosaかAtlantis、CLEMかPLATYPUSが良いと思います。
まあ御大がこんな笑顔でHOMERを使ってるのを見ると、カントリーバイクでどこまででもいけそうな気持ちになってしまいますが!
ご来店可能なところにお住まいでしたら、ぜひ試乗車に乗りにいらしてくださいね。モデル別に乗り比べるのは最高に楽しいです。
ご遠方の方も、サイズのご相談やビルドのご相談、喜んでお受けしますのでお気軽に。(嫌じゃなければ僕に組ませてくださいませ)
さあ梅雨はフェンダーバイクが活躍するぞ。
長々と読んでくれた方ありがとうございます、タニでした。