上馬店のタニです。
今日はRivendellから届いた新しいステムのご紹介ですが、結構地味なのにうんちく長いので覚悟してください。Rivendell本国サイトをDIGしている方はきっと歓喜なはず。
厳密に言うと新作っていうかは「ちょっと前からあったけど日本では流通してなかった系」です。
「90-190 stem」Designed by Rivendell Made by Nitto
“ナインティワンナインティ”ステムと読むそうです。
Rivendellが種を巻きCRUST RomanceurやNOR’EASTER、OLD MTBブームに後押しされ市民権を得て来た「首長スレッドステム」の一種です。
ーーーーー
「工具一本でいつでも簡単に上げ下げできる」
人間は年老いていけばハンドルは高くしていきたくなるのに、
Aヘッドシステムは低くしていくことはできるけど、コラムを切ってしまったらもう2度と高くすることはできない。
スレッドステムこそ「超人間工学ステムなのだ!」
ーーーーー
そんな狂言はいいとして、
え、どこが新製品なの?って思うことなかれ。Rivendell以外のスレッドコラムバイクにも使える「あったらいいな」と「ちょうど良い」が詰まったステムなので紐解いていきます。
その名の由来は寸法から。
角度は直角90度。そして差し込み部分「首下」は190mm。
クランプ径は25.4と31.8の2種(BIG Toscoチャンスです)
そして大きくスイープバックするRivendell系のハンドルでもズレにくくする4ボルトフェイスの固定力。
そしてキモである直角の角度がもたらすのは、
媒介になるフレームのヘッド角の分だけ自然に緩やかにライズアップ。愛車のヘッド角を直感的に感じることに興奮することができます。ああ、Sam HillborneとPlatypusのステアリングの違いって可視化するとこのことなんやな、と。
ちなみにヘッドチューブとトップチューブが約90°なフレームCharlie H.Gallopに使うとピシッ、ピシッと直角ざんまいになります。
今まであったRivendell印のステムといえば「TIG faceplater stem 」↓↓↓
角度は10°アップ、差し込みの首下は225mmと「たっぷりハンドルを高くしたい」というRivendellらしいデザイン。本国の比較写真をお借りすると
「90−190」と「FACEPLATER」ではこれだけハンドル最大高さが変わります。
しかし、
日本では「小柄な方やフレームサイズの小さな方」
もしくは「ある程度ハンドルの高さを抑えてハンドル荷重で乗りたい方」=「差し込み族」
の皆様にはこの旧ステムでは高さが出過ぎる、ということがちょくちょく起きていました。
これは本国スタッフバイクの写真(多分Sergioの?)差し込んでますね〜差し込み族みっけ。
これは僕の憶測ですがそんな需要から生まれたんではないかと。というのも、以前僕がデザインした「POWER STEM」も同じ動機で作ったものだからです。(だから似てしまった)
ぶっちゃけこの2つは用途被りまくり、どっちかだけこの世にあればいいものなんですが、選べることは楽しいことだ(AtlantisとAppaloosaもそうですね)それに日東さんのハンドメイドステムはいつでも手に入るわけではないし、本国と同じもの使いたいって方いると思うので、両方あっても良いんじゃないか、と思います。
早速自分のバイクにインストールしてみよう。
今使っているのはPOWER STEM。10度アップです。
これを、、
ジャーーン!直角90-190ステムにチェンジ!
・・・ほっとんど変わりませんね。
つまりですね、すでにPOWER STEMを使っている人はこの新作に交換する必要はありません。無意味です。
今現在Faceplaterステムを使っていてハンドルが高すぎる方、
今現在ハンドルが遠いor近いで気に入っていない方の選択肢として、
これからスレッドステムのバイクを組む方の選択肢として。
程よい高さと心地よい”違和感”のルックス、90-190ステムを覚えていただけたら幸いです。
以上タニでした。