上馬店のタニです。連日すみません。
昨日Rivendellの新モデルCharlie H.Gallopの紹介ブログを書きました。
が、ブログが長くなりすぎてサイズ選びについて書ききれなかったので、自分のCharlie H.Gallopのサイズ選び→ビルドの流れを踏まえて自由研究としてもう少し突っ込んだことを考えてみます。
サイズで迷ってる方、Charlie気になったいる方に参考にしていただけたら幸いです。
まずはサイズ選びを考えてみます。顔色が悪いですね。
Rivendellは、身長ではなくPBH(=股下、素足で床から恥骨までの高さ)を目安にサイズを選びます。オフィシャルの計測ビデオがかわいいのでぜひ見てください。
自分のこのPBH値を覚えておけば、適正サイズを一目瞭然で選択できるというシステムなわけです。
(下の表の赤枠の部分が推奨PBHです)
加えて、このPBHからサドル高を割り出すことができます。
サドル高めが好きな人:PBH-11cm
サドル低めが好きな人;PBH−13cm
僕はサドル低めが好きで(その方が力が入れやすい、これは人によります)PBH83-13cm = サドルハイト70cm です。
もちろんあくまで目安で、同じPBHでも10cm身長が違うこともあるし、乗り方組み方は自由なので例外もあるし、グラントさんみたいにその辺を熟知した達人はわざとPBH外を選んだりって裏技もあるのですが、上記の方法で選べばまず間違いはありません。乗りやすい(楽してバイクが進む)しバイクが格好良くなります。
Chrlie H.Gallopのサイズレンジは、
フレームサイズ
-49cm : 74~83cm PBH / 72cm スタンドオーバー
-53cm : 78〜87cm PBH / 76.5cm スタンドオーバー
-57cm : 82~91cm PBH / 78.2cm スタンドオーバー
-61cm : 86〜96.5cm PBH / 82.7cm スタンドオーバー
よく見ると、適正PBH数値がお隣のサイズと重なりがあるのがわかるでしょうか?
Charlieは多くの人にとって2つのサイズが”適正”となるように設計されています
例えばPBH83の僕は、49サイズと53サイズに乗ることができます。
僕は49を選びました。つまり2つの適正サイズのうち「小さい方のサイズを選んだ」ことになります(理由は後述します)
体格とバイクサイズの関係性。
自転車のサイズ選びで一番重要かつ、最初の関門になるのは「スタンドオーバー」=「自転車の跨ぎ」です。
大きめ小さめある程度好みのフレームサイズを選ぶことができるとはいえ、大前提、自分の股下数値より高いスタンドオーバーの自転車は乗ることができません。俗に言う「三角木馬」、サドルから飛び降りた時には股間をクリティカル、信号待ちではパンティー食い込み状態をお披露目することになるでしょう。
またシートポストの出代がほぼ無くて横から見た時「ベチャッと潰れた」バイクになり、自転車のルックスにも大きな影響があります。僕も海外のRivendellを見て大きなサイズに憧れるので気持ちはわかるのですが、実は「大きなフレーム」が格好いいのではなく「大きなフレームと、そこから伸びる適正な長さのシートポストの出代」のセットが格好良さの要因だったりします(保存してある写真を見返してみてください)
・・・ですが、これはダイアモンド型のフレームの話。このCharlieのようにトップチューブが跨ぎやすくなっているフレームは、この「跨ぎ=スタンドオーバー」問題がないため、通常より大きなフレームサイズも選ぶことができる。
例えば僕なら、Joe Appaloosaの54サイズやHomerの54.5は乗ることはできませんが、このCharlieなら49も53も乗ることができるわけです。
(最近グラントさんがやる組み方↑「できるだけ大きなフレームサイズで組めるかチャレンジ」も大前提スタンドオーバーの縛りは必ずクリアしています)
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では本題、上記の方法で割り出した「2つの適正サイズ」のうちどちらを選んだらいいか、を考えます。
以下、Riv本国の説明文をお借りします。
★多くの人が2つのサイズにフィットします。
★RivendellのChoco Barなどスイープバックハンドルを使用する場合はどちらのサイズでもフィットしますが、適正のうち大きなサイズ(=長いフロントセンター、長いホイールベース)を選んだ方がより快適に感じるでしょう。
★フラットバーやRivendellのWavie Bar、その他の一文字のマウンテンバイクバーを使用する場合は、2つのサイズから小さい方をお勧めします。
★ドロップハンドルを使用する場合は小さい方を選んでください。ドロップバーで快適なフィットになるかの断言は難しいですが、短めのステム(50mm-60mmなど)を使用してください。
なるほど、使うハンドルを指標にする、というのもフレームサイズ選びの重要なファクターなんですな。
王道として、もしRivendellらしい ”手前に戻ってくるハンドル” で組みたい場合は、適正サイズ2つのうち大きな方を選べる、いつも「ああもっと自分の自転車が大きかったらなあ」という悩みを解決してくれる、それすなわちCharlie H.Gallopなわけです。
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話題を僕のバイクに戻します。上記を踏まえまして、僕は2つの適正サイズのうち「小さい方」選びました。王道ではない組み方です。
理由はそう、「アルバスターシュバー」、もしくは未来ドロップハンドル「ヌードルバー」を使いたかったからです。大切なのは「小さい方」といっても、もちろん上の表の中の適正PBHの範囲に収まるサイズであること。
ドロップハンドルや、アルバスターシュバー、マスターシュバーは、ステムの向こう側を握るハンドルです。大きなサイズを選んでしまうとハンドルが遠くて届きません。
せっかく軽快な乗り味のCharlie、そっち系のハンドルで乗ってみたかったのと、このバイクを組むにあたり、増車はもうできないので今乗っているバイクからの載せ替えビルドだったのが大きな理由です。(とか言って、大きなフレームサイズにしてアルバトロスで乗るかめっっちゃ迷ったけど)
載せ替え元の愛機Homerで使っていたのがアルバスターシュバーをそのまま載せ替える作戦。ああ、本当に愛していたHomer、本当にごめん。またすぐに組み直すから少しの間おやすみ。
バラすのはあっという間です。HOMERと目が合って涙がこぼれます。ごめんね。乗り味は君が一番好きだよ。
RivendellからRivendellの載せ替えビルドはとっても簡単です。パーツ群は同じ世界観の元にあるし、そのフレームにあわせてステムの長さとタイヤの太さを変えるだけ・・っていつもはそうなんですが、このCharlieは ”ロードバイク” なのでリアハブの幅がいつもの135mmじゃなくて130mm。そこが少々厄介です。愛用していたホイールはもちろん135mmだったのですが、
PHILハブを使っていたらラッキー、Philwoodのロードハブはアダプターの交換で簡単に130mm↔️135mmを行き来できます。
アダプターを交換して、2.5mmセンターをズラせば簡単に130mm化できます。
そして組み上がって、ポジション、乗り味の話に触れます。
図面上はHOMERよりトップチューブが少し長いCharlieですが、ヘッド角が寝ているからでしょうか、ステムを引き上げるとハンドルが手前に来ます。
ステムもそのまま丸っと載せ替えですが、HOMERに比べてハンドルまでの距離は体感気になりません。ハンドルの位置はそのままだけど、前輪の位置がかなり前の方にある感じ。Platyに初めて乗った時のあの感じです。
踏んだらスイスイと前に出る感じ、加速が伸びる軽快さは、他RivendellモデルになくやはりHomerに似ています。大きな違いはハンドリング。Homerは体の下に前輪があって、良くも悪くもヒラヒラ機敏な操作感でしたが、Charlieはビターッと真っ直ぐ走る感触。
このハンドリングの感じ。僕は積載はリアサドルバッグで組んでしまったけど、もしかしたらフロントバスケットが最高なのかも?
どなたか大きめサイズのフレームを選んで、長めのステムにChoco Barあたり、フロントWALD137バスケットで組ませてください。乗ってみたい。それ多分めっちゃ調子良いと思います。
タイヤクリアランスはHomerと同じ、本国ではフェンダー+42mmと書かれていますが、ぶっちゃけフェンダーつけたら38mmタイヤが限界だと思います。無理クリ詰め込めるかもだけど、ちょっとでもフェンダー曲がったら擦るだろうしストレスありそう。
Rivには美しいHONJOのアルミフェンダーではなく、チープなプラスチックフェンダーが良いと思います。HONJO大好きですがそれはCRUSTの方が似合うと思う。
せっかくポンプペグがついているのでフレームポンプを。でも自分の用途的にこのCharlieはライドで遠出はしないので、他のバイクにポンプは移すと思います。
積載は、このフレームのハイライトでもある「ツーリングバイクではない、積載は10ポンド(5kg)まで」を守ってサドルバッグのみ。
そして誤算、シートステー中腹にダボ穴ないんですね、、久々に日東さんのバンド留めしました。これ好きくないです、ダボ穴にステーを伸ばしたいし、付ける時指が痛い。
余ったバーテープで作るチェーンステープロテクター、両端を麻紐で留めるやり方を長らくやってきましたが(あれ実は僕のアイデアなんですよ、エヘン)最近は飽きたのでただペッとバーテープ貼るだけが気に入っています。
そして「バブルラグ」と呼ばれる水玉ポコポコが可愛いオリジナルのラグ。
(ステムの赤線はいつかHOMERに戻す時の線)
アリモノのラグを使うメイカーは数あれど、ラグから自らデザインして(しかも独特なものばかり)自分たちで在庫して、それをパズルのように組み合わせて、新モデルと理想の乗り味を独自の理論で創造していくグラントさんは本当に稀有な天才なんだと思います。
1発目にお披露目するスタンダードな組み方ではないのが申し訳ないですが、僕と同じくドロップ、アルバスターシュを視野に入れたい方、Will君のPlatyみたいにフラットバーで組みたい方は、ぜひ選べるうちの小さいサイズを。
もし王道、スイープバックバーで乗る予定の方は適正の中で大きい方のフレームサイズを選んでくださいね。他のフレームでは乗れない大きなサイズを選ぶことができます。
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最後に余談。
開発から4年もかかってお披露目のCharlie、さまざまな紆余曲折を経て完成に至ったのだな、とわかる写真。
初期プロトタイプはこんなバイクだったようです。この湾曲したラウンドトップチューブ。これはこれで格好いい、やっぱ天才なんだな。そしてこの段階で「This is a Road Bike」とあるので、コンセプトは変わっていないよう。僕はこのバイクに引っ張られてアルバスターシュバーで組みたかったのかも。
これは憶測ですが、昔HUNTERのバイクをオーダーする時に「ラウンドトップチューブは、曲げるために薄いパイプやバテッドチューブ(肉厚が部分的に違うパイプ)が使えないんだ」って聞いたことがあって、もしかしたらより軽くするためにボツになったのかな?なんて想像します。
もしくは、Riv HQ訪問動画のなかでWillが言っていたように強度の問題か、SUSIEがディスコンになったのと同じ理由で手間のかかる溶接方法や工場での工程の問題だったのか。・・なーんて真相はどうだっていいんですがこういうことを妄想するのが楽しいですよね。(追記、調べたら新しい「バブルラグ」が完成してそれを使うため、のデザイン変更だそうです)
グラントさんのこの紫色のプロトタイプ個体を含め、この湾曲Charlieは数台製造されて、今もアメリカのどこかを走っているようです。その感じがキシリア管轄の部隊だけに配備されて量産には至らなかった試作モビルスーツみたいで格好いいですよね。
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長々と全部読んでくれた方がいたら、本当にありがとうございます。以上タニ自由研究でした。