こんにちは
上馬店より一周です。
GWも残すところあと2日。
みなさまいかがお過ごしでしょうか。
今GWは自転車で○○へ行くんです!という話を例年より聞かない気がします。気のせいでしょうか。
つい昨日仙台から3泊4日かけて上馬に来ました!!!なんて若人が居たので気のせいですかね。
そういや四国にツーリングに行かれているお客様は無事楽しんでいるだろうか。
あぁ、、気のせいですねコレは。どっか行きたいなぁ!!!!!
個人的に今夏は某所へひっさしぶりに(日本一周ぶりに)1週間程度のツーリングしに行こうかしらなんて画策中。。。どこに行こうかしら。
良いところあったら教えてください。
そんなことをモヤモヤと考えているとツーリングバイクのご依頼が舞い込んでくるというのがメカニックという職業でして。
今昔というキーワードがビッとくる2台のツーリングバイクのご紹介を。
Romanceur canti (50)
来店前から心はこのバイクに決まっていたであろうオーナーさま。
心の愛機であるSURLY DISC TRUCKERをはじめツーリングバイクの選択肢をいくつかご案内させて頂きましたが、
お話ししながら、あぁ、もうこの方はRomanceurに心撃ち抜かれているんだろうなぁ、、、
と節々に感じCRUSTはUltraRomance御大のシグネイチャーであるRomanceur cantiを。
クラシカルなツーリングスタイルを踏襲したバイクであるこのバイク、
ブレーキはカンチブレーキでヘッドチューブ周りは細身、優しい乗り心地の1インチスレッド、そして各所エレガントなラグワーク。
カンチブレーキ自体がモダンなブレーキと比較するとどうしても制動力は上品なので、そこはしっかりと止まるPaulのカンチブレーキを入れて欲しいです!!!
とパーツ決めの前のタイミングで熱弁をさせて頂きました。
制動力を重視してVブレーキにして頂くというのも選択肢でしたが、やはりスタイル的な部分でカンチブレーキが似合うフレームだなとは思います。
やはりある程度フレームの種族と言いますか、性格のありようでどう組むと格好良くて調子良いのかというのは大筋固まってくるわけですが、Romanceurは特に勝ち筋が分かりやすいフレームな気がしています。
ギアシフトレバーはダウンチューブにピョコっと付くダブルレバーに、フロントギアは現代的には消えつつある3枚歯、そして極め付きのBROOKSのレザーサドル、
というのが直球ど真ん中的バイブスを醸して良いですねぇと。
でもそうじゃない組み方をしていたアメリカ出張行った時のUltraDynamicoのパトリックのRomanceurは鬼格好良かったけどね!
しかし彼はCampy好きですね。サイズマジックもありますが詰まる所佇まい。ずるいよこんなの。
俺もデカくなりてぇ!
結局その人がフィットするサイジング、その人自身が満足しているバイクがいっちゃん素敵!だし格好良いと私は思います。
Donhou bicycle DSS2
そしてこちらは言わずもがな今昔の「今」にあたるツーリングバイク。
1年ほど前から少しずつ準備されていたお持ち込みのフレームを先日お渡ししました。
自分は現物見るのがはじめましてだったのですが、イギリスメイドのハンドメイドバイクであるDonhou Bicycles。
オールロードカテゴリーに該当する雛形モデルであるDSS2のカスタム仕様になっています。
見どころたくさんのバイクなのですが、まずステムはビルダーのハンドメイドでサイドクランプ仕様。
しかもハンドルクランプは昨今珍しい、逆にいうとハンドメイドだからこそ作られ得る、かわいらしいつるんとしたフェイスの31.8mm径。コレ、綺麗だったなぁ〜。
フルフェンダーはVOのsmooth、フレームポンプはSilcaのものがマッチペイントされて日本にやってきました。
28CのTeravail Rampartをつけた時のフェンダーとのクリアランスのスチャっと感が素晴らしい。
コンポーネントはSRAMのFORCE AXS D2、無線変速です。触れる機会も最近目に見えて多くなりましたね。
シフトフィールはSHIMANOの方が良いと感じるのが正直なところですが、それでも使いたいと思わせる魔力がありますしみんな使うのが納得の”楽しさ”です。
特にフロントダブルはスマホのアプリで挙動をカスタマイズするのがみなさん楽しそうだし、所有してみたい。
無線だけにシフト周りの有線が排除されるので、それ用のガイドはフレームに何もついていません。完全無線専用機!というのがアツいですね。
リアブレーキの油圧ホースはダウンチューブ内装というのがさらにすっきり感を。
油圧ホースをフレームへ沿わせるルーティンはジップタイガイドでなく、よりシンプルな通しのガイドというのがビルダーの美意識を感じますね。
このバイクの一番の見どころは個人的にはラックだと思っています。こちらもワンオフのこのバイク専用機。
ステンレスのパイプを使用した、NITTO M-1タイプの小さい天板とパニアバッグ用のサイドパネルが一体型になったラックになっています。
これがすんごいのが天板の部分のみに出来るステーキットを別で用意してくれているというところ。(今回はフルアーマー状態が見たくて付けてませんが)
フレームよりも時にはラックの方が手間がかかって大変!というのは色んなビルダーが口にするところではありますが、そんなハンドメイドラックで手のかかった仕様というのがビルダーのエネルギーを感じてもはや狂気だなと。
しかもサイドパネル右の縦パイプにはダイナモライト配線内装用の穴も。抜かりなさすぎるんだよなぁ!
圧倒的細やかなビルダーというのがバイクを通じてビシビシと感じます。
極め付けにビルダーご近所のハンドメイドバッグファクトリーであるENA bagsのバッグ類。
フロントバッグは前画像の凸パーツに底面がスポッとハマる作りになっていて”カスタムハンドメイドバイク”としてこれ以上ないくらい、全部乗せの1台になっています。
バイクとして仕上がったものを見ると不思議とアメリカのハンドメイドのかほりを感じるんですよね。
いわば最後の1台、終点的なバイクの組み立てを任せて頂くのはメカニック冥利に尽きますね。
本当にいつもありがとうございます。
ボロボロになるまでたくさん乗って、直して乗って、一生楽しんでいきましょう!
この2024年の現代にギャップを感じる2台を同タイミングに組んでいる、というのがらしさ感じます。
担当させて頂きながら楽しい通り越して動悸激しくなることさえありますが、こんな2台を触らせて頂くのがメカニックである自分が存在する理由だなと思います。
みなさんいつもありがとうございます。