上馬店のタニです。
どなたでも、グッとくるメーカーってあると思うんですけど、ライターとボールペンはなんかBICがしっくりくるな、とか、美味しいと思ったおせんべいは決まって亀田製菓だな、とか、日清のCMっていつもキレキレだな、とか。人それぞれあるそれで、僕の場合自転車関連で台湾製縛りだと、フレームはRivendellとBlack Mountan Cyclesだったりして、パーツだったらRitcheyだったりします。アメリカ製のものや日東は反則なので除いたとして。
前置きは以上にして、組ませていただいたお客様のバイクで、グッときたバイクをご紹介します。
AさんのBlack Mountain ”MonsterCross”。
とても格好良い。
もちろん媒介がBMCという好きなフレームというのもありますが、今回は”組み方”の話です。
自転車の組み方って自由だし、好みはあっても正解なんてないんですが、いっぱい自転車を組んでいるとフェチというかツボというか、好きな方程式みたいなのが出てくるときがあります。
僕の場合、以前もブログに書きましたが、
「ピッタリサイズのドロップバージオメトリーのフレームを、フラットバー+長めのステム+PASS AND STOWで日常化した自転車」
っていうのがなぜかピンポイントでとっても好きです。実用的にも性的にも。
まさにAさんのMonstercrossがその僕のフェチな方程式ど真ん中ズバンときました。
もしも「良いバイク」の定義が、
「一番速いバイク」でもなく「一番高価なバイク」でもなくって、「乗る日数が多いバイク」だとしたら。
週末200km走るバイクより、年間200日稼働するバイクの方が良いバイクだとしたら、それはきっとこういうバイクか、あるいはアルバトロスバーにバスケットのバイクなんだと思います。
自分のバイクでもたびたびこの方程式を使います。フェチなので。
ロードバイクに挿入してみたり、
CXバイクに挿入してみたり。常にこの組み方のバイクを1台はキープしています。
この組み方。もちろんルックス的にフェチというのはそうなのですが、ミソは「実際の便利さ」と「乗る頻度」にあると思います。
この組み方のバイクはなぜか登場機会が増えます、毎日乗りたくなる。
格好良いだけじゃなくって、機動力もあるし、積載力もある。
「世界一格好いいラック」ことPASS AND STOWのポテンシャルも十二分に引き出すことができる。これにバスケットを乗せてもよし、ラックバックを積んでもよし、メッセンジャーバッグをくくりつけてもよし、です。
合わせてダイナモも仕込むと無敵でストレスがほぼなくなります。リアにも電線引っ張って、USB充電とサヨナラすることもできます。
なんて鼻息荒く書いてきましたが、さらにここからは細かなディテールを。
ハンドルはSIM WORKSのGET AROUND BAR。マッチョなMTBバーもお持ちでしたら良いですが、ほんのりスイープバックでこのくらいがちょうどよし。そしてクランプ径31.8じゃないとこが今回のミソで、
上馬にデッドストックであったこのRITCHEYのちょい古ステムにぴったんこ。問屋さんに残っているのを買い占めました。一周と自分も買ってもうあと1本とかしかないです。
SPURのベルはかっちょいいからこそさりげなく。
そしてこのバイクのすごいとこもう一個。実はSURLY STRAGGLERからの載せ替えでした。
なのでDISCハブをそのまま移植。剥き出しになったディスクローター台座も、イナたくてアメリカンで、余裕で受け止めてくれるMONSTERCROSSのこのアメカジ的懐の深さよ。
ペダリングで擦り傷がついたWHITEのクランクやペダルも新品よりいい感じ。良いパーツは長く所有したくなるし他のバイクに移しても使いたくなりますね。
載せ替えとは思えないこのバイク、組んでる最中も完成して試乗した時も、最高でした。Aさんいっぱい乗ってください。このブログが嘘になっちゃうので。笑
繰り返しますが組み方に正解なんてないし、「方程式に代入」なんてイージーなことしてたら自転車組むのつまらなくなりそうですが、もしフロントラックがつけられるドロップハンドルのバイクをお持ちで、そのバイクの稼働率が下がってきてモヤモヤしている方がいたら、とってもおすすめな組み方です。SURLYクロスチェックやCRUSTでもALL-CITYでも、きっと超格好いい&超乗りたくなるバイクに変身できると思います。
以上、最後まで読んでくれてありがとうございました、タニでした。