上馬店からタニです。今日は最近組ませてもらったRivendellのバイクチェックです。
まず余談。
よく店頭でお客様と「Rivendellはロゴやデカール、ヘッドバッジもた格好いいですよね〜」なんて盛り上がることが多くあります。すでにRivファンの方もそこは大いに同意なはず。
Rivendellのボス、グラントさんの言葉。
「Rivendellのバイクや、デカールの見た目は意識して、マイルドで”無視できるよう”なものにしています。でも、街にふと停めてあるのを見かけた時にスッと読めるようなものを目指しています」
僕の翻訳力のせいでちょっとイミフかもですが、デザインは過度にインパクトを狙ったもの、風景の邪魔になるようなものにはしないけど、なんか目に入ってくる美しいデザインであること。なーんて意味なんかな、と思っています。
そして思うんですが、読んで口にしたくなるモデル名、音にして呼びやすい名前にしているのかな?なんて思います。
実はこれがすごく自分のバイクへの愛着になるというかロジックな気がする(考えすぎ?)SamとかJOEとか、まるで人の名前のようで、友人や家族を呼ぶように親しみを込めて、つい呼びたくなる名前。これ計算してるのかわからないけど関係あると思うんですがどうなんでしょう。
長い余談は以上!まずはこちらのバイクから。
*RIVENDELL* susie w. longbolts/wolbis slugstone (50)
まさに人の名前のような名前がついたRivendellラインナップ中一番大きなタイヤを飲み込めて、オフロードの色が濃いモデル。サドルハイトは68cmです、サイズの参考に。
ダウンチューブには「SUSIE」と「WOLBIS」、左右で違う名前が入っています。それぞれは兄弟モデルの「GUS BOOTS WILLSEN」のアナグラムになっているとか(このユーモアよ)。
そんなSUSIEを、ゆったりポジションのボスコバーにて。各ハンドルの中で最も「近く、高く」グリップの位置を持ってくることができるバーです。
手元はコットンバーテープとヨット用のセイル糸、セラックニスで仕上げました。カラーはオマカセいただいたので(嬉しい)ニスを塗ったら美しい4色を左右非対称にて。最初は色味がバキッとしていますがレザーサドルと一緒に朽ちて変化していきます。
このボスコバーには、この位置↑↑↑に親指で操るサムシフターをつけるのが好みです。
なんでこの位置なの?とよくご質問いただくので説明します。まずブレーキレバーの向こう側、写真緑色のテープの部分を”フォアグリップ”と呼ぶことにします(今考えた)。立ち漕ぎで坂を登る時はこの”フォアグリップ”を握ると調子が良いです。
ブレーキレバーのすぐ隣にシフターをつけるのが、手のひらも動かさないでシフトできるのでもちろん一番使いやすいし正解です。
が、ボスコにその位置だと、シフトワイヤーが”フォアグリップ”にぶつかってちょっと握るのに邪魔になるためです。シフトダウンが必要な昇坂時”フォアグリップ”を握る癖があれば、自然とシフターもこの位置で不便がなくなります(これ山にRIVを持っていくとわかります、言葉で説明難しい・・)
つまりどっちが正解とかじゃなくお好きな位置にどうぞなのですが、僕の中で「グリップを多く握る、サドルに座っている時間が長いバイクはブレーキすぐ横にサムシフター」、「立ち漕ぎ登板を含むアクティブに乗り回すバイクはフォアグリップの方にサムシフター」ってな具合でご提案することが多いです。繰り返しますがどっちが正解とかはなく、好みです。
このオーナーのバイク、グッときたポイントとしては、
スリックタイヤ。
ついついこのフレームオフロードタイヤを履いてしまいますが(僕もきっとそうする)ご自身の用途、乗ってる姿をよーくイメージして「このくらいでいいかな」って脱力感が、長くいろんなバイクを乗り継いできたオーナーの判断、結果とっても良い感じ、よく転がります。
(楽器の羅列がチェーンステーに)
そしてこの太さがあれば大概の砂利道は走れてしまいますしね。
今までお乗りのSURLYにはフロントラックにバスケットなスタイルでしたが、
思い切って脱バスケット。R-14バッグサポーターにドサっと大きめのサドルバッグを。ポイポイ荷物を放り込んでください。貴重品系だけ入れる小さなバッグがハンドル周りにあってもいいかもですね?
そのラックのこの位置にリアライト、ダイナモから給電しています。バッグのフラップで隠れないように。
ハブで発電、走れば前後点灯のオートマスタイル。楽チン街乗り最強です。
果たしてオーナーさん、CROSS CHECKとどう乗り分けていくのか楽しみです。CROSS CHECKは速さやアクティブさをカスタムで足していって、のんびり走る時はこのSUSIEで差別化・・みたいな補完関係がいいでしょうか。
お次はもう少しスピード感あるバイクに組むことができるモデル。
*RIVENDELL* sam hillborne (54)
”カントリーバイク”とRivendellが昔から呼んできたジャンルで、今となっては「クロスバイク」とか「グラベル」とか「ツーリングバイク」とかとか、MTBとロードバイクの間を埋めるものはたくさんありますが、その隙間がぽっかりだった頃それを埋めるために生まれたカテゴリー。
手足の長い方だったので体格的に57サイズも乗ることができましたが、元々乗っていたバイクがブロンプトンということもあってか54サイズを選んでいただきました。
手元はアルバトロスバー。ボスコバーほど高さもなく手前に戻ってくる寸法も短いので適度に上半身の体重をハンドルにかけることができます。世界一美しいハンドル、なんて言われることも。
グリップはシンプル目の焼豚巻。車体全体は新色のHi-Ho Silverをメインにモノトーンにまとめて、手元だけ色味を入れちゃうオーナーのこの感じ好きです。「ピクルスカラー」と呼んでいるうすグリーンのテープにニスを合わせたこの色大好き。
今や日本では定番になったNITTOのラックにWALDバスケットスタイル。
ステムとラックを繋ぐストラップはRivendellのjohn’s strap
これはラックが破断したり外れた時に脱落してフロントホイールをロックしないためのおまじないで、よく海外のツアラーや通勤車に見られるもの。なんて滅多にそんなこと起きないんですが、その理由に加え、このテープのデザインもあってハンドル周りがごちゃっとして可愛いので、僕が必ずお勧めするストラップです。
ちなみにこの用途専用のストラップではありません、何にでも使います(荷物括ったり、ズボンのベルトにだってなる)
大きなオフロードタイヤのRivばかり最近組んでいたのでトリプルクランク癖が付いていましたが、街乗りでビュンと、なニュアンス用途を汲み取ってダブルのご提案。山や峠いかないのであれば、大概ダブルでいけます。
RIVにとって定番のパーツたちで組んだ正統派な組み方ですが(僕はそんな組み方が好きです)この色味とたたずまいがとっても格好いい。ボロボロに酷使されたらもっともっと美しくなっていくんだろうなーなんて想像します。たくさん乗ってくださいね。ゆくゆくはプラフェンダーなんかもいいのかも??
ーーー鉛筆ーーー
他にもブログに書ききれないくらい組ませていただいているんですが、紹介がおっつかない・・書くの頑張ります。順不同でいくので気長ににお待ちください。
Rivendell、いつでもどのモデルでも手に入るメーカーではありませんが、店頭には展示車、実際に乗れる試乗車、販売できるフレームもございます。ぜひお店で実物を見てくださいね。
以上タニでした。