上馬店のタニです。
「JOKER」見ました? 面白かったです。僕は恋愛映画やお洒落邦画は照れ臭くて見ることはありませんが、こう題材がアメコミだったりしてくれると助かります。
見た後なんか感化されて、映画見てきたんだよアピールを周囲にかましたかったので、サントラ流しながらブログを書いてみようかななんて思いました。
が、照れ臭くて最後まで聴いてられませんでした。なんかどこか欠落してるんでしょうか。自転車や洋服の趣味は年々変わっていったけど、音楽の趣味はあんまし変わらない。OPERATION IVY聴きながらブログ書きます。
今日は組ませていただいたいくつかのバイクのご紹介。どれも格好いいです、格好いいの基準は人それぞれですけど、僕が審判なら優勝。多分メカニックはそれぞれ全員同じこと思っています。
その中でも、オーナーのご要望ってベースがあって、その隙間隙間にオマカセのニュアンスを入れさせていただいた自分担当のバイクは、パーツ決めの過程や思い入れがリフレインするので、贔屓目プンプンでお送りします。
*CRUST BIKES* lightning bolt
完売して久しいCRUST的ランドナーフレーム。(上馬店頭に展示車としてラスト1本のXSがあります。どなたか乗りませんか)
納車させていただいたのは少し前ですが、納車後にオーナーが加えたワッペンやステッカーのカスタム、乗り込まれて出たバッグやフレームの味がめちゃ格好良かったので改めて写真を撮りました。
CRUSTには珍しいややオンロードに比重を置いたロートレイルフォークのランドナー。ドロップハンドルは高めに設定、前傾でないポジション。普段着私服でもパッと跨がれて快適なバイクを目指しました。
フロントはハブダイナモからエネルギー給電、フロントライトを光らせるだけでなく、
リアまで這わせて前後ダイナモ。充電レス電池交換レス。走れば光る、楽チンの極み。
大きめサドルバッグスタイル、zeitgeist saddle bagとライトが被らないようにキャリアの先っちょに仕込みました。
美しいな、VBC CRANK。
コンポはCAMPAGNOLO、今まで乗ってきたバイクと違うチャンネルのバイクになりますようにと、操作感新たに馴染ませていって欲しいので。フロントはあえてダブル2枚刃。昨今フロントシングルで事足りますが、ガチャガチャ操作する感覚、ギミックやスイッチは多い方が興奮する男子の心。
随所、溶接ロウ付けの真鍮色が透けるフレームに合わせ、ブラスのパーツを。このへん、ステムバッグのワッペンDIYはオーナーさんの感覚。こういうのって口で説明できないというか、自分色に染めていく、汚していくのがお上手な人って格好いいと思う。
その日の荷物、トートバッグごとガサッとサドルバッグに放り込んで、携帯財布、ポケットの中身はステムバッグにポイポイ、いつものジーンズにスニーカーで、オフの日もオンの日も乗れるバイク。
良いです。
お次。もう1台ご紹介します。
*RIVENDELL* A. homer hillsen (54.5)
現RIVENDELLラインナップで一番軽やかで、走る・進む、彼らが「カントリーバイク」と呼んでいる現在での「グラベルロード」「グラベルグラインダー」に当てはまる(らしい!僕は別のものに感じるけど!)バイク。
とはいえRivendelは、各モデル特徴や長短所あれど、SURLYや他のメーカーほどモデルごとの役割分担がされていません。語弊のある極論を言うと、組み方、使い方次第ではどのモデルでも同じように使うことができたり。
こちらのオーナーも、このHOMERが一歩リードながら初めは他モデルと比較してご検討。フレーム残り少ない名車Sam Hillborneや、前者らよりマッスルなオールラウンダーAtlantis とも比べてもらいました。
決め手になったのはオーナーとのMTGの中でお話に出た「スニーカーのような軽やかさ」。
グイッと手前に戻ったのんびりバーで、ブーツのように重厚に組ませていただくことの多いRivendellですが、ポジション高めのドロップハンドル。フルアーマーで積載が得意な感じではなくって、機動力も意識したバイクが良い、とのことでこのフレームに決まりました。
バーテープは*BLUE LUG* acrylic cloth bar tapeの色は「スレート」、元はかすれたブルーです。セラックニスで2回閉じ込めてダークトーンに。使えば使うほど色味も風合いも変化していきます。
ブレーキのケーブル受け、スレッドステム用の22.2mmハンガーもあるのですが、ステムの調整域を狭くしてしまうので、今回はあえてアヘッドOS用のサイズのものにシムを入れてヘッドセットの中に組み込みました。
ピョーンとのびたブレーキケーブルはPAULのRACER BRAKEを引くことになります。
僕は一番美しいリムブレーキだと思う。オーナーも序盤でこのブレーキがキーワードだったよう。現行のVブレーキのシューが使えるので効きも良いです。ひきの軽さも無段階で調整できるのも良いところ。
そしてあまりRivendellのバイクにはやらないのですが、タイヤはチューブレス。漕ぎ出し軽く、タイヤのモッチモチを感じることができます。これもテーマが「軽快さ」と言うところから。
デイリーバイクには適さないと思いますが、オーナーがお持ちの他のバイクで扱いに慣れてらっしゃると言うのもあります。
マナー全開にクラシックに寄せすぎない、と言うのもご要望の一つ、AARNのチェーンリングでネオに、フロントシングル。操作の手間を減らして軽快に。
余ったバーテープはチェーンステープロテクターにしました。(バーテープのニス塗る前の元の色がこれです)麻紐巻きの部分だけセラックで閉じ込めてあります。ピョコンと触覚を残すのは僕のマイブームであって深い意味はないです。9sのリアメカはアームの力が弱いのでチェーンが暴れやすく、意外に活躍します。
オマカセいただくと僕が直ぐ引っ張り出してくるこのリアメカ、大好きな9速XTもいよいよディスコンです・・。なるべく在庫確保しましたがもう残り少ない。悲しい。手元がバーコンでライン上にアジャスターがないので、先っちょにRitcheyの後付けアジャスターを仕込んであります。
サドルはBROOKS SWIFTご指名。意外と座面が狭いので、お尻荷重になることが多いRivendellに普段はSWIFTをお勧めすることはありませんが、このHOMERならドロップハンドルでスピード感があったので大丈夫かと思います。
自分が太めのRiv、CLEM SMITHに乗っていると言うのもあり、少し細みで颯爽と走るこのHOMERは組んでいて試乗させていただいて、かなりグッときてしまいました・・・自分が欲しい。踏んだらスッと出るRiv。
自分好みのニュアンスを入れさせていただいた2台で、書きたいこといっぱい、長めになりましたが本日は以上。格好いいバイクを組ませていただいて、本当にありがとうございます。
どちらも新品で綺麗な状態より、乗りまくっていじりまくって姿変わっていったらもっともっと格好良くなるバイク。今後の変化も見たいのでカスタムご依頼の再ピットイン、いつでもお待ちしております。