こんにちわ、タニです。
個人的な話、最近シングルのバイクに乗る日が多くなりました。
”シングルのバイク” = ギア・変速機のない1スピードのバイク。
「シングルに回帰する」
なんつって僕はギア付き変速機大好き人間、一夫多妻制推進過激派の浮気野郎なので、ギア付きも好き。どちらか一つに絞ったりはできません(シングルだけハードコアに本当に愛している人たちには頭上がりません)
でも今はシングル乗りたくて、自然と朝選びます。僕の場合はSTEAMROLLER。
季節的なもので、薄着になってくるとシングル乗りたくなるって言うのももちろんあるけど、
今の時勢、人混みを避けたり(元々それが苦手で自転車に乗っていますが)自転車の上で ”独り”っていう最小単位になれる感覚、これがシングルのバイク、トラックバイクは特に強く感じられるところが、好きです。
またよく起こる奇々怪界な事象で、ここ最近言い合わせてもないのに面識のない複数のお客様達が、同時多発的にSTEAMROLLERを気にされていて、お問い合わせいただいたり、お店でその話になったり、SNSで発信していたり。各々の脳が見えない座標で繋がっているんじゃないか、とを思うほど同時多発的に。同じもの同じタイミングで嗅ぎ取っている人がポツポツと現れていて、ほんと始祖の巨人の座標のやつなんじゃないかと思いました。
今日はお客様の”シングルのバイク”チェック。そのSteamroller。
*SURLY* steamroller (53)
シングルでもギア付きでも組める万能CROSS CHECKとは違い、シングル一択。
原色の元気な”赤”じゃなくって、血のりのようなマルーンカラーを選ぶオーナーの感覚が非常に好みです。それを「27.5インチBMX」みたいなニュアンスにて。
シングルのバイクを組む時に一番の選択肢、フリーギアか固定ギアか。
スチームローラーの魅力は、固定でピストな成分濃い目としても、フリーギアで自由に街を流せるクルーザーとしても、どちらの組み方でも様になるところ。ギア比は2.3前後にしました。
ホイールは本来の700cよりインチダウン、650Bにて。ホイール径を小さくしてさらなる太いタイヤをはめ込む旬なカスタム。タイヤ外径はさほど変わらずなのでBBハイトやスタンドオーバーは気にならない範囲。
といってもSteamroller、700のままでも35cあたりまで履ける構造。これピストで考えたらまずありえない太さ。35じゃ足りないよ!って方は650で組みましょう。
自転車の原始的な最小公倍数というか、ただ後輪にチェーンが1本掛かっていて、漕いだ分だけ前に進む。シンプルで単純な構造がシングルの魅力。特にSTEAMROLERは「移動の道具」はたまた「遊びの道具」そんな言葉をイメージして、粗野に単純に脳内構築すると良いかもしれません。
お次もシングルスピード。Steamrollerとの共通項含む、けれどもとっても別のフレーム。
*MASH* steel (XS)
Steamrollerとタイアクリアランスや汎用性で比較されることもしばしばだけど、乗り味とステアリングは全くの別物。シャキンとシャープなSTEEL。
随所に使い込まれて味の出たトラックバイクパーツが見受けられるのは、このバイクが載せ替えビルドであるため。昔乗っていたピストから使えるパーツはサルベージ。
当時、競輪バイクをたっぷり乗り込んだオーナー。そのあとギア付きのサイクロクロスフレーム(HUNTER!)を手に入れてそこから数年。
昔使ってたトラックパーツを活かしながら、今のライフスタイルに合うバイクを、とSTEELを選んでくれました。競輪→HUNTER→STEELでコミューター、という遍歴も西の現地の人みたいですね。
ガシガシ通勤で使いたい、とのご要望。フロントラックはマスト。自転車に荷物を持たせて自分は手ぶらで、のスタイル。シレッとHUNTERのハンドルなのも、オーナーのルーツ。
余談ですが、このオーナーがボロボロに味の出たR.E.load bagをこのラックにストラップでくくって乗っているのめっちゃ格好いいです。
ほったらかしでもよく回る、高耐久PHILWOODの回転部。
自転車屋で働いてて壊れたところをいまだに見ないKINGのヘッド。酷使していくこと前提で長寿命のパーツたち。
「またピストに乗りたいな」という衝動と今の気分、使い方を混ぜ合わせたすごく格好いいビルドだな、と思いました。
きっとまた使い込んでボロボロにして、納車のこの写真より格好良くなってピットインしてくれるんだろう。カスタム、メンテナンスはいつでもお持ちください。
本日は2台のご紹介でした。
ファーストバイク、2台目のバイク、最後に行き着くバイク、その全てにシングルスピードのバイクは当てはまります。食べ物で言うと、ゼリーですかね?別腹です。ゼリーではないですね、ちょっと思いつかないですが、同じ自転車でも、ギア付きとは全く違う存在です。
以上谷でした。