今日は上馬店で組ませていただいた、お客様のナイスバイクをジロジロと見る行為、すなわちカスタマーズバイクチェックをします。

誰かのバイクにあなたが組みたいバイクのヒントが隠れているかも?
*SURLY* cross check(54)
*SURLY* cross check(54)

乗る人に合わせて変幻自在、クロスチェック。このたびのオーダーは、シンプルにシングルスピードでのご依頼。
*SURLY* cross check(54)
あったら便利なんだけど、付いてたら小難しくもある変速機能を全て取っ払い。登りでも下りでも1スピード。ギアは1枚明快に自分次第。
*SURLY* cross check(54)
構成パーツ数が好くなるのでトラブルが少なかったりメンテ性が良かったりします。念のため多段ギア対応のハブを仕込んでいるので後々ギアード化可能です。もしかしたら数年後ロングのツーリングに行きたくなるかもしれないし、お引越ししたら坂が多い通勤ルートに変わるかもしれない。そんなときは後からサッとギアつけちゃいましょう。
*SURLY* cross check(54)
SURLYは元からの塗装の特性と、クリアで閉じ込めていないデカール故にカスタムペイントで色を変えちゃうことが多いのだけど、このオーナーはシンプルにブラック、デフォルトカラーの強靭なパウダー塗装を活かして組みました。その中にモノアイ一点、CHRISKINGのヘッドセットは強い色を。

組む前からキーワードとして決まっていたのはハンドル、b903 bullmoose bar
*SURLY* cross check(54)
OLD MTBやそれをルーツに持つRIVENDELLオマージュなステム一体型成型。made in japanで屈強に溶接されていてクランプ部のズレも気にせずグイッと振り回せるハンドル。一見攻撃的ですが実は突き出し量が絶妙で、フレームサイズがあっていれば自然とポジションが馴染む名作ハンドル(是非使ってみてほしい!)
*SURLY* cross check(54)
フロントには*SURLY* 24-pack front rackを。その名の通り24缶サイズ。これにストラップでいつものカバンをボスンとくくりつけちゃいましょう。
*SURLY* cross check(54)
ちなみにこのオーナー、奥様もクロスチェック乗り(奥様号も素敵→コチラ)。カスタム性幅広い車種なので、お二人でどこかにサイクリングに行くたびに必要な姿に変化していくんだろうな〜と想像します。

お次もSURLY。女性オーナーにお組みした女子チャリ。
*SURLY* long haul trucker(42)
*SURLY* long haul trucker(42)

旦那さんもSURLY乗りの奥様にお組みしたファーストバイク、乗り慣れない初めてのSURLY、初めてのスポーツバイクなので普段の生活の中で、不便がないようにご本人のご要望と擦り合わせながらアレコレ仕込んでみました。
*SURLY* long haul trucker(42)
まずはバスケット。ショッピングだったり、日々使うバッグや荷物を自転車に持ってもらう。男子だったらデカめのバックパックやメッセンジャーバッグで事足りますが、女性はなるべくいつもの格好、お気に入りのバッグのまま乗りたいですよね。

足周りも女性にアジャスト。ギアを覆い隠すバッシュガードはズボンをチェーン汚れから守ったり、ゆったりズボンの巻き込み防いだり。
*SURLY* long haul trucker(42)
そして坂道で助けてくれる変速機能は必須だけど、左右の手で操る多い枚数のギアはちょっとハードル高い・・なのでフロントシングルにしました。これで変速レバーも右だけですっきり簡単。普段ピット修理でも、女性のお客様に「そもそも左のレバーは触ったことない」なんてこともあります。使わなくてわからない機能は外しちゃおう作戦。
*SURLY* long haul trucker(42)
そしてこのバイクのハイライト、HONJOのアルミフェンダーのマッチペイント。バイクMADE IN JAPANのアルミフルフェンダー、ワンオフでこのバイクのために穴あけ、加工してフレームと同時に同色でペイント。
*SURLY* long haul trucker(42)
オーナーが望む機能を叶えつつ、オーナーの好みを満たしつつ、他の自転車好き、SURLY好きにも「やばー」と言われたい。そこは僕らメカニックのお仕事。
*SURLY* long haul trucker(42)
そして改めてこのLong haul trucker、自立するスタンド、ドロヨケ、前かごを難なく両立して付けられて、小さなサイズから設定もあるので女性のエブリデーバイクには最強のフレームだな、と思います。

最後はピスト、トラックバイク。
*FAIRWEATHER* track(L)
*FAIRWEATHER* track(L)

このフレームを選んでいただくオーナーの多くは、シンプルで引き算な美しさがフェチな人が多い。きっと自転車以外にもそういう美学を持ってモノを選ぶ選美眼みたいなものを持っている人が多いと思う。このオーナーもきっとそういう方!
*FAIRWEATHER* track(L)
シングル専用設計のこのフレーム。構成パーツ数が少ないのでごまかしはききません。カラーや造形、好みははっきりお持ちだったので、シンプルで、雰囲気のあるもの。こちらはその好みを汲み取ってあとは乗るのに不便がなく快適に思っていただければOKでした。

クイっと弓なりの*SOMA* noah’s arc bar、このハンドル、かなり昔からあるけど魅力変わりなくずっとあるパーツの一つでどの時代のバイクにもつけている印象があります。すでに昔完成されていたってことなんだと思う。
*FAIRWEATHER* track(L)
このフレームのハイライト、フィレットブレイズのシートクランプ周り、トップチューブとのギャップ。革サドルで有名なBROOKSの「全天候型ノーメンテナンス布サドル」CAMBIUM。雨ざらしにして型崩れがある革サドルのデメリットの心配なしです。
*FAIRWEATHER* track(L)
トラックフレームのブレーキにはCAMPAGNOLOのブレーキセットをお勧めすることが多いです。こんなに美しいのにいつの間にか他のメーカーさんが値上がりしてリーズナブルになてしまったのが理由。格好いいのに。クイックリリースが付いていないのでネジネジ調整するアジャスターを仕込むのがポイントです。
*FAIRWEATHER* track(L)
*FAIRWEATHER* track(L)
ペダルは*MKS* sylvan touring next、日本が誇るMKSペタルの上位グレード。美しいハンドポリッシュ(手作業!)とトゥルトゥルのベアリング。触ったことのない方は是非お店で実物トゥルトゥルして欲しいです。
*FAIRWEATHER* track(L)
しなやかに、少しの足の力でググンと進むトラックバイク。ギアなくても大丈夫??って不安がある方は是非店頭で軽い車体を持ち上げてみてくださいね。乗るとその軽さはもっと顕著、上り坂でも背中をググッと押されているような、これならどこへでもいけるって感覚を味わっていただけると思います。

ご紹介した3台、実は「ファーストバイク」にフォーカスしてご紹介してみました(1台目のクロスチェックは小径車をおもちのオーナーなので厳密にはセカンドバイクファーストSURLYだけど)。

よくお店で「自転車初めてなんですが」「初心者が買っていいかわからないのですが」とお声おかけいただくことが多いです。声を大にして言いたい。いえ!ブルーラグは変なお店で、奥の方にすんごいマニアックなバイクもあるくせに(世界に1本しかないフレームとかね)異様に初めてのお客様のバイク、ファーストバイクを組ませていただくことがめちゃ多いお店です!と。

もしもこれから自転車を組みたい方がいたら、是非ブルーラグバイクカタログにダイブしてみてくださいな。きっと好みのバイクが潜んでいますので!