幡ヶ谷店のメカニック達の作業を切りとってお送りしてきた「Today`s HATAGAYA MECHANIC。」

2月最後は金子がお送りします。

いつも完成車、カスタムでのご相談をお受けしている時に気を付けていること。

それはカッコイイだけを押し付けるだったり、性能だけを押し付けるようなカスタムをしないように、そう思ってお話しをしています。

バランス良くって事です。

向こう側のあなたも覚えがあるかも。僕はこんな事をお客様に聞いているはずです。

あなたのこのバイクは、どういった時に、どんな格好で、どういった場所に行くために、どんな気分で(これ重要)乗りたいですか??

この質問の答えが、僕がお客様にしっくりとした自転車を組むためのヒントになっていて、

お渡しの時に、ああ、なるほどいいですねと言ってもらえた時が最高に嬉しいのです。

もちろん期待にそぐえなかったこともあるし、後になって、あれはこうしていたら、

もしかしたらもっと良かったんじゃないかと思うようなこともありました。

それが積み重なって今があるし、昔に比べたら視野も広くなって色んなニーズにもこたえられるようになってきたと思います。

多分どこの店舗の人間もそうやっているだろうし、わざわざ書かなくてもいいようなことなのかもしれないけど、

でもこれから紹介するバイク達もそうやって組まれてきたものだから、それをより良く分かってもらえればいいなと思って伝えてみました。

何だか急にハードル上がった感あるな…。あとむず痒くなってきた。

という訳でいきなりいきます!!まずは大大大好きスチームローラーから。

納車したての頃は、こんな感じでビュンビュンかっ飛ばせるバイクにしたいと、前のめりな姿勢なバイクだったのですが、

いや待て、シングルギアでカゴとスタンド、それってトラブルしらずな最高のデイリーバイクが出来上がるのでは??

という考えに至ったそうな。(ちなみにこちらのお客様は、砂利道ガンガン攻めれるギア付きクロスチェックもお持ち)

荷物を積むなら早さはある程度犠牲になる。だからいっそのこと、タイヤをもっともっと太くして安定感を増したバイクにしようと、僕の提案するスチームローラー650b化に賛同してくれました。

ココがキモなんです。(秘密はこちらをクリック♡)

夜遅くに帰ることもしばしば。ならばこれでもかっていうくらいに安全面には配慮したいところ。

KNOGの新作「PWR TRAIL」という最強クラスのライトはもはやオーバースペックなのですが、

こちらはパワーバンクと言って、各種ケーブルさえ持っていれば携帯充電器としても使えます。

デイリーにプラスアルファでエマージェンシーにも対応できてしまう。

お選び頂いたのはそこまで見越してですよね??

ここからは趣味色が強くなってくるかな、WHITE INDSTRIES製のパーツはプロダクトフェチな人だったら誰しもがおおう…。と唸ってしまうような美しさと機能美を持っています。

フリーコグもクランクも歯数にバリエーションがあるので、用途に応じて選べるから、もし困ったら相談してみてください。

街乗りだったらこれくらいだし、山遊びするならこれくらい、かっ飛ばしたいならこれくらいかな??って調子でね。

ホイールをインチダウンしたのに不自然じゃない。でも前より少しヤンチャ。すごくカッコ付けさせてもらったと思います。

あれ、スチームローラーあるけどマンネリな感じ…。しまった。さてどうしようとなってる方はぜひ参考にしてみてください。

次!!

お正月にお持込頂いたオーバーホールだったのですが、こんな風になりました。

ハンドル周りが漢らしいですが、女性のお客様の通勤バイクにもなっているそうです。

お持込頂いた時は、以前事故をしてしまったらしく、フォークが少し曲がった状態でピットイン。

SURLYの強みって、フレームに関するアフターパーツもしっかりしてくれているところ。フォークもその一つ。

幸いフレームには見たところ致命的なダメージが無い。流石SURLY。差し替えて復活しました。

色は選べずブラックですが、それはそれでイジッた感が出てカッコイイとも思います。

元々は何もついていなかったフロント周りはデイリーバイクの定番M-1RACK×WALDの黄金コンビ。

普通にWALDを付けない理由は、実は少し頑丈で、ある程度重い荷物を乗っけてもグニャグニャカゴが振られないから…。

チラ見えしているライトはSCHMIDTのオシャレなライト。お色で遊んでくれたのが凄い良かった。このバイクのチャームポイントになっています。

クランク辺りに注目してください。実は、チェーンリングガードを付けて裾を汚れから守る役割を。

ホリゾンタルバイクだからある程度は動きやすい服装でお願いしたいけど、せめてパンツを守るお仕事は担いたい…。

ハンドル周り、ブレーキ関連、使える場所は出来る限り使いました。むしろ替える必要を感じないイカしたパーツばかり付いていたというのもありますが。

デイリーに使うって、実は「めんどくさいを取り除く」がキーワードだなと、最近のワタクシめは感じます。

どこでもすぐ停められて、荷物ボンっと乗っけられて、走り出したらライトついて、鍵もワンタッチ…。あれ??ママチャリ??

街中見てて、利便性において本当に最強だなママチャリ!!って思うし、

同時に僕たちが扱っているバイクの意味とはと自問自答する時があります。

僕はママチャリじゃやっぱ物足りない…。そして来てくれるお客様もそうなんだよな…。何故だろう??

そうか、自転車にだってオシャレしたいっていう事です。イケてるバイク乗って街を気持ちよく走りたい。

だからBLUE LUGで自転車を組んでいるんだなと急に腑に落ちました。これで良いんだ。

あれ、締めの言葉っぽくなってしまった。もう一台あるのに。

これだけは書かせて!!年始一発目の結構ぶち上がった作業!!

KUMO CYCLESというオーストラリアのハンドメイドバイク!!

これを、

ざん!!

ざざん!!

ざざざん!!

めちゃめちゃテンション上がった。そして何よりこのバイクすっごく気持ちのいい走りでした。

最初の写真撮っておけば良かった…。レーシーなロードバイクなパーツで組まれていたんです。カーボンホイールでキャリパーブレーキ的な。

これをお持ちのSさんはトラックバイクもダートツアラーも持っている自転車偏差値高めな同い年。

そんな彼がこれを買ったと知ってぶち上がり、こうしたいんだよねっていう相談内容が結構ツボでまたぶち上がり。

そんな彼と激しいディスカッション(特にホイール)の末、形になった一台です。どうですか。気持ちよく乗れていますか。

このバイクだから、このパーツが似合いそう、そんな部分が僕にはありました。

このハブ。WHITE INDSTRIESのt11というロードハブです。

Sさんの考えではやっぱり頑丈なPHILWOODのハブで!!とのことだったのですが、

僕は初めてこのバイクを見たときから何となくWHITEを付けたいなーと感じていました。

少しでも軽くした方がこのバイクのスタイルに合ってる気がしたり、

ハブの回転が軽い方がこのバイクもっと気持ち良さそうとか、

そんな風に思ったことを包み隠さず伝えて、お話していく内に、それならということでこちらに決めてくれて、このバイクが出来上がりました。

見た目だけじゃないはず。是非乗りまくって、感想を聞いてみたいです。

と、ここで今日はおしまい。

3月はどんなバイクが来て、どういう姿で旅立っていくのか。

楽しくお話出来て、なにそれやばいって言ってくれるような、そんな飛び道具や引き出しを用意してお待ちしたい所存です。

それでは。