これを観て喰らいまくったのが今年の夏のハイライト。クルー全員の攻めっぷりをみて、時にうるっとしてしまった。
上記のビデオはアメリカ西海岸、San Fransiscoのスケートクルー”GX1000″のフルレングスビデオ。

このビデオを見た僕の頭の中は 今SFでいっぱい。

SF…

嗚呼、SF…(我ながら影響されやすすぎ)

そんな神的タイミングでCalling In Sick Magazineでお馴染みのAdamからとある荷物を受け取りました。

お好きな方はもうご覧になられましたね?

そう。RivendellスタッフのWill氏が写真で着ているこのtシャツが入荷しました。↓二人とも嬉しそうですねぇ。

Calling In Sick Chef Chicken T-shirt

色は2色展開。

このちょっと具合悪そうな色合いのシェフチキンくんがプリントされたブラックと、

今夏の凄まじい暑さでフライドチキンの域を通り越してしまったような色合いのシェフチキンくんがプリントされたホワイト

このグラフィックは、Adamの友人でもありグラフィックデザイナーのJohn Woodsさんという方がデザインしたそう。
こういう友人同士が支え合って成り立っているスモールブランド/カンパニーには「僕もサポートさせて!」的なマインドで、どうしても惹かれてしまう。

(同じグラフィックのステッカーもあるので、そっちもチェックしてみて下さいね。)

肝心のボディはComfort Colors。てろってろじゃないけど柔らくて、着心地良好。
ヘビーオンスで、がっしりしたtシャツが好みの僕ら日本人はなかなか選ばなそうな質感でこれまた新鮮。

M, L, XLでの入荷していて、サイズ感はよくあるU.S.モノって感じのサイズ感です。普段通りのサイズを選んでもらって大丈夫かと思います。

Adam本人もこのボディをとても気に入っているみたい。

そんなAdamや、その周りのSFローカルが作ったChef Chicken tシャツは、既にBlue Lug各店のアパレルコーナーに並べてあるのと、オンラインストアにもアップ済みですので、気になっていた方は是非!

ちょっと前に入荷してすぐに売り切れてしまった“NOT A CRIME”ステッカーも若干色が変わって再入荷してるのでそちらもよかったら。

tシャツとは別に、デジタルな贈り物もAdamから受け取りました。

少し前にCalling In Sick Mag の最新イシュー、Issue 7の入荷があったわけですが、そこで使われなかった写真たち、いわゆる「未公開写真」をドバッと送ってきてくれたので、Calling In Sick Magazine愛読者の皆さんにもお見せしますね。

オレンジアパルーサ。買っとけばよかった。(Half Cabもかっちょいい)

奥の人はSpace Ageのファウンダー、Max Shapiro氏。
二人ともBlack MountainのMonster Crossがかっちょいい。Max氏が乗っているのは少し前のMonster Crossですね。一方、手前の方(お名前がわからない)はBlue Lugでも取り扱いのある”Kinda Blue”カラーのMonster Crossですね。

こんなん最っ高でしょ!

トレイルの途中で休憩。各々のバイクに跨ったままペチャクチャ。全世界共通の光景ですね。

Gus Bootsを漕ぐBram氏。ハンドルにはSiesta Store x Blue Lugのバッグ!(嬉しい)

San Fransisco名所、Twin Peaksの下り。絶景。

以上が、Adam Leibow氏からのSF reportでした。

 

ここからは僕の完全自己満英語お勉強タイムに入るので、ご興味がある方だけお付き合いいただけたらと思います。

Adamがコンパイルするこの”エキストリーム・オルタナティブ・サイクリングマガジン”とやらを、たくさんの方がBlue Lug経由でゲットしてくれて、彼らの世界観やムーブメントが好きな僕としては嬉しい限りなのですが、毎度引っかかる事があります。

どれくらいの人がAdamが書くアーティクルを理解しているのだろうか。

もちろん写真をパラパラ見るだけでも十分楽しめます。なんなら文字を読むのが苦手な僕も、初めはそうでした。

でも、ある日の休憩時間中に一つの記事を読んでみたらとても面白かったし、自転車乗りとしてためになる事が結構書いてあって、さらにCalling In Sickが好きになっちゃったんです。

この気持ちをもっとシェアしたい。みんなにももっとCalling In Sickを好きになってほしい!!

グローバルスタッフとしてできることは、言語の壁をぶち破ることッ!!

というわけで、Issue 4〜7の数あるアーティクル中で僕が個人的に一番気に入っている記事の翻訳をつらつらと書いてみたのでよかったら読んでみてください。

その気になる記事とはISSUE 6、ページ6〜17の”Ugly Ride” (醜いライド)。Table Of Contents (目次)の次のページからの記事ですね。

こちらは幡ヶ谷店の展示品。こんなボロボロになるまでたくさんの人に観てもらえて、Adam氏も絶対喜ぶ。

お手元にあるIssue 6を開いていただき、ページ6〜17の写真もチラチラ観ながら読んでいいただけたらと思います。

音楽を流せる環境にいましたら、Lee Oskarの”San Francisco Bay”を流しながら読んでいただけると、
より一層お楽しみいただけます。それでは参りましょう。


Ugly Ride – 醜いライド-

-page 8 & 9-

3ヶ月間、毎週のようにマウント・タム (タマルパイス山の略称)でライドをしていると、あの素晴らしい景色を見たり、大自然の澄んだ空気を吸っても何も感じなくなる。「自然の美」という名の注射を毎週身体に打ち込んでいると、初体験で得られたあの衝撃は感じられなくなる。なんなら少し退屈にすら感じる。
この世には「美」が多すぎて時々気分が悪くなる。たまには醜いライドってやつで気分を変える必要があるんだ。

工業地帯や倉庫街を走るのは”口直し”の役割を果たしてくれる。そして、思ってもみなかった場所で「美」を発見する能力を得ることができる。

一般的に醜いとされているモノから芸術的価値を見出すことは、古臭い哲学者や詩人、フォトグラフィを勉強する学生たちの間ではよくあることだ。

澄んだ空気と広大な景色に「さよなら」を言ったならば、どこを走るかは君の自由だ。

醜いライドの多くは、アーバンなエリアで行われるだろう。少なからず俺はいつもそういう場所を走っている。

自転車に乗って走っていると、毎日の生活で目に入るおかしなことの傍観者になれる。目には入るけど関わらなくていい。これはまさしく最高な場所だ。ハッピープレイスだ。

醜いライドでは、可視の自由が得られる他に、地理の自由も得る事ができる。通勤路の途中にあっていつも通り過ぎる”アノ”裏路地がどこに続いているか気になる。けれど、疲れすぎていてそのまま帰宅し、惨めなスパゲッティを喰らいながらドラマ”トゥルークライム”のエピソードを見ることぐらいの気力しか出ない。そんな経験はないかい?

そんな時は、いつもRaphaのコマーシャルごっこに割いている自由時間を使って、代わりにダウンタウンに向かい、腐った牛乳の混じった水たまりにスプラッシュしてみよう。何かいい事があるかもしれない。

俺が住んでいるサンフランシスコを例に取ってみよう。本当にキレイなライドがしたいのなら、ゴールデンゲートブリッジを渡ってひたすらヒルクライムをするか、猿の惑星(大自然)にたどり着く前に、南に30キロくらい走らなければならない。

-page 11 & 12-

俺には毎回そんな気力はない。特に頻繁に「美」を見ているとね。もちろん、”マリーン”の方に行けば新しいトレイルやルートがあるのは知っているし、この先何万回そこに訪れることもわかっていて、いずれはそこに乗りに行くこともわかっている。

ストラバのアカウントに表示させたいがために、そういったルートやトレイルをモグラ叩きにするのは一旦やめよう。「壮大なライドに行かねば」という使命感を押し殺して、空港までライドしてみよう。

俺らの場合、空港まではサンフランシスコのジャンクエリアからペニンシュラの綺麗な街を走る。これがまたとても醜い。

空港までのライドは本気で醜くて辛かった。でも、底辺を見れてよかったと思っている。時には引き返すことも必要だということを覚えたからね。

写真のシークレットインダストリアルビーチ(ページ13左下の写真)は、俺の大好きな(皮肉)運送会社の敷地だ。そこにはゴミが散らばっていて、空気は海のゴミ臭く、辺りには死んでいった産業機器たちが取り残されていて、醜い。

でも、そこには可愛らしい黄色いノコギリソウが生えていて、ミルキーブルーの海景色が、醜さを少し緩和してくれる。これはまさしく、”フォトグラフィ入門クラス”で出てきそうな景色だ。醜いけど、軽蔑するほどでもない。まだ救いのあるレベルだ。

(Rivendellの)Willがここで俺の写真をおふざけ無しで撮ってくれたんだ。なかなか良い出来だが、これは彼だからこそ撮れたものだ。彼の写真は最高なんだ。(13ページ右下)

-page 15-

(写真に写る)ここのpier (橋脚)で美しい景色が見られないわけではない。ただ週末のスタートにわざわざ、銃を突きつけられる場所で有名な所までライドをするのもなんだか不思議な気持ちだ。ここは釣りで出たゴミやカモメのフンで溢れ、なんだかよく分からないけど、きったない(幸い消毒されている)ステンレスの椅子に腰を掛ける事ができる、なかなかキモいpierだが、ここで過ごす金曜日の夜は悪くなかった。

この夜は、コイトタワーから眺める360度の絶景は気分ではなかった。だから俺らは、魚の内臓と鳥の糞にまみれたこのpierまできてHaig’sのフムスを食ってキウイのブーチクラフトを飲んだ。美しい夕日はプライスレスだしな。

多くの人は、自然や綺麗な景色を求めてライドをしたり、恋人とゆっくり走ってピクニック。みたいな「落ち着き」を求めるライドに出かける。
そういうライドは、確かに気持ちが落ち着く良いものかもしれない。だが俺は読者のみんなに、醜いライドで同じような気分を味わうことに挑戦してほしい。

俺にとって醜いライドで得られるのは、「良いものにしなければいけない」というプレッシャーからの解放。これが何より落ち着くと思っている。だって、初めから期待できないものには何も求めないだろ?

その「期待」が洗い流された時に、「良いものにしよう」と試みるライドでは手に入れることのできない「真実の自由」を手に入れる事ができる。その自由の中で持参したスナックは醜い景色とのコントラストになって本当にうまい。美しい景色の中では両者が競い合っちゃうからね。

ある日ワインについてのドキュメンタリーを観ていた時に、「匂いエキスパート」という人達が出てきたんだ。その人たちは、ワインに含まれた成分を嗅ぎ分けられるんだ。
そのドキュメンタリーの監督が作中で匂いエキスパート達に、今ハマっていることを聴くシーンがあったのだが、彼らはなんて答えたと思う?信じられないことに、彼らは「古い尿」と答えたんだ。

彼らはきっとそこにたどり着くまで数々の物を嗅いできたんだと思う。おそらく”普通な物”に飽きてしまい、新境地に行きたかったのだろう。

こんなことを言ったら変なやつだと思われるかもしれないが、俺は彼らの新たな楽しみを見つける姿勢には共感ができる。

俺はベイエリアに来てから色んな所を走ったし色々試した。6年間住んでやっと、醜いライドの楽しさを探り出した。
こうして写真を見返すと俺の友人たちも同じ感覚を持っているように見える。みんな新たな楽しみ方を探り続けて走り続ける。

君たちも見つけられるといいね。


いかがでした?

僕は東京に住みながら都会を走るのが苦手でした。車も人も多いし、空気は排ガス臭い。

Alt cyclingシーンに憧れているだけあって、ライドは人が少ない自然を走ることに限る。なんて思っていましたが、東京に住んでいる以上、輪行や車でワープをせざるを得ないし、それはそこそこコストがかかるしハードルも高い。

でも、この記事を読んで都会も都会の楽しみ方があると学べました。むしろ、Adamの言う醜い物の中にある「美」をはやくみつけたくなってウズウズし始めていました。

あれだけ嫌っていた都内のライドが少しだけ楽しみになっていた。またしてもAdamは僕に自転車の新たな楽しみ方を教えてくれたのでした。

やっぱり自転車は自由で最高だ。これでまた一段と自転車が好きになったよ。ありがとうAdam。ありがとうCalling In Sick Magazine。

てなわけで、次の休日は、なんとなくその辺をうろうろして都会のカオスをサドルの上から眺めるとしよう。

後半文字ばっかりで長々と失礼しました。

では。

-カーネル