僕がRitcheyのバイクが好きなのは、そりゃトムさんへの憧れだったりバイクそのものが合理的かつ見た目が美しいって理由は勿論なんですが、中で働いてる【ある人物】が好きっていう点も大いにあります。
僕は18歳で東京に上京してきて当時の例にもれずトラックバイク(ピストバイク)を手に入れます。
最初に彼を見つけたのはMASHかMACAFRAMAかCADENCEの広告か、はたまたSF特集の雑誌の中か。とにかく凄く印象に残りました。
彼の名前ファーガスさん。今はRitcheyでお仕事されています。元々はメッセンジャーを仕事にしていたのでSF界隈でのトラックバイクシーンで良く見かけていたと思います。
彼のライドシーンは派手なトリックとかは無く走ってるだけなのですが何処となくスマートで知的な印象を与えるライドシーンが僕にはとってもカッコよく見えました。(例えるならばサッカーでのヒールパスやバスケットでのビハインドパスが出た時につい「おしゃれー」って言ってしまう様な感じ)
それもそのはずで彼は生粋のサイクリストでありメカニックでもあるので当然ですね。
トラック競技は勿論ですし、近年ではブルべ(長距離ライド競技)にも熱中していて去年はあのPBP(パリ・ブレスト・パリ)にも参加して完走しています。1200Kmを66時間!っていう想像も出来ない速さで！
因みにこの時は今年発売されたRitcheyのMontebelloのプロトタイプで参加したみたいです。
察するに彼の意見や好みは近年のRitcheyの中でも影響が強いのかなって思います。まさかRitcheyがブルべに向けたバイクを発売するなんて思ってもいなかったし、ファーガスさん自身が欲しかったのかな?って勝手に想像したり。
https://theradavist.com/readers-rides-fergus-bishop-randonneuring-bike/
インスピレーションの元?になったのかなって想像する彼のBishopのバイクがカッコよすぎるので見て欲しいのと手に入れるまでのストーリーが面白いから翻訳かけて読んで欲しい。
https://bikepacking.com/plog/seven-shots-with-fergus-tanaka/
PBPに参加するFergusさんに密着したBIKEPACKING.comの記事も面白いのでオススメ。
この記事の中で、
「服装からペダルの踏み方まで、ファーガスは自転車に乗るときに自然な流れを感じます。この写真を見ると、第一印象が鮮明に思い出されます。街中で自転車に乗るのはダンスのようで、ファーガスは素敵なダンスシューズを履いていました。ある意味、アイススケートをしているように見えました。すべてが省電力でありながら非常に効率的で、私が見たことのないような流れがありました。」
と書かれており、僕が言いたいのはそうゆう事です。
そんなファーガスの顔が思い浮かぶフレームが入荷したので抑えきれずに手に入れてしまったのでご紹介。
*RITCHEY* garden city (S)
RITCHEYがトラックフレームを作るんじゃないかってのは風の噂で聞いていましたし、今年のMADEに行ったスタッフからブースにファーガスの私物が置いてあったって聞いていたので発売したら絶対に買おうと思ってた訳ですがこんなに早く出るとは。しかも限定100本なんて…
Garden Cityという名前はサンノゼのトラック サイクリング チームにちなんで名付けられており、リッチーからのファーガスを育ててくれたコミュニティへの感謝の気持ちを表すオマージュで作られたそうです。
(今は無きLOW BICYCLESでトラックを走るファーガス。10年以上前ですけど)
お察しの通りトラックフレームなのでフレームの説明ってのも特別無いのですがRitcheyがトラックフレームを発売したって事が僕にはとっても重要な訳で、しかもそれがトラックレース専用では無く僕の様に街中で乗るのに適した形状でボトルボスやフロントとリアにブレーキホールがある事、そして頑丈なフレームを出してくれた事が流石って思いました。
だって僕が当時ファッションやスタイルに憧れていたメッセンジャーが乗っている様なバイクを思い出させてくれる出で立ちだから。
自転車屋さんぽいウンチクを言っておくと「パラレルジオメトリー」と言って細かい説明は省きますが、つま先とフロントホイールのクリアランスを確保してるので久しぶりにトラックバイクに乗った僕にも安心感を与えてくれます。
ロードバイクの様なトラックバイク。ってニュアンスかな。流石はRitcheyデザインだと思わされます。
トラックバイクから好きになり今では沢山のバイクを所有させて貰ってる僕ですがGarden Cityは敢えてカジュアルに乗れる様にパーツBOXからかき集めて組みました。スペシャルなフレームですけどスペシャルなバイクにしたくなかったので。
メカニックとして知識や経験が増えてくると頭でっかちになりがちですが、乗り始めた当時は知識も無くただ乗るのが楽しかったから。(まあ節約したい気持ちもありますけどね。当時はお金も無かったし。75クランク買った時震えたもんな)
街乗りに必要充分で背伸びをしないパーツって言ったら聞こえは良いですが、見応えが無くて申し訳ない。
仲の良いお客さんから頂いたカーボン製のボトルゲージがお気に入り。
18歳で上京してきて僕も今年で36歳になりました。トラックバイクから始まり色んなバイクに触れて色んな楽しみ方を経験してきました。もうトラックフレームは買わないんだろうなーって思ってましたがこのフレームがもう一度乗ってみたいと思わせてくれました。お金も知識も無かったあの頃を思い出せてくれるエモいバイクです。
久々の固定ギアは若い子みたいに上手に乗れないし、通勤でも疲れちゃうけど何だかウフフです。
東京の暮らしの方が長くなりましたが、まだ「庭」っていうにはおこがましいですから、ファーガスの様に街中をダンスする様に走れる様になるのが目標ですし、彼の様にブルべにチャレンジしたいですね。
36歳。まだまだこれからですね。
改めて自分が好きで、しかも仕事にしている「自転車」に対して想い起こさせるそんなバイクになりました。
そんなGarden CityですがBLUELUGでも入荷出来たので気になる方は是非。
極少量入荷かつお問い合わせも既に多いので何卒ご理解頂けると幸いです。
これを機に他のRitcheyのバイクにもご興味沸いてくれたありがたい!ご相談はお気軽に。
(Montebello買おうか悩む~！)
