nbです。
先週末は熊本県阿蘇、くじゅうエリアで行われたRapha Prestige KUJUにTeam Blue Lugとして参加してきました。
Rapha PrestigeとはイギリスのサイクルウェアメーカーのRaphaが開催するライドイベントで以前はRapha Gentlemen’s Raceという名で行われていました。
グラベルを含む過酷なコースを5人のメンバーで補給からトラブルなどその道中で起こる事すべてを乗り越えていかなければならないというライド。
日本では2012年の信州が伝説の1回目として開催されその1回目に参加したことが僕の自転車の遊び方を大きく変えてくれました。
今までで経験したライドの中で一番キツかったのがこの信州。
キツかったけれでも5人のメンバーで支え合ったからこそ完走できたし乗り越えた先で見た素晴らしい景色は今でも忘れません。
Raphaのいう”Glory Through Suffering”そのもの。
この時の様子はどんな感じだったかはその時のブログを是非ご覧ください。
◆Rapha Gentlemen’s Race Koshinに参加した時のブログはこちら◆
自転車での遊び方を大きく変えてくれたきっかけが信州でのRGR。
日本という国には世界に誇れる素晴らしい場所があると再認識させてくれたのが3年前に行われた2014年のRapha Gentlemen’s Race Oguni。
今回と同じ熊本県阿蘇での開催でこのエリアの山々と道の美しさとダイナミックさにぶっ飛ばされた。
これはこの地を誰よりも愛するコースディレクターの丹野氏だからこそ作れるコースでこの男に惚れ込んだのもこの時。
◆Rapha Gentlemen’s Race Oguniに参加した時のブログはこちら◆
小国から三年。
またこの地で丹野氏によるコースディレクションでRapha Prestigeを開催すると聞いて出ない理由は無かった。
Team Blue Lugとしても今年の元旦から新体制でスタートしているしタイミングもバッチリ。
メンバーに「九州で丹野さんディレクションでRapha Prestigeがある」と伝えるとすぐにメンバー5人が集まった。
3年前の小国のコースを一人でトレースしチーム内で誰よりもこの地でのRapha Prestigeを走りたかったであろうカジ、3年前の小国の記事を見てロードライドやシクロクロスを始めたIKB、いつか必ずRapha Prestigeに一緒に出ようと話していた内閣、アドベンチャーライドの相棒しんぺーそして僕の5人。
気心の知れたメンバーだし走力も申し分なし、過酷なライドを何度もくぐり抜けている猛者たち。
何も言わずとも制限時間目一杯使って遊びつくしてやるぜ!と言っているんだからもう最高のRapha Prestigeになるのはこの時点で間違いないと思った。
当日まで期間も十分にあったので準備も完璧に整えることができた。
まずはチームキット。
Tomii CyclesのNao氏にデザインしてもらったTeam Blue Lugのシクロクロスチームキットをベースに半袖モデルへとアレンジ。
今回は縁あってBio Racerさんに作っていただきました。
ベルギーのナショナルチームが使っているだけあってカットと品質は間違いなし。
快適に走れたのもこのキットのお陰でしょう。
クロスレースと同じくキャップはTeam Blue Lug X Tomii Cyclesのオリジナル、ソックスはCADENCEでバシッと揃えました。
Rapha Prestigeといえばエントリーフィーの一つとしてチームお気に入りのビールをアフターパーティーに持っていくというのがある。
これも今回の出場にあたってタイミングがバッチリだった。
LUG Hatagayaの4周年で限定で作ったオリジナルIPAがちょうど3月に完成だったのだ。
僕の後輩が作ったりんごのジュースを隠し味に使って作られたものでそういう縁もあるし、本当に美味しいのでこのビールをチョイスしました。
(予約分で完売だったのでパーティーでこのIPA飲めた人は超ラッキー!)
準備編の締めといえばコイツ。
今回のRapha Prestige KUJUのためにニューバイクであるTomii Cycles “CANVAS”も用意した。
(このバイクについてはブログの記事を是非チェックしてください!)
◆TOMII CYCLES – CANVASについてのブログはこちら◆
出来る準備はすべて整え九州、熊本小国へ向かいました。
いよいよ僕たちTeam Blue LugのRapha Prestige KUJUがスタート。
前回のRGR Oguniでの失敗も踏まえ今回はイベント前日の金曜日に昼に現地到着。
スタート、ゴール地点である木魂館に着くと一気にあの時の記憶が蘇ります。
まずはエントリーを済ませ、送ってあった自転車を組み立てる。
久しぶりに会う友人たちにも再会出来てテンションはどんどんとあがっていきます。
バイクを組み立てるとちょうどMOZU COFFEEのみんながライドに行くとの事だったのでジョイン。
この日は身体をほぐす程度の短い40kmほどの大観峰をめざすライド。
そんな短いライドだけど走り出してすぐにこの絶景。
やはり阿蘇はスケールが違う。
感動と共に明日のRapha PrestigeはRGR Oguniとはまったく違うくじゅう連山をぐるっと回るコース、どんな景色が見られるのだろう?とワクワクしてきた。
大観峰を堪能した後は茶のこで休憩し締めに前回のRGR Oguniで通った名物のトンネルを走りこの日のライドは終了。
ライドをアテンドしてくれた吉村さん、ギスケくんありがとうございました!
そしてRapha Prestige KUJUの当日。
僕たちは10番目の6時18分スタート。
今回のコースプロフィールは136.4 km、獲得標高3372m。
グラベル区間は少ないものの路面の悪い舗装路に斜度のきつい坂の数々、それは超ハードな行程になるのは簡単に予想できたけどこの心強い最高のメンバーだから不安は一切なかった。
むしろコースディレクターの丹野さんの描くストーリーがどんなものなのかが楽しみで仕方がなかった。
そして遂に制限時間の12時間を目一杯使ってくじゅうを遊びつくすTeam Blue Lugのアドベンチャーがスタートした。
一発目から前回のRGR Oguniを走っている僕としんぺーはグッときてしまった。
そうなのだ、序盤の一部が前回と同じルートなのだ。
RGR Oguniの時とほぼ同じ時刻、時期、朝日の差し込む美しい小国杉を走る。
ああ、これは間違いなく丹野さんの引く道だ。
杉林を抜けると気持ちのいい牧草地が広がる。
面白い場所を見つけると遊びたくなるのが俺ら。
デビューアルバムのカバーフォトとイメージして遊ぶ。
どんどんと後続スタートのチームに抜かれていくがRapha Prestigeはレースではないので気にしない。
どれだけその中で遊んだかが僕たちにとっては重要。
もう少し進むと牧場が現れた。
阿蘇小国は美味しい牛乳でも有名。
牛たちがたくさん見えたので迷わず牛たちと戯れる。
牧場を過ぎてほんの僅かのところでまた面白いスポットを発見。
ちょうど1年前に起きた熊本の地震の影響でいきなり温泉が噴き出したんだとか。
噴き出すレベルが違いすぎて至る所に極上の温泉のある火の国の底力を見た。
この辺りから未知のルートが始まる。
そしていよいよくじゅう連山のエリアに入っていく。
標高1000mを超えるあたりで一気に景色が変わる。
それまでは青々としていた森から一気に黄金色の景色となる。
目の前にはくじゅう連山が聳え立つ。
景色の変化に合わせてメンバーの気持ちもどんどんと高まっていく。
空の青さと黄金色のススキのコントラストが美しすぎるので阿吽の呼吸で寄り道。
今回は新メンバーが加入し再始動したセカンドアルバムのカバーフォトをイメージして遊ぶ。
少々予定よりも遅れ気味だがCP1の長者原に到着。
ここで少し補給を入れる。
長者原のレストハウスにあるとり天串(350円)がボリューム満点かつ絶品なので近くに行った際は是非食して欲しい。
ここからはくじゅう連山の北側に入っていく。
小国とはまた雰囲気の違う林道で斜度と路面もどんどんとハードなものへと変化していく。
気温も高くなりボトルの水の減り方のスピードが上がる。
そんなタイミングで湧き水のスポットを発見。
これには本当に助かった。
温泉ももちろんだけど水もどこで飲んでも本当に美味しい。
たっぷりと補給し再スタート。
ほどなくして昼食を取れる場所を発見したので立ち寄ることに。
ちょうどお昼前だしこれ以降まともに食事できるところが無いのでルートを外れて日の出食堂という所へ。
が、超混雑のため入れず。。。(かなり美味しそうでした)
仕方なく向かいにあるローカルスーパーに入ったところなんと阿蘇のあか牛や黒豚を使った手作りのお弁当屋が内部に!
迷わずオーダーしがっつりとエネルギー補給を完了。
めちゃくちゃ安くてボリューム満点で美味しくてこちらも正解でした。
食後は少しミーティング。
この時12時でちょうど半分の69.8km地点、CP2は112km地点。
前半よりも上りがきつくなる後半で16時までに42.2kmだとCP2の制限時間が怪しいかもしれないのでペースアップすることに。
ここまでいつもは爆発するしんぺーちゃんが今回は大人しいのでそれも不安で聞くと身体にキレが無いと。
念のためここで前日に仕入れたとっておきのサプリメントを投入して進む。(これが後々火を噴く)
阿蘇やくじゅうエリアは広大な牧草地が広がる。
それはすべて同じ牧場が管理しているのではなく複数の牧場でシェアしているのだそうな。
そのため牧場専用の道が無数に走っているのだとか。
今回のRapha Prestige KUJUでは特別に通常は通ることの出来ないその道がルートになっている。
この道がまさにそうで目の前に見える山々が素晴らしく急いでいるのも忘れるほどだった。
この辺りでIKBの足に痙攣の兆候が。
少しでも走るペースを保ちたいのでサプリメントの補給と背中を押したりとサポートをする。
しんぺーちゃんもまだキレが無い。
良いペースで走り先に行っていた何チームかをパスしCP2に向かう序盤の山場を越える。
この辺りで遂にしんぺーちゃんが火を噴き始めた。
いつもの奔放さでグイグイと牽いて行ってくれる。
IKBも足の痙攣の兆候のピークを超えたようで足が回りだす。
こうなればもう不安は無い。
Photo by @yasushiegami
根っからのダート好きである僕ら。
念願のグラベル区間に突入し景色も路面も極上でテンションが更に上がる。
ちょっとした補給よりもグラベルのほうが効くのがTeam Blue Lugなのだ。
CP2への制限時間も危なくない所まで来れた。
今まで参加したRGRでもいつも感じることだけど後半にかけて出てくるチームのグルーヴ感がたまらなく好きだ。
今回は特にメンバー全員の脚が揃っていてその気持ちよさは格別。
そして制限時間に余裕を持ってCP2に到着。
ここで嬉しいハプニングが。
数年前に東京から地元宮崎に帰ってしまったうどんライドのメンバー鈴木のあっちゃんがなんと応援に来てくれたのです!
わざわざ4時間もかけて、さらにこの場所で僕たちを4時間も待っていてくれて嬉しかった!
差し入れでもらったレッドブルは格別に美味しくて本当にパワーになった。
あっちゃんありがとう!!!
残りはあと25km。
もう大きな上りは無くゴールが見えてきてこれまでのコースや景色も本当に素晴らしく少し名残惜しい気持ちも出てきた。
そんな話をCP2で会った丹野さんに言うと
「まだまだこれからヤバイのあるから!そんな事言うの早いよ!」と。
CP2の地点で標高が1000m。
そこからさらに上がってくると今までとまた違う景色が見えてきた。
空が物凄く近くなってきた。
まっすぐと伸びた道の先の頂上には丹野さんらしき人が見える。
これがさっき言っていた「ヤバイ場所」に違いないと気持ちが高まる。
最後の最後にこんなドラマチックな場所に連れてくるとは本当に丹野さんらしいな。
そう思った。
そこはくじゅう連山と阿蘇山まで見渡せる風力発電の風車が立ち並ぶ素晴らしい場所だった。
太陽が落ち始めたやさしい光で言葉に表せないほど綺麗な風景。
5人で乗り越えてきて最後にこの場所を見せたかったと。
後で聞いた話だけどこの場所も今回特別に許可をもらった場所なんだそうだ。
あとはもうゴールの木魂館まで下るのみ。
制限時間一杯使ってこれまでの余韻を楽しみながら、仲間と話しながら走る。
全員が口をそろえて言うのがコース上で一箇所もつまらない道が無かったということ。
それとダイナミックな景色の道だけではなく、静かな林道やグラベル、それらがメリハリ良く構成されているのでリズム感があって飽きないのだ。
それはストーリー的でもあるし丹野さんが以前DJをやっていたのを感じさせる。
僕も以前はDJやトラックメイキングをしていたのでそういうグルーヴが本当に好きだ。
だから前回の小国も今までのライドの中でトップ5に入っているし今回のRapha Prestige KUJUもその一つになったしさらにこの地が好きになった。
そんな事を仲間と噛み締め11時間53分でゴールした。
最高のメンバー、最高のルート、最高のロケーション。
たった12時間の中だけど本当に濃密で素晴らしい体験ができました。
チームとしての結束力も今まで以上に強くなったしまた一つ成長したと思う。
これからの僕たちの活動の刺激にもなったし面白いこともどんどん浮かんできている。
Rapha Japanの皆さん、コースディレクターの丹野さん、MOZU COFFEEの皆さん、木魂館、泊まる場所を提供してくれたアイザワさん、Rapha Prestige KUJUで出会ったすべての人たち、そしてチームメンバーのカジ、IKB、内閣、しんぺー本当にありがとうございました!!!!
Team Blue Lugはこれからも色々と活動していきますのでお楽しみに!
活動はinstagramアカウントとFacebookページで随時更新していますので是非チェック&フォローを!
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今回のRapha Prestige KUJUの写真はFlickrにもアップしてありますのでこちらもご覧ください。
◆Team Blue Lug’s Rapha Prestige KUJU Photos◆
HOLLA!