先日お客様に組んだCRUSTが唐突にグッと来た。
モデルはNOR‘EASTER DISC。アメリカ大陸の東を襲う嵐の名前らしい。
パッと見は伝統的な旅する自転車の趣き。そんな変哲の無いシルエットにPOPなグラフィックが入る、
合わさる2つの個性のギャップにまず興味を惹かれるバイクなのでは。
よくよく仕様を確認してみるとタイヤクリアランスに改めて驚かされる。
27.5×2.8インチのタイヤが入るツーリングバイクは数あれど、ランドナースタイルのフレームでこの太さが入るものはまず見た事ない。
その極太タイヤを履いて試走に出た時がある。渋谷区の裏路地ではあまり効果を実感できなかったが、
何だか安心で、何だか特別な自転車に乗っているような気分だった。
この“気分”というのは本当に大事よねとも思った。
とにかく、納車後もこのバイクがチラチラ思い浮かぶ日々が続いてる。
特別な気分になった理由を、このバイクチェックを書きながら解明出来たらそれまたラッキー。CRUSTのバイクチェックです。
The Nor’Easter is the outcome of blending a Romanceür-esque tube set with the clearances of the Evasion. Like the Romanceür it is perfectly suited for going out for a couple of day jaunt with everything you will need for a whimsical time, but with the cushy tire clearances of an Evasion.
Nor’Easterは、RomanceürのようなチューブセットとEvasionのクリアランスを融合させたものだ。Romanceürのように、気まぐれな時間を過ごすために必要なものをすべて備えつつ、Evasionの快適なタイヤクリアランスを備えた、2、3日の遠出に完璧に適している。
CRUST BIKESの説明にはこう記してある。
綺麗な自転車を思わせるホリゾンタル設計のフレームワークとラグ接合。フォーク、ヘッドチューブ周りは1インチのスレッド、
およそ80年前ぐらいに確立された旅行用自転車のディティールが今でも魅力的と捉えられこのフレームに反映されている事。
ハードコアな旅路の助けとなるディスクブレーキ、スルーアクスル。そしてMTBタイヤの太さを飲み込めるタイヤクリアランス。
現代のツーリングバイクには当たり前に欲しい要素もこれには盛り込まれている。
ご依頼頂いたお客様からの完成イメージと、このバイクを改めて調べてみて、
今昔のツーリングバイクをCRUSTなりにMIXした形と僕は理解した。
5年前の話だけど上記リンクのインタビューに発見があったので気になるのを抜粋してお伝えしたい。
先ず名前の“NOR‘EASTER”は、ハードコアなサーフィンをするアメリカ人ならば歓喜する嵐なんだそう。
こういう波を連れてくる嵐。サーフトリップをする中で生まれたCRUSTというブランドならではのネーミングセンスと再確認。
CRUSTのマットさん、どうやらSURLYのLONG HAUL TRUCKERにも乗っていた時期がある事も書かれている。車体見てみたい。
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最近友人が相談をしに来てくれて再認識したのだけど、NOR‘EASTER DISCはホイールサイズが700cにも対応はしているという事。
上記のCRUSTで売り出されていた車両も29インチホイール。言われなければ違和感に気付けないのでは。
・クラシックなディティール。故の程良く肩の力が抜けた乗り心地と見た目。
・要所が現行の規格のパーツが使える事の安心感。
・とにかく色んなタイヤ、ホイールサイズが使えるクリアランス。
グラフィックや雰囲気が好みならば、組み方の幅が多いこのフレームはかなり遊べる乗り物なのでは…。と思った。
このお客様の様にドロップハンドルでツーリングスタイルの組み方は普遍的だし、
My friendのバイクはコンフォートハンドル×ノビーなMTNタイヤでrough`n`toughな乗り物にしても良い感じだった。
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その2つを混ぜ合わせたNEO CLASSIC DIRT RANDONNEURなるものを作れるバイク。
色々出来る自転車と聞けば得した気分になる。でもそういったバイクも増えて来て、どう選べば良いのかも難しくなってきた気もする。
ならばそういったバイクにそれぞれ隠れている個性をちゃんと理解、認識して魅力を感じ乗れたら、組めたら、とても良い事なんじゃあないか。
そんな風に思ったフレームでした。
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それにしても気になり過ぎる。CANTIのモデルもあるのだけど、3インチ近いタイヤが履けるカンチブレーキの自転車という変態性が僕のハートに刺さってる。
組むか。組むしか無ぇのか…。
先日幡ヶ谷店頭で展示していたこのバイクが嫁いでいきました。
早速また新たな展示車を組みました。
前回と雰囲気の違うノリで…、悶々と悩んだ挙句、そのタイミングで入荷したハンドルが目に飛び込んできた。
このハンドルの“ortho”って歯の矯正という意味もあるのだとか。
緩やかな美しい曲線の中に、3つのグリップポジションを有する意外にneoなコンフォートハンドル。
この動画のライディングが興味を湧かせる。緩ーく乗りながら脇道逸れて遊びまくる。
本当にそんなガシガシ使って良いんか…、って思うくらい綺麗なハンドルだけど、
ROMANCEの兄貴がずっと温めてたアイデアが形になったものだからそう使うのがベストなんでしょう。
EVASIONにいつもと違うラックを使いたいなと思って何となく合わせてみたMASHのラック。ごく少量入ってきたALLROAD用のステーを使ったら出来た。
通常ステー加工して付けてみたかったけど少しジャンクな匂いがしたので一回自分のでやってみます。
EVASIONで履ける最大限の太さをインストール。schwalbeのG-ONE ALLROUNDの27.5×2.8インチ。
初見、太さとフォルムにテンションがブチ上がる迷タイヤ。いや、名タイヤ。でも真面目なイメージのschwalbeにしては遊び心強すぎ。
先述したNOR’EASTERもこの太さを飲み込む事が出来ます。
誇張しすぎたシティサイクル。的なノリ?ハンドルから自転車を生やしていったから、着地場所が…。
もし中2の時与えられたママチャリがこんなだったら、その年齢の流行り病を拗らせるかも。
俺はこの街をナツメグカントリーにするんだ。とか言い出して。
それでは。