このマークにドカンとやられちまった人間がまた一人。このバイクが出来たその日は嬉しすぎて真夜中の渋谷を駆けまわってました。
自分の自転車でこんな気分になったのは久しぶりです。今日は自分の自転車だけをこれでもかと褒めちぎるブログを書きます。覚悟してください。
この動画にある通り、以前乗っていたALL CITYのBIG BLOCKからほぼ載せ替えました。(2021年の新色も最高に渋いです。)
IFでトラックバイクをオーダー出来る事に現実味が帯びる前は、BIG BLOCKをずっと乗ろうと思っていました。
何もかもが丁度良く、自分的にトラックバイクとして受け入れられる多様性の幅(上手く伝わるだろうか。例えば程良く太いタイヤが入るところやブレーキの種類。)も同じ美意識でした。
乗り心地もトラックバイクのソレを存分に味わう事が出来たし、なにせ乗って分かる、これは絶対丈夫だろという安心感もあって、本当に申し分の無いフレームだったんです。
箱を開けた時からオイオイオイオイと興味を惹かれまくり。組み立てている時も。出来上がって試走している時に、「ダメだ、これはもう買う。」って確信しました。
この件に関しては本当に浮気者です。弁解の余地も御座いません。YOUTUBEのコメントに「BIG BLOCKがかわいそうだ。」というお言葉を頂きましたがホントそう。
でも申し訳ない。誘惑に勝てなかった。
「BIG BLOCKのココが自分にフィットしなかったんだよね。」っていうのが全くなかったからそのコメントが余計喰らいました。マジで良い自転車だったんです。ALL CITYというブランドも大好きだし。
自転車屋だからも勿論あるけど、興味や感覚欲、自分の進化に貪欲で居たいという気持ちがあってのオーダーと載せ替え。そう自分に言い聞かせています。
割と重めの思いの詰まった我がIFのTRACK BIKE。勿論固定ギアでガシガシ乗っています。
正式名称は「CROWN JEWEL TRACK」。ロードバイクのモデルであるCROWN JEWELのシングルオンリー仕様のフレームになっています。
これがCROWN JEWEL。採寸や乗り方の希望次第もありますが、実はTRACKとROADで若干ジオメトリに違いが出ます。
少しヘッド角が立ったり、BB位置が上がったりなど、ちゃんとトラックバイクとして味付けされているのが嬉しかった。
採寸の際は、このオーダーシートに様々な情報を記入していきます。自分の体型の寸法や乗っている自転車の寸法などなど…。
これを記入するだけでワクワクしてきます。
「RIDING STYLE」と言う欄があるのですが、僕はココにすごく衝撃を受けました。
真面目なことからふざけたことまでヒアリングしてくれる。この欄を埋めるだけで楽しめる。
今は組み上がった後の答え合わせ中。ああ確かにって言う場所がどんどん出てきてよりオーダーメイドとしての愛着が湧いてきます。
以前乗っていたBIG BLOCKのサイズを参考寸法に送ったので、出来上がりはほぼBIG BLOCK。
ですがBB、チェーンステー、フォークオフセットなどに微妙な変更があり、それが乗り味の違いとして反映されています。
第一印象は「まっすぐ」。これは以前に納車したIFの紹介でも書きましたが、組み付け時の精度の良さが走りにも影響しています。
下り坂乗らずにそのまま転がしたらまっすぐ走って行きます。多分。
そしてオーダーメイドならではの、乗った時のスチャッと感が凄かった。
採寸したから当然な事だけど、ここまで自転車が身体にフィットするのは初めてでした。
まっすぐ芯が出ている安心感でもう満足だったのですが、その感覚に感動し喜びも二倍。
載せ替えた感想だと、BIG BLOCKに比べ若干ガッチリした印象。
フォーク肩部分がユニクラウン形状(パイプを直接溶接してつなげている。BMXフォークなどでは一般的。)なので、フォークレングスは一緒でも捩れを感じません。
良いフィーリングの固さがあります。
ダウンチューブにガセットという補強溶接がされているのも要因の一つかもしれません。
うわぁと良い意味で感じたのはチェーンステーの長さ。ホイールを付ける位置で乗り物が全然変わりました。
写真のように少し後ろに引っ張った時はフレームのしなやかさを存分に味わえる、加速の伸びをビシビシ感じるフィーリングだったのですが、
逆に前にガン詰めしている今はBB辺りのガッチリ感を体感出来ていて、果たして自分はどの位置が好きなんだろうと模索しています。
シングルスピードのバイクでこんなに悩まされるとは…。
載せ替えなのでパーツ部分はほぼ使い回し。ですが良いものは何につけてもハマります。
お気に入りのパーツ達なのでどんどん愛着が湧いてくる。
他の自転車につけていたパーツ達もこれを機に大集合しました。
トラックバイクだけど捻くれたい自分はSTEVE POTTSのチタンのストレートバーをぶっ込みます。
このハンドルの走り心地もまた良いんです…。無い物紹介してもしょうがないんですが、角度も柔らかさも抜群。
再入荷求む。
ヘッドもこれを機にCHRIS KINGのベーシックな色を。
ステムはコレとフレームカラーが決まった時から決めていました。
ホイールも何気に組み直してDEEP-V。軽くはありませんが、ブン回すホイールならこれが今は小気味良い漕ぎ味。
俺がトラックバイクに思いを馳せたあの頃の感じを何周もした今表現しています。
二大上級コンポの競演も偶然に。
見慣れないチェーンリングはアメリカ出張の時に元ALL CITYのJEFFから頂いたKING COGとALLCITYのモノ。
BIG BLOCKでお世話になったALL CITYに対しての細やかなリスペクトです。
今はオーダー納期が不安定なこともあり大々的に言えないけど、ハンドメイドバイクは自転車好きになり過ぎちゃった人なら一度は試して欲しい。
好きになり過ぎた到着地の一つが採寸までするオーダーだと僕は思いました。
人にハンドメイドの価値をお伝えするのは本当に難しい。
けれど、IFは乗ってビビるぐらい物の良さが体感できる数少ないブランドの一つです。
しっかり作られた物は本当に良い。そのジャンルに対して価値観はそれぞれあるけれど、
心がこもったり、誰かが気持ちを入れて作ったものは感の良い人なら気付けます。
もう一つオーダーしてハッとしたのは、その昔トラックバイクが日本で流行った時に自分は数々の競輪フレームで街を走っていた事。
ブームでハンドメイドフレームという誰かの魂の結晶を使い倒していた事。今だから思うけど贅沢でモノの価値をちゃんと認識して無かったなと今だから気づきました。
自転車に対して乗り物だからという気持ちだけで携わってはいなかったけど、ますます各ブランドやビルダーに対してのリスペクトが深まったのが今回のバイクを組んでの気づきです。
乗り方はワイルドに行く所存ですが、リスペクトを込めて走っていこうと思います。
それでは。