ALLCITYのカラーリング、いつもペイントの元ネタがあるんだけど、ここ最近急に難易度が上がっている気がする…。

今日紹介するのはこのフレーム。新しいカラー2色がバツグンにカッコよくてつい紹介したくなりました。

ALL CITY “SPACE HORSE DISC”

via bikerumor

SPACE HORSE【宙“そら”を駆ける馬】という名前のフレーム、直訳するとすごく厨二っぽさがありますが、

初代は2011年に発売され、10年近く続くALLCITYの中でも長く愛されてきたフレームです。

*ALL CITY* space horse complete bike

*ALL-CITY* space horse

ファーストモデルはカンチブレーキ、このモデルの為に作られたセミホリゾンタルドロップアウト、

(昔のロードバイクとかでよく見る後ろに引っ張れるリアエンドの形状。)

を特徴とし、古き良きツーリングバイクを基にしたフレーム設計で開発されたそう。

我々はツーリングバイクとして組むよりも、日常使いのバイクとして組むことが多いフレームでした。

*ALL-CITY* space horse(55)

*ALL-CITY* space horse

ツーリングバイクなのにエンド形状のお陰でシングルや固定ギアで組める懐の広さがありつつ、雰囲気とジオメトリは伝統的なランドナーの装い。

そこにALLCITYのスパイシーでファストな感覚がガッチャンコした、今思えばグラベルバイクなどの先駆け的なフレームだったのではと、歴史を掘っていくうちに思えてきました。

 

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個人的な思い出としては、SURLYクロスチェックと同じようなフレームだけどなーと思っていました。

その当時ツーリングバイクとか全然興味無くて、今ほどジオメトリとかを気にしていなかった自分、

友達のを乗らせてもらったら全然違う乗り物じゃん!!こうも違うのかと、SURLYとALL CITYの違いをより感じたフレームでした。

当時シングルギアバイクのブランドイメージのあった「ALL CITY」が初めて作ったギアードバイクだったと思います。たしか同時期にMR PINKというロードモデルも発表されていた記憶。

(ALL CITY創始者のJEFF曰く、このバイクには特別な思い入れがあった様子で、それはモデルチェンジに伴うカンチモデル廃盤のお知らせのブログに色濃く書いてあります。→「END OF AN ERA…」)

*ALL-CITY* space horse disc (49)

*ALL-CITY* space horse disc (49)

(アメリカでALLCITYのライドに参加した時、身長150cmぐらいの女性スタッフが43cmサイズに乗っていたのが可愛かった。)

その後2016年にディスクブレーキヴァージョンが生まれましたが、各所設計はファーストモデルから変わらず、小柄な方にも楽しんでもらえるようにと小さいサイズが追加され、よりファンが多くなりました。

フレームサイズに応じてホイールの大きさも変わるようになったのもこの頃から。

小さいサイズでは650bサイズで、この頃からタイヤのバリエーションも増え始め、女性の方にもALL CITYを知ってもらえるようになりました。

*SURLY* disc trucker (52)

この頃は各ブランドがカンチブレーキからディスクブレーキに大きく変化していた時で、

ディスクブレーキはちょっとメカメカし過ぎるからカンチのままでいて欲しいなーと内心思っていました。

*ALL CITY* space horse disc complete bike

*ALL-CITY* space horse

制動力が上がったり、リムサイドが汚れなかったりと良い事尽くしなのは分かっていたけど、

リムブレーキ特有の見た目のクラシックさは唯一無二だからちょっと残しておいても…。って気持ち。(今も時折思います。)

*ALL-CITY* super professional (52)

そして現在、リムブレーキのバイクよりもディスクブレーキのバイクの方が圧倒的に多くなった今、

懐古趣味はありつつも、実用性はやっぱり大事で、このフレームがディスク仕様になったのも結果良かったなと思うこの頃です。

2020年に更にモデルチェンジ。今の形に至ります。

ディスクブレーキも進化し、よりコンパクトになったフラットマウントタイプのキャリパーが取り付けれるようになり、

ブレーキ制動力に大事な剛性を前後スルーアクスル化で実現。

ファーストモデルのリリースから変わっていない基本理念である「伝統的なツーリングバイク」のテイストは、

ディスクブレーキのモデルになってもオリジナルのラグやフォークベンド、細部にちゃんと落とし込まれています。

ハンドメイドに対するリスペクトがこういった細やかな場所にも表れているのも素敵です。

ALL CITYの中で「クラシカル」なモデル故に、走り心地はちょっとゆったり目なのではと思われるかもしれませんが、

この見た目と裏腹なキリッとした走り心地は要所のマイナーチェンジでより際立っています。

ツーリングバイクというには速すぎるんだよなというのが個人的なイメージです。笑

で、ちょっとびっくりしたのは2022年現在、なんとジオメトリは発売当初から変わっていないとか。

10年以上変わらないその設計は、ALLCITYの中で一つの完成系であり、自信でもあるのだと思います。

スペックは最新になっていくのに、雰囲気と設計は当時のままというロマンが伝わって欲しい。その姿勢がマジでカッコいい。

脱線してしまったけど、このフレームはALLCITYの中でも特別際立たないフレームだと思います。

派手なバイクや、各ジャンルに特化したフレームに埋もれているというか。

それでも作り続けている理由は正直わかりません。

でも、「ALL CITY好き」な人向きよりかは、「ALL CITYに興味がある」人向きかもなと感じます。

もしかしたらJEFFは、ALL CITYへの入り口の為にこのフレームを作ったのかもしれません。

終わりがクサくて恥ずかしいですが、新しいSPACE HORSEの紹介でした。

それでは。