タイトル悩んだけど一番伝わりやすいかなとこれを選んだ。
何の話かって?RIVENDELLのバイクチェックをしようと思っているところです。
joe appaloosa (51)
*RIVENDELL* sam hillborne (54)
RIVBIKEは、谷さんを筆頭に、松本さんやチューヤンさんなど各店の店長陣が多く組んでるイメージが僕にはある。
それは彼らが本当にこよなく愛しているブランドである事、各々が現場に訪問し観てきたリアルを、色濃く反映できる組み方を知っているから、
ご依頼くださるお客さんも安心してオーダー出来る、故に当然の事象だなと思う訳です。
*RIVENDELL* roaduno (51)
持ち帰ってきたそのバイブスをパイセンの背中を見て育つヤング達はしっかりとみている訳で、
僕らが組まさせてもらうRIVはある意味、ちゃんと伝統に乗っ取った形としてそれぞれのお客様の手に渡っている。
「伝統」という言葉、好きか嫌いかで言えば好きだ。
意外と思うだろうが、ある程度のしきたりが守られている事柄や物体には説得力があるものが多いと僕は思う。
その説得力が今日まで続いているのかと思うと胸が熱くなる。
ただ、時に伝統というものは長きに続く間で「慣例」に変化する事もある。この言葉は嫌いだ。
こうしておけばそれっぽい、こうであるべきなんだと伝えられた物事に説得力はあるのか。
もしかしたら自分達がやってきている事が、「伝統」が「慣例」に分岐するかもしれない、
こんな事を悶々と考えながらRIVを組んでいた。そして、1枚の写真を思い出す。
いつぞやか谷さんがRIVENDELLのHQに訪問した時の話、
ボスのグラントさんが、若いスタッフのバイクのグリップにニヤニヤしながらニスを塗っていた風景を観たそうです。
いたずら心だと思うし、もしかしたら親心かもしれない。聞いた時ゲラゲラ笑った。
なんだか、自転車を一番生物っぽく表現できる人がグラントさんだなと思ったし、
そのナマモノっぽさって第一は乗り手が作るべきだし、その力添えをする僕らメカニックの役割は超重要だなと思った。
今まで小難しく考えていた事はバカバカしくもあるが、でも乗り手を想像して組むという面では本質的で、
守りたいしきたりはここに有ったのだ。なんて仰々しく語ってみる。
個性のコピーで満足しないで、伝統を則った上で出せる個性を模索中です。
*RIVENDELL* a. homer hilsen (54.5)
で、僕はといえばRIVのリの字もない印象だけど、普通に大好きだし普通に組みたいです。
自分と喋った事のある人間だったら知っているかも知れないけど、一度RIVから降りてしまった男です。
(My first RivのFRANK JONES)
6年前の自分には、このブランド、バイクのコンセプトが充分に分からなかった。
自分には合わないバイクだなと手放しはしたものの、とにかく悔しかった。
魅力を純粋に自分は感じれてないんだと思ったから。
勉強と言っても良いのか分からないけど、
RIVにおける自分が興味のある事、僕が好きなフィーリングのバイクとRIVのバイクの違いとは、
何故RIVが生まれたのか、接客をしながら、組みながら、乗りながら、RIVに触れる度にアンテナを立てた。
スポーツバイクへのアンチテーゼなのか。と妙に腑に落ちる答えが自分の中に出来たとき、
RIVに対してのリスペクトと興味がブワッと広がった。
スピードとか機能じゃなくて、単純に雰囲気が素敵な気持ちの良い乗り物。
そんな風に自転車を考え抜いた形って思うと結構すごい事なんだよな…。
いつまで経ってもバイクチェックに進めないのでこの辺で急な方向転換。
以前CLEM Lstyleを組んだ事でRIVにハマった彼が次に選んだのが「A.HOMER HILSEN」
「あっちがゴツいならこっちはスマートな感じで組みたいね。」という相談を受けて、
ライトもバスケットもフル装備な快適車を目指した。
作ってる本人達曰く「ロードタイヤさ」という転がり重視のCAVAタイヤは、
HOMERはじめこういったCITY CRUISERにうってつけのサイズと走り心地をくれる。
R14バッグサポーターは荷台兼、長めのアウターを着た時タイヤに絡まないように付けたいんだよねという乗り手のチョイス。こういうの自分じゃ思いつかないから悔しいけど素敵。
前後共にダイナモライトを装備するのは本気のデイリーバイクの証だと思う。
SKSのフェンダーも日常のストレスを軽減してくれる大きな味方。
自転車に乗る際のひと手間ふた手間をこういったパーツ達が補ってくれる事で、そのバイクが本当に良き道具で相棒になるんだなと、乗り手とセットで俯瞰した時しみじみ感じた。
日々ガシガシ使うからこそ、といらぬ世話を感じた自分はグリップ部に御節介?イタズラ?をした。
とにかく転んだりしてもダメージ受けないように…と塗り重ねたニス、
握り心地よーくなーれ⭐︎と魔法をかけて貼り重ねた上部のコットンテープ。
可愛いかなと思って三つ編みしたセイルクロス。
納車時に「これ乾いてるの?」と聞かれるくらいテッカテカなグリップは多分気に入ってくれたであろう。
サドル下の小さなアクセサリーひとつで個性というかその人のものって感じが分かる。
こういうお手伝いをこれからも楽しませてもらいます。
*RIVENDELL* sam hillborne (48)
続いてSAM HILLBORNE。
初めてのRIVENDELLを組むとのことで携わらせてもらった一台です。
RIVの雰囲気をより引き立ててくれるのがラグ(フレームを繋ぐ接合部の事)のクラシカルなルックス。
店頭にて、バイクの前で立ち止まりじっと凝視してる方や、なんか惹かれちゃうと言ってるお客様と喋ってみると、
この部分にあてられている人が多いです。
こちらのお客様もそうだったようで、色も併せてアンティーク的な匂いが好みの方でした。
シルバーに輝くポリッシュのパーツ達。その狙った雰囲気を出すのには鉄板のチョイス。
もう少し出せる部分はないか…、!!
こちらのお客様にも言われました。「これ触って大丈夫ですか?乾いていますか?」と。
コルクグリップに幾重にも重ねたニスは、奥行きのある色合いと高級感のある艶を生み出せる。下手したら芸術品級のヴァイオリンのような見た目のグリップにもなり得るのでは…、
という可能性を教えてくれました。
それと防水性はかなり向上します。
少し長めだったライトのケーブルは、編み込んでジップタイで留めました。いつか違う組み方にした時にもったいなくならないように。(昭和家電風味もあると思いません??)
たかだかグリップひとつを丁寧に綺麗に仕上げただけかも知れませんが、
纏う雰囲気はなんだか変わるような気がしました。これも一つの魅力として受け入れてもらえる可能性が増したような。
グラントイズムをこんな風に昇華して塗るニスも僕はいいなと思った訳です。
最後はCLEM SMITH JR。
またグリップを変な事したのかね…、と思うかも知れませんね。
ええそうです。でもグリップのアップの写真は撮って貰えなかったので、是非目を凝らして見てみてください。
背格好も同じぐらいのお客様で、しかも自分が今欲しいRIVである、このCLEMのオーダーを頂いたので、
僕がもし今組むんだったら、こんな感じなんですけどどうですか?という提案を快諾してくださった形がこれです。
PASS AND STOWの5RAILラックがサラッとついているだけで渋い。
どうしても入ってしまう黒色に争わず、ポツポツ黒いエッセンスを入れて絶妙なところで…、を意識して組んだCLEMです。
なんというか、このCLEMってバイクには野郎っぽい匂いがする。
もちろん女性が乗りやすいように跨ぎやすく、安定感のある乗り物の設定なんだけど、
ちょっとワイルドだけどおおらかで、なんも気にしてないから逆にオシャレ。的な男性像が思い浮かぶ。
悔しいけど、またこの人の顔とバイクが思い浮かんだ。こういうことなのか。
タイトルの伏線回収は、グリップの件と、所詮グラントイズムからは逃れられない組み方をしてしまうんだという所が落とし所でしょうか。落ちてない気もするが…。
俺も今になってRIVがスーパー乗りたいです。
それでは。