CRUST BIKESのNOR‘EASTER。
今回展示車両で組む事になった。
ディスクかカンチか…、実は全然迷ってない。絶対にカンチで組みたいと思っていた。
このフレームのああだこうだは前回のブログを参照して欲しいが、
展示車なのにまた愛着の湧く一台が出来てしまったかもしれない…。ちょっと売れないで欲しい。
CRUST BIKES “Nor‘easter canti” 52cm
変態的とか実は一番狂ってるとか言ってごめん。組みやすくてとっつきやすい良い子だったんだな…。
フレームのグラフィックと相反して、走り心地と組んでるときの安心感が、
CRUSTのもう一つの顔を見せてくれた様で少しほっとした。
パイプ選びや特殊な仕様諸々、CRUST BIKESはピーキーなバイクだけじゃない。
いや、コンセプトはピーキーではあるかもだけど…。
1インチスレッドステムの、マウンテンタイヤが履ける、ツーリングバイク。
気が抜けてる部分、思い切っている部分がはっきりしていて、
こう組んでみたいんだというイメージがバチコンとハマるフレームな気がした。
つまるところ、僕はもうこういうバイクから離れられない。
だけどなんかこう、ちょっと違うんだよなってなるのはオリジナルの強さ。
そしてコレにはコレの可愛さがあるでしょ??
カンチブレーキモデルを選んだという事もあって、前は2段の後ろは9段のアナクロい感じで。
最新の物じゃなくてどこでも手に入りそうなハブや変速機、
家に転がってる色ガッチャガチャのパーツで組んだ風にしたかった。
(フロントシングル専用フレームらしいけど、このクランク&MTBのFDだったら組めた…!!)
密にどうしてもやりたかった組み合わせが、
DC980カンチブレーキとTECH5ブレーキレバーの組み合わせ。
果たして27.5×2.8インチのタイヤを止める事は出来るのか…。
ブレーキシューをkool stopに変えるというチートも使いましたが、
結果は想像以上。バッチバチにセッティングされたPAULに負けない効き。
多分レバー剛性が中々良き。OLDMTBなどでカンチ派の人で効きにお悩みの方は是非。
グリップはODIのATTACK。何気にGUMって無かった。
薄々気になっていた人居るかな。居て欲しい。
「その、ビーチクルーザーのようなハンドルが可愛いじゃないか」と。なんだねチミは。
“JAM BAR” is comin’ let’s jammin.
見た目も乗り心地も楽しいハンドルを模索し続けている私が世に放つハンドル第3弾。
その名も「JAM BAR」。
今回もNITTOさんのお力を借りて自分の思い描く形を実現することが出来ました。
曲げも、メッキ仕上げも美しいクロモリで出来たハンドルです。
きっかけはピットのゴミ箱。誰かが捨てたビーチクルーザーのハンドル。
拾い上げ向かう万力。力ずくで曲げ直して好みのシェイプを施したそれが、
このハンドルのスタート。
(昔のチューヤン君のブログにその曲げ直したやつで爆走してる写真がありました。)
フロントを持ち上げやすい、だけどビーチクルーザーみたいなルックスのハンドルが欲しい。
ただその気持ちだけでここまで来た。というのはジョーク。
世の中には超沢山のハンドルが出回っているわけで。
ドロップハンドル、ライザーハンドル、コンフォートハンドル…、
それぞれに進化や退化、素材や形も様々にこねくりまわされて今も僕らをワクワクさせてくれている。
そんな中で、“ビーチクルーザー”のハンドルってどこまでいってもビーチクルーザーのハンドル。
独自の、どんどん誇張されていく進化しかしてないんだなぁと、
Amazonとか海外サイトとかを見ながらふんわり思っていました。
で、俺の頭の中の自転車オタクが囁いた。
「もったいない!!そんなにキャッチーな見た目なのに。
君は磨けば輝くダイヤの原石なんだぜ。」と。
美しい弧を描くふくよかな曲線、そしてなんだかバカっぽい(誉め言葉)。
ライザーハンドルのマッチョでたくましい佇まいとはまた違う魅力を、
俺は、ずっと感じていたんだ。怖いでしょ。
そんな秘めたるポテンシャルのルックスを僕なりの今の気分にお色直し。
具体的には絞り気味な形をちょっと開いて幅を広げ、
横から見るとわかりやすい。HI-Barから抽出した、MTBライザーの好きな要素をひとつまみ。
グリップ部分をアップベンドさせて、ハンドルを引き上げるなどのアクションがしやすく、
アクティブなライディングでも反応良く動いてくれる形を目指しました。
少しハンドルを起こし気味で使えば、元気の良い動きとスタイルを味わえて、
逆にグリップ部を少し垂らして使うと、おっとりとした見た目のコンフォータブルポジションにも。
不変的な形に、2つの味わいを持たせれたことは思いもよらぬ良い誤算。
見る角度で変わる表情と、取り付ける角度で変わる性格を楽しんで下さい。
JAM BARの名前の由来は、幅のあるハンドルでジャマかも…というシャレと、
楽しいとかセッションするとかそういう意味合いの言葉がJAMだった。
違うジャンルのモノ同士を組み合わせて出来たハンドルを、
それをまた色んな自転車に付けてJAMして欲しいって想いを込めて名付けました。
7月20日(土曜日)より4店舗にて販売開始。
7月21日(日曜日)19時よりオンラインストアで販売致します。
MTBの歴史を掘る中で出てきたビーチクルーザーの影。
マウンテンバイクの始祖のカルチャーでは皆モーターサイクルのハンドルを代用していたというが、
絶対にビーチクルーザーのハンドルを曲げ直して使っていたやつが、必ず居たはずなんだ…。
という、
妄想溢れる僕のロマンがこのハンドルに8割ほど詰まっているという事も最後に記しておきます。
マウンテンバイクの進化のアナザーストーリーを一緒に楽しもうぜ…。
冒頭に紹介した車両の試乗がてらに、
ハンドル進化論を共に話さないか同志諸君。
それでは。