今年もあとわずか。振り返ってみるとマイブームだったパーツがあった。
それがこのクランク。その名は“IGNITE COMPONENTS”
ミドルスクールのアメリカンなMTB好きには堪らない、制作工程を想像してワクワクしてしまう切削痕が際立つルックス。
近年の主流でもある30㎜内径のBBに対応する極太シャフトを有するマッチョな作りで、
CRUSTのオンラインストアに載っているのを見てスーパー欲しくなってしまい、
私欲が主で幾つか仕入れさせて貰ったという経緯です。
先ず箱を見た時に唸った。なにも、何も書いてないよ。そっけなさすぎる。
世のガレージパーツブランドのこういう梱包大好きです。
アメリカの段ボールの独特の臭さを香り、彼の地に思いを馳せながら、いざ開封。
IGNITEのステッカーが最低一枚は入っています。この前開けたヤツは2枚だった。もしそうだったらラッキー。
このULINEの袋がまたアメリカ。多分向こうで普通に売ってる紙袋っつったらこれなのでしょう。
ちょいブカブカだけどクシャッとしちゃえば養生にもなって一石二鳥。
三つの紙袋の中身は、
前述した30㎜径のシャフトが一本。アルミ製なので重さは特に感じず、かといって壊れる気配もない佇まい。
焦らすぜ。残りの二袋が早く見たい。
お、
うおぉぉ…。とつい声が出てしまう。カッコいいと思うかは人それぞれ。
なんていうか、これを人が思いついて作ってるのかという感動の驚嘆です。
(IGNITE COMPONENTSのIan Colquhounさん。)
まだちゃんと観切れていませんがこのインタビューにキモが沢山詰まっていそうです。
一見して軽さと丈夫さを両立させるための、弛まぬ努力が分かる削り込み。
一人の人間がうーん…、と考え試行錯誤した故の物体には変な魅力を感じます。
CNCマシニング痕をわざと残している辺り、いにしえのハンドメイドパーツへ憧れと敬意があるのではと推測します。
実際に使いたくなった理由のもう一つの理由は、Qファクターでした。左右ペダル間の距離といったら分かり易いでしょうか。
以前使っていたCANE CREEKのeeWINGクランク。ルックス良し、充分過ぎる剛性良し。
だったのですが少々気になる点が、自分にとっては広過ぎるQファクターでした。
ロードっぽい漕ぎ心地にしたかったから、もっと真下にペダルを踏みたかった。
大手ブランドの物よりも狭く作られているので、俄然使ってみたいと思い購入を決意。
(写真が綺麗すぎてウケる。)
使ってみた感じ、何だか軽い回し心地。不思議。
eeWINGよりも重量はあるはずなんですが、ペダル側の重量が削がれているのか遠心力を感じないのが新感覚でした。
重量バランスも計算してもの作りしてるとすれば尚更テクニカルキモい。良い意味で。
クランクにしては高額。でも金属なのに温もりのあるプロダクトって、
こういうガレージブランドじゃないと出せないなって改めて思った。
この後に紹介するブランドのものとも違う、明らかに力強い魅力があります。
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自由で派手なアナダイズドは、Ashley.anodized.itさんという同じコロラドの方が手掛けている様子。
こうやってあのグラデーションは生まれてるのか!!
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弊社スタッフが行ってきたmadeでもスーパーカッコ良いシングルMTBに装着して展示されていたようで、
(っていうか撮ってきた写真の中にやっべーアイテム写ってないか…。あれサドル?)
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(最近BBも作ってた。)
アルミニウムでなんでも作ってしまおうという攻めの姿勢が強そうな、今後の動向が気になる好きになったブランドの一つです。
お次に紹介するのはイギリスから。90sにMTBに恋焦がれていた方なら、え?おお!となるのでは。
“MIDDLE BURN”
遡ること約30年前、イギリス南部で航空宇宙開発用やフォーミュラーカー用の精密部品を作る工場内で産声を上げたブランドだそう。
初めて見た時はてっきりアメリカ製のガレージブランドと思っていましたが、イギリス製と知ってびっくりしたのを覚えています。
90〜2000年のMTBカルチャーの当時をリアルに体感してきた方なら色とりどりのチェーンリングにお世話になった人も多いのでは。
実は2023年の今でも、変わらずイギリス製で、時代と共に進化してこのブランドは生きています。
今回主に入荷したのはRO-2というロードモデル。24mm径BBに使えるスマートな見た目のクランクです。
特筆すべきはやはりこのスリムなボディ。近年では中々見ないルックスは今となっては超新鮮。
初めて手にとった時ずっしりするなという印象でしたが、この細身をしっかりさせるために余計な肉抜きはナンセンスなのでしょう。
代わりに、一本のアルミ素材を丁寧に極限まで削り完成させた逸品感がこの形状から伝わってきます。
早速各店でご購入くださった方がいるようですが、やられたぜ…と思った一台がこちら。
RIVにも似合うとは。ポリッシュ仕上げは一本一本手作業で磨き上げている証。
そして僕らとしてもすごく嬉しいのが、スクエアテーパーBB用のモデルも出ている事。
よりクラシックに、よりスリムな見た目を欲するならばこちらがGOOD。
古いバイクのリビルドならば尚更良い具合に仕上がるのでは。
他にもMTBモデルもあるのですが、こちらは次回入荷をお楽しみに。
今回はどちらもお初にお目に掛かるブランドだわって方も多いかも。
実際自分も探したわけでなく偶然タイムラインに飛び込んできたり、昔あったけど最近欲しいなとか思って見つけた物だったり。
まだまだ知られてない魅力あるパーツブランドも多そうだし、これからもっと増えるのかな。
古きをDIGしてばっかだったけど、新しい物を探す探究心が再熱しました。
そんな感じで今日はここまで。