お久しぶりですね。金子です。

密かに行きたかったワンダーホッパー。デジのブログが空気感そのまま直送されてて素敵です。

チューヤン君がお土産話で言ってた、

「ケイタさんが名古屋でトークディナーショーやってほしいって。」を馬鹿正直に真に受けています。本当に行っちゃうぞ…。(って何を話すんだ)

お土産写真の中にいたこのバイクを観てこのブログを書いてみようと思いつきました。

これは過去SURLYが出していた、PACER“ペイサー”というロードフレーム。

いわゆるロードバイクのタイヤサイズよりも若干太い32cのタイヤが履けて、でもロードキャリパーブレーキで、

ボトルケージと泥除けが付けれるくらいの最低限のマウントが装備されたオールロードバイクの元祖と言っても良いかもしれません。

当時のロードバイクのパーツ規格に沿った、SURLYの中でもスピーディで洗練されたフレームでした。

*SURLY* pacer complete bike

あの時買っておけば良かったシリーズ。今見るとそのシンプルさがちょっと恋しくて普通に良い。

*SURLY* midnight special (54)

このバイクの後継機が僕も乗っているMIDNIGHT SPECIAL。その話はまた後で。

で、ここからが本題、SURLYのカテゴリー分けの一つにフォーカスしてみようと思います。

SURLYのカタログや本国サイトを昔から眺めているのが好きです。BIKESの文字をクリックします。

このようにカテゴリー分けされているのですが、?となる言葉がちょこちょこ出てきます。

TRAILやTOURINGは分かるけど、

PAVEMENTやHOULIN‘は日本人じゃあまり馴染みの無い言葉。

一般的な自転車ブランドのサイトだと「ROAD」とか「MOUNTAIN」とか「CITY」など、なんとなくイメージしやすい言葉で表記されているのに、

SURLYは違う言葉で表現しているのはなんでだろうなと昔から思っていました。

(良い笑顔)

で、僕らが良く触るCROSS CHECKやSTRAGGLERなんかも「PAVEMENT」に属しています。ペイブメントとは何ぞや。

カテゴリーを全部紹介するのは大変なので、今回は言葉は聞き馴染みないけど僕らの自転車生活では馴染みがあるくさい「PAVEMENT」をひも解いていこうと思います。

「PAVEMENT」とは、「舗装、舗道」という意味。舗装はアスファルトの道のイメージがありますね。舗道も同じくそういった道を指す言葉でしょう。

「敷石、タイルを敷き詰めた道路」という意味でもあるそう。ここで何かにピンとくる人は自転車カルチャー好きかもしれません。

via shimano cycling world

パリルーベという自転車のレースがあります。別名「北の地獄」。なんて怖い名前なんだ…。

このレースには「pave`“パヴェ”」と呼ばれる石畳の道を走る区間がいくつもあり、落車やマシントラブルなどがライダーを容赦なく襲う過酷なレースだそう。

つまりPAVEMENTとは、舗装路、敷石、石畳という意味とするならば、だいぶ路面のバラエティに富んでいる大きなくくりです。

(敷石は砂利道と捉えても良いのかも。)

もしCITYとカテゴライズされたバイクだったら、この道達を走るのはちょっとキツそう。

(ウエンツ元気かな…)

舗装路だけを走る自転車なんて限定的すぎる。せっかく買ったスポーツバイクならもっと色んな場所で走りたいでしょ?というSURLYからの提案で、

CITY以上、TRAIL未満。的なカテゴライズをPAVEMENTと彼らは表現しているのかも知れません。

彼らがPAVEMENTカテゴリーの紹介にこう書いています。

Today’s steel road bikes are tricky little buggers. Sure, there’s still a place for super narrow, pizza cutter-esque tires that save watts and shave grams or whatever. There’s probably still even a place for a road racing bike. Those places still exist. We just don’t know — or particularly care — where they are. That’s not what our Pavement Bike category is about. We value steel pavement bikes that can go well beyond fresh asphalt, have accoutrements for various accessories, and won’t leave you fighting a sore back for weeks after your ride. We design our steel road bikes for versatility rather than race results and the only wind tunnels we use are the ones that are attached to us.

“今日のスチールロードバイクは厄介な小物です。確かにワット数を節約し、自転車のグラム数を削り、ピザカッターのような超狭い幅のタイヤにはまだ居場所があるはずだ。ロードレーシングバイクの居場所だってあるはずだ。そういう場所はまだ存在している。ただ、それがどこにあるのか、私たちは知らないし、特に気にもしていないだけです。

ペイブメントバイクのカテゴリーは、そういうものではありません。私たちは、新鮮なアスファルトの上を走ることができ、さまざまなアクセサリーを装着でき、ライド後に何週間も背中の痛みと戦うことにならないスチール製ペイブメントバイクに価値を見出します。私たちは、レースの結果よりも汎用性を重視してスチールバイクを設計し、風洞は私たちに取り付けられているものだけを使用しています。”

最後の風洞~の件は全然分からない…。要するに、スポーツバイクだけどレース用、本気用の自転車ではない、日常的に使えるスチール製のバイクが作りたいんだよってことっぽい。

SURLYのカテゴライズは2014年のカタログから始まっています。ストラグラーが発表された次の年。

ECRなどの新車種も増えていよいよカテゴリー分けをしなきゃなってなったのかもしれません。

カテゴライズとか多分嫌いっぽそうだから、正直したくなかったろうなと思います。笑

*SURLY* cross check

*SURLY* straggler (52)

*SURLY* steamroller complete bike

*SURLY* midnight special (56)

そのペイブメントのカテゴリーは今、CROSS CHECK、STRAGGLER、MIDNIGHT SPECIAL 、STEAM ROLLER、そして入荷を待ちわびているPREAMBLEが鎮座しています。

最近松本店長もCROSS CHECKを組んでいましたが、“日常使い”というキーワードでSURLYを愛でていました。

日本での日常…では、アスファルトが主、時々砂利道ぐらいなレベルの道が多いでしょう。

スピード感はそこそこ欲しくて、上り坂も苦にならないぐらいの運動性能と重量感はこのPAVEMENTのカテゴリーがしっくり来るのかも知れません。

(TOURINGやTRAILのバイクを日常で乗っている人も全然いますしそれも正解です。今日は分かりやすく分けたらこうかもって話です。)

所有するスチームローラーやMIDNIGHT SPECIALを乗って、ああ、確かに日常に丁度良いかも。としみじみ感じる事が多いです。

(どちらもアクティヴィティに強くなった見た目していますが。)

*SURLY* pacer complete bike

PACERが出たその当時は2002年頃だったそうですが、その頃のロードバイクと言えば形も素材もスポーティで、丁度良いスチールロードバイクが無かったようです。

日常的に使えるロードバイク、積載などは軽めで良くて、CROSS CHECKよりかはスピーディでシンプルなバイクが欲しかったし必要と思ったのでしょう。

現在のMIDNIGHT SPECIALを観て、その当時彼らが思った事が何だったのか分かるような気がします。

*SURLY* midnight special (46)

*SURLY* midnight special(50)

*SURLY* midnight special (50)

今メインストリームになっているディスクロードやオールロードバイクのホイールやパーツ規格がそっくりそのまま使えるこのバイクは、

少し肩肘張っちゃうなんだかレーシーなフレームが多い昨今にちょっと欲しい種類のフレームなのかも知れません。

改めてMIDNIGHT SPECIALは、PACERの子孫って事を乗っても雰囲気でもビシビシ伝わりました。

*SURLY* midnight special (56)

でも毎度見て思うけど、“ロードバイク”のスマートなイメージが全然浮かばない不思議なフレームです笑。

“舗装と砂利道に挑むロードバイク”

というSURLYのキャッチコピーが本当に適確。

この言葉通りのオールマイティさと、見た目じゃ想像出来ない秘められた疾走感は本当に味わってほしいです。

というわけでPAVEMENTとはなんだろうか、MIDNIGHT SPECIALはやっぱりロードバイクカテゴリーの系譜だったんだというお話でした。

余談、トレイルのカテゴリーの説明文がグッときました。

Trail bikes are deeply rooted in the Surly DNA. In fact, our trail category has pioneered numerous trends in the mountain biking world, from 29ers and fat bikes to the invention of Plus tires. We’re not telling you this so that you’ll thank us (though it would be nice to get a cake or something from time to time.) Instead, we offer up these mildly boastful facts to show that when it comes to trail or rigid mountain bike frames, we know what the hell we’re talking about. Our Trail category is proof and is made of pudding or something like that.

“トレイルバイクは、サーリーのDNAに深く根ざしています。実際29erやファットバイク、プラスタイヤの発明など、トレイルカテゴリーはマウンテンバイクの世界で数々のトレンドを切り開いてきました。(たまにはケーキとかもらえると嬉しいけど。) トレイルやリジッドマウンテンバイクのフレームに関して、私たちは自分たちが何を言っているのかを知っているということを示すために、軽い自慢のような事実を提供するのです。トレイルカテゴリーは、プリンか何かでできている証拠です。”

また末尾のSURLY語録の解読が出来ずもどかしいですが、

彼らのルーツはTRAILバイク、山を駆ける乗り物で、そこからの発明やインスピレーションは未だに忘れていないんだろうなと感じました。

山遊びが好きな人達が舗装路を走る自転車を作るなら…、

こういった広いカテゴリーで楽しむ物を作っている理由がより理解出来ました。

それでは。