「BICYCLE RUST」とgoogleで検索していました。今回のブログを書くにあたって。
因みにRUSTとは日本語で錆、鉄とかにできるサビって意味です。
そうしたら気になる記事が。
とても大きな企業の書いてある事になんだか感銘を受けた。携わるからには最後までっていうスタンスにも胸打たれた。
馬鹿正直に言うとカーボンもリサイクル出来るの?!マジ?!ってびっくりした。
ちなみに僕はカーボンバイクを持ってないです。興味はあります。
前置き長くなりましたがバイクチェックです。クロモリフレームのオンパレード。
クロモリクロモリ言ってますけどそもそもクロモリってなに?ってなる人のためにwiki。
要するに鉄の素材の一種です。実はさまざまな金属の配合で作られているので正しくは合金です。
SURLY、CRUST、AFFINITY、ALL CITYなどなど、僕らが扱うブランドのフレームはほぼこの金属で作られています。
強くしなやかで弾性があり、加工もしやすい事から、多くの自転車のフレームは古くからこの素材が好まれ使われてきました。
今でもそのクロモリという素材を追求し、様々なブランドが新しい配合でより良い乗り心地のため、強度のために開発を続けています。
金属自体の強度が強い故に使われるパイプも太くせずに良いので、基本的には線が細い見た目のフレームになります。
クロモリフレームのひとつの魅力かもしれません。
デメリット…といえば錆びる事。ものすごく錆びやすい訳ではないですが、塗装の剥がれや油切れははほっておくと錆びます。
酸化しているので腐る事と同意義。進行していくと金属はだんだん痩せていきます。
そのためにペイントをしたり、防錆処理をしたりして僕らは自転車を組んだり楽しんだりしています。
でも時折、ごく少数ですが、そのサビや金属のテクスチャにグッと来る人もいます。いや、実はかなり多いかも。
単純に男心をくすぐられるかっこ良さがあるんです。そんなバイク達を今日はご紹介。
MASH STEEL S size ❝RAW SMOKE❞
みんな大好きヤンチャな自転車乗り集団MASHのフレーム、実は❝RAW FINISH❞ローフィニッシュという金属地が見えるような特殊なクリアペイントになっています。
つなぎ目をよく見ると金色になっていますが、これは金属同士を繋げる為に真鍮製の蝋で接着してある為。
ちなみにこのローフィニッシュ、多くの自転車工場はあまりやりたがらないそう。
一度フレームをしっかり磨いて、しかも錆びないように厳重保管してすぐクリアを塗らなければいけないなどと、手間がめちゃくちゃかかるからなのだとか。
それでもカッコイイ方がいいじゃん!!ってMASHの人たちがGO出したのが目に浮かびます。もやぁっと黒い影が掛かっているのはそれもペイントの手法なのだとか。
いつも普通にバイクチェックするとこれはMAVICのリムでーってなりますが今日はちょっと趣向を変えて。
リムっていうのは大体がアルミ製です。
金属の中では軽い部類に入り、その中にも分類がありますが多くは工業製品などで使われる硬い種類の物が選ばれます。
仕事でホイールを組むことが多いですが、これは硬い、これは柔らかいなど、ブランドなどでそれぞれ特性があります。
ちなみにMAVICのこのリムは硬く感じました。横幅、縦幅で硬さも変わりますが、このリムは華奢な見た目なのに硬さがあります。いつも不思議だなーと思いながら組んでいますがどの種類で出来てるんだろう…。
ハブも同様に多くはアルミ製。このお客様にも気に入って貰えたPHILWOODは7000系と言われる最硬度の素材を使っていると、この前PHILのボスが教えてくれました。
しっかりした足回りは良い素材に支えられているからだなと何だか納得。
車体の線が細く見えて欲しいからと選んだクロモリステム。
素材の強度の助けがあって細く出来るとともに、クロモリ特有の弾性がショック吸収の役割も果たしてくれているそうな。
確かにアルミステム×アルミハンドルだとガッチリ感がすごい。でもステムがクロモリ製だとバネ感も感じる気がする。
金属ではないけど、線が細いクロモリフレームってレザー素材のサドルと親和性も良い。スポーティなサドルも合うけど、不思議とすっと収まってる感はレザー製が断然勝ってると思うんだよなー。
乗れば乗る程味が出ていくのもこんなペイントならではだし、
ここまでバチッとパーツ選びして良い物を選ぶことによって、パーツを変えずに乗れる年数もグッと長くなる。
そういった自転車の組み方、パーツの選び方もあります。余談ですがCHRIS KINGのパーツを作る際に出た廃材(アルミ)はほぼ100%再利用してまたCHRIS KINGの為の素材に生まれ変わるんだとか。
素材の生まれ方などももっともっと知りたい。
次はそんなクロモリ製フレームが、もしも塗装も何もまとわずに長い時間を経たらどうなるか。そんなバイク。
BROOKLYN MACHINE WORKS ❝PARK BIKE❞&CRUST ❝CRYDESDALE CARGO FORK❞ CUSTOM
お客様(自分が若い時にとってもお世話になった先輩)が急にお店に来てくれて宜しく!!と言ってお任せしてくれたバイクです。
昔はちゃんとダートバイクの形で組んでいたけど、今はご家庭も出来て、
日常的に乗れるバイクが欲しいけどこのバイクには愛着があるからどうにかならんかねと相談を受けて出来た遊びまくった究極の形。
これで夕飯の買い出し行ってください!!
MTB、BMXのバックボーンがある彼らは、素材選びや加工処理にもめちゃくちゃに拘っていた。
MADE IN USAのこのフレームは、TRUE TEMPERというこれまたアメリカ産の上質なパイプブランドの物を使用して作られた物。
(一説には軍用に作られためちゃくちゃ硬い素材で作られているという噂が当時はありました。)
錆の進行がきめ細かいのも多分そのせい。ホントは当時クリアが吹いてあったんだけどノリで剥がしちゃったってエピソードは今でも個人的に食らってます。
フォークレングスが400mm以下かなんて分からなかったので、実際にもうフィッティングするしかない!!とやってみたらあれ、意外と大丈夫かも…となったので、
実際に見て貰ったら意外に好印象。いいじゃん!!そのまま行っちゃおう!!となりあれよという間に完成。CHRIS KINGの特殊なベースプレートに助けられました。
日常使いにならと入れたハブダイナモ。BMWのバイクに入っているのは見たことも想像したことも無い。
でも面白いからいいじゃん!!と選んでくれました。ライトはフレームの色?にバッチリだったからのチョイス。
こういう遊び心に真剣な先輩の姿勢が改めて凄くカッコ良く感じたのはここだけの話。
イケイケなフレーム、素材もパーツも申し分無し、そんなフレームに少し気の抜けた要素を入れてあげるとこんな化学反応が稀に起きるんだと勉強になった一台でした。
30年後も見て見たい。今まで通りで良いからこのバイクと付き合ってって下さい。
最後です。
これもかなり錆びている。ように見えて実は…。
SURLY ❝TROLL❞ S SIZE
絶対川底から上がったでしょこのフレーム…って見た目してますが、実はこれペイント。
COOK PAINT WORKS今野BOYの師匠に当たる人が置き土産で残していったフレームが幡ヶ谷店から旅立っていきました。
今となってはロストテクノロジー。何回見てもやっぱサビてるようにしか見えない…。
そんなどっきりテクスチャーに、きらびやかなパーツ、同色のアルマイトパーツ、異素材のパーツを散りばめて素材感のコントラストを付けたセレクトに、今写真を見ながら唸ってます。
ほぼお客様にお選び頂いたパーツ。配置の仕方が秀逸。なんだろう、すげーカッコイイ。真似できない。
御納車後にもう一度持ってきてもらい撮影したのですが、納車時よりアクセサリーがモリモリになっていて、それもまたカッコ良かった。
こういうアドベンチャー感かつスタイル出てるバイクにFABIO`S CHESTはドはまりするな。
揃えるところは揃えるけど、外していいところは何の気なく外せる色使い、お客様バイクってホントに勉強になる。
厳ついタイヤのバイク程、こういったワイルドなカラーリングや組み方が様になると改めて実感した。だし、やっぱり俺こういったバイクが大好きだ。
以上三台。
良い物組まさせて貰い有難う御座いました。
こんなブログを書いてたらこの映画見たくなってきた。
だろーねと思った人は俺と感覚似てるはず。あと金属の事話してたらこの新作も。
んー、見たいようなあのままのサラコナーでいて欲しいような…。
父親に「俺はターミネーターだ」と言われて小学1年生まで信じていました。今でもふとそうなんじゃと思っています。
それでは。