ウルトラロマンスが来日して、一緒にお酒を飲んだ時にこんな質問をされた。
「一番好きなパーツって何よ?」
その時酔っ払ってたし、盛り上がりまくってた空気の中思い浮かんで発した自分の回答は、「ブレーキレバー!!」
タイヤのプロモーションを兼ねて来ている彼らも苦笑い。ここは「タイヤ!!」というべきだった…。
でも重ねてごめんなさい。俺、ブレーキレバーも好きだけどもしかしたらこっちのパーツの方が好きかもしれない…。
ブログの為に自分のバイクを見てたら気が付いた。正攻法のクランクを見つける方が難しい…。
そして最近自分のバイクで変えたパーツもクランク。と言っても2ヶ月前くらいだけど。
スギノ75でも俺のはひと味違う。
んん??良く見るとチェーンリング小さくない??正解です。
photo by velobase.com
その昔、実はロード用コンポーネントをスギノで出していた時のクランクで、(ディレイラーなどはサンツアーが作っていたという噂。)
ケイリンPCDとは違う130mmのモノ。
無いかな無いかなと思って、様々なルートを根気良く探していた所に出てきた超美品。というかデッドストック袋入り。
今回クランクアームの長さに特別こだわったから、これがネックで中々出て来なかった。170mmとかは結構あるのよね。
前まで使ってた謎多きクランク は175mmと長かったので、時折コーナーでペダルが擦る事も。
ルックスも軽さもずば抜けてイケてたから、今でもちょっと後ろ髪引かれるんだけど、
今はこれが正解なんだと思う。そしてここでもクランクに癖が出た。
前使ってた華奢なルックスのものは踏み心地もなんだか華奢で、少し乱暴な乗り方をする自分にはちょっと不安があったから変えたのが大きな理由の1つ。
だから今回、古いものだけどわざわざ新品を探して交換したら全然違うな!!ってびっくり。
今ある75クランクと同じように安心感があるし、踏み心地も前のと違ってしっかり踏み込めてたわむ感じもない。
前のその「たわむ」感じも好きだったけど、実はもっと良いクランクあるんじゃないのって替えたら安心感も機能も大正解だったよって話をしたかった。
クランクってパーツ、バイクとの組み合わせで色々にも変化してやっぱ面白いよねってなったら、あれ、俺クランク好きじゃないかって思ったわけ。
自分のクランクの事だけでべらべらこんなにしゃべっちゃうわけ。
なので唐突だけど、やっぱ面白いなぁ…ってなった僕らのお店のクランク達をご紹介。
今回はシングルスピード編ね。次回あるか分からないけど。
まずは見た目が好き過ぎる良い物。未だゲット出来てないけど今年こそは…。
何度触っても飽きない。と普通にアルミ製の物なのにビックリするほど軽いこのクランク。
MASHの初期メンバーも愛用していただけあって強度は折り紙付きなのかな。自分で試したいぜ…。ってお客様の自転車に付けながらいつも思っていました。
右SUGINO75、真ん中RECORD、左ROTOR
何よりアームがめっちゃ薄いんだよね。なんだけど硬いから本当に不思議。
イタリアの奥地で採掘される特殊金属で出来てるんじゃないって勝手に思ってます。
前述の写真の比較になっていたクランクはこれとこれ。
左の黒い方は地中海挟んで向かいっ側の国、スペインが生んだマッドサイエンスブランドROTORの3dトラッククランク。
うっすらと丸が見えるでしょうか。これ実はアームに穴開けて閉じた跡。中が空洞のクランクなんです。
この時代にしては結構シンプルな手法なのが凄い。けど実は理にかなっている構造体なんだと思う。
中に三つの部屋があるんだけど、部屋の壁があることによってよじれを軽減させているから、べらぼうに軽いのに高強度を実現させている。
実際の漕ぎ心地は他のクランクを寄せ付けないほど独特。
クランクアームが軽くなった分足を回すときの抵抗が軽くなるような感覚もあるし、なのに硬く捩れないから、
スクエアBBのクランクから変えた時一番違いが極端なクランクかも。
photo by retrobike.co.uk
ちなみにROTORと出会ってまず思い出したのはこの中空クランク。絶対オマージュしてると思う。
右はメイドインジャパン。大袈裟じゃなくブルーラグメカニックは少なくとも30回は取り付けしてるであろうSUGINO 75。
トラッククランクって言ったらこれかOMNIUMでしょみたいになってるけど悔しい。実際そうだから。
NJSの信頼感が強くてご指名頂く事も進めることも多いのかも。
使い心地は至って普通。超スタンダード。硬いかと言われたら硬いけど、OMNIUMなどのアウトボード系クランクよりかは柔らかい。
自分が今回買ったやつも現行のトラックの物と似たような感触だった。
そしてスマートな見た目に反して壊れる気がしない。時々作業でクランクが固着して、壊さなきゃ取れない時中々壊せないのが75。
純正BBはカップ&コーン方式(ベアリングが調整出来るタイプ)だけど、自分は大体これをお薦めすることが多い。
自分で実際に組み合わせて使っていて調子が良いし、意外にBBのシャフトの硬さが分かるぐらいしっかりさが増すから。
(このクランクは説明不要だよね。もう殿堂入り。しれっと再入荷してます。)
という、久しぶりにパーツ中心の偏ったブログを書いてしまった。
こんな事書いてますが、まずは見た目でパーツを選んでください。
だって自分が気に入った物ついてた方が乗っててテンション上がるから。
なんだけど、同じように見えて実はちょっと違ったりっていうのを、ゆるっと知って欲しくて今日はお送りしました。
意外と気にしだすと眠れなくなるはず…。
それでは。