今日の上馬はお客様のバイクをチェックして自転車脳を満たしていく、お客様依存型人気コーナー「バイクカタログ更新」です。
こうしている今も、お客様のバイク達が担当メカニックの手により生み出されていきます。上馬ピットより近況報告。
最近キャバクラっていうところは一体どういうお店なのか興味深々のブルーラグ最若手メカニック、ウエンツがヘッドセットを圧入しているのは、TOMII CYCLES CANVAS。着物じゃない仲居さんがお酒を注いでくれるお店だよ、と説明しています。
その横では
奥さんの前では下ネタ厳禁、新婚メカニックダンカンは*ALL CITY* macho king LTDの油圧ブレーキ調整が佳境に突入。
僕らが組むのはピスト・トラックバイクからシクロクロス、ファットバイク。日本一周のツーリングバイクから通勤快速全天候コミューターまで。相変わらずジャンルレスだけど、台数ってことでいうと一番人気はやっぱりSURLY。
そのSURLYの中でも、一番人気っていうとそれはCROSS CHECK。
シングルでもギア付きでも、ロードバイクにもマウンテンバイクにも。荷物を積んでも週六日通勤に使っても。その組み方の幅広さ、乗り味のバランスの良さ、コストパフォーマンスで首位打者の座を明け渡すことのない名機。
本日はお客様のバイクをサンプルに、様々な組み方のCROSS CHECKをご紹介します。
まずはこのお客様のクロスチェック。
ファーストバイクをお探し、というご要望にはやはりクロスチェックをお勧めすることが多いです。変幻自在で、クセがなくて、オーナーがこの先どんな風に趣味や用途が変わっても絶対に対応してくれるのがこのフレームのいいところだから。
好みと用途をインタビューさせてもらって、ある程度お任せいただいたのである意味ベーシックな僕らの考えるスタンダードなアッセンブルになりました。ステムハンドル周りは日本製NITTOのパーツをば。美しいだけじゃなくて、厳しい耐久試験器をくぐり抜けたパーツ達。この青みがかったメッキが好きなんですが、これはダルメッキ。元は車のバンパー等に使うためヘッドライトをむやみに反射させないためのメッキなんだって。
クリームグレーにカスタムペイントされたフレームに合わせて真鍮製のパーツをチラチラ入れて組みました。
お話し伺ったところアウトドア好きのオーナー。この先キャンプライドに使うなら前後ラックもつけらる多彩なダボ穴に可能性を込めます。
ドライブトレインはバーコンにて8speed。最新のコンポでなくてもしっかり動いて不便がなくて、どこでもリーズナブルに修理が効いて。コンポのグレードでバイクのグレードを決めたがる日本国ですが、どんなフレームをどんな用途で、そこに不便のないコンポはなーに?って順序で決める組み方が好きです。
日常密着なバイクにはレザーサドルを選んでもらうことも多いのだけど、アクティブに乗りそうな方にはWTB。コスパと耐久性の交差点タイヤパナレーサーpaselaも僕らのスタンダード。
個人的にはこういうシルバー、ブラックのパーツを織り交ぜての組み方が好きなのですが、そのとき地味に活躍するのが*BL SELECT* slit seatpost。無印ポストよりもバイクがビシッと引き立ちます。
僕らの考えるこのベーシックから始まって、これから先オーナーの味付けが加わって、どんな風に変化していくかが楽しみなクロスチェック。納車したとき新品がテッペンじゃなくてここからオーナーと共に進化していくのがSURLYの魅力なのかも。
続いてのクロスチェックはそもそもの組み方が変わっています。
このクロスチェックは、もともとオーナーが長いこと所有していたマウンテンバイクから、なるべく活かせるパーツは活かして組んだ「載せ替えビルド」。
でもただ載せ替えたのではなく、その後のオーナーの用途に合っていてしかも格好良く、っていうのがキーワード。
ハンドル周りはマルッと載せ替え。SYNCROSのライザーバーに年季の入った(でもきちんと動く!)ブレーキレバーとシフトレバーを移植します。思い入れのあるバイク、パーツと共に愛着も移植します。
載せ替え前のMTBがフルサスでかなり重量があったので、坂の多い土地にお住いのオーナー、クロスチェック載せ替え後は上りが快適に感じてもらえると思います!ギア周りもそのまま移植。フロントトリプルのドライブトレインは軽いギア比も作れるのでシャカシャカ生活エリアの坂を登ってくれるでしょう。
ブレーキもシューだけ変えて再利用の予定でしたが、組み進むに連れてボルトが固着していることが判明。ガチッとよく効くVブレーキは新調しました。
海の近くにお住いということで、リアメカはだいぶ年季が入ってヤレていたけどまだまだ動きます。どうせなら使い切るまで使ってから交換!ってことになりました。ちなみにチェーンはゴボウくらいにまっ茶っ茶だったので新調。潮風の威力恐るべし。
ロイヤルブルーのBROOKSレザーサドルはオーナーのチョイス。このサドルの選択がこのバイクをビシっと決めています。載せ替えビルドだからと言って組み換え後も格好良くないと嫌ですよね。このフレームカラーにこのサドルめちゃ良いと思います。
そして何よりこのサイズ感もこのバイクの魅力を引き立てています。。長身のオーナーに会う58サイズ。パソコンで見る海外のSURLYのサイズ感。僕では足が届きません。羨ましい。。
SURLYのコンセプトに、「あなたが持て余しているパーツをくっつけて組むのもよし」っていう超かっこいいジャンクな項目があります。余っているパーツ、久しく乗っていないバイクを媒体にSURLYで再構築しませんか?新車で組むよりきっとリーズナブルで、以前の姿よりあなたの使いかたにぴったりなバイクにきっと生まれ変わります。
そして最後!また違う構築のクロスチェック、載せ替えビルドがフェニックスの尾ならこれはエリクサーなビルド。
「フルオーバーホール」、乗っていたバイクを隅から隅までバラバラにして、再調整と消耗品交換兼ねて再び組み直す作業。メーカー完成車をベースに長く愛したクロスチェックをそのフルオーバーホールで再構築しました。
オーバーホールのとき本当に思うのは、CHRISKINGなどの高品質アメリカパーツは本当にガタがきていないってこと。高性能なのは前提で長く使うことに重きを置いて作られているパーツ、たくさん使う人にとっては決して高価ではない選択だと思います。
ハンドルバッグはSWIFT INDUSTRIES “PALOMA BAR BAG”。一度使うと無しではいられないワンタッチ脱着式のランドナーバッグ。
そしてフルオーバーホール時に新調していただいた箇所は工賃込み込みになります。綺麗に生まれ変わるタイミングでずっといじりたかった箇所があればまとめてご依頼下さいな。お得です。
新車と見紛うほどにフレームは磨き上げます。シートクランプは美しい仕上げと屈強な作りが売りのPHILWOOD。チープな台湾アルマイトとちがって深い発色。CHRISKINGの赤ともマッチングばっちし。
自転車の心臓部ボトムブラケットにもPHILWOOD。ヌメッとした高回転性が末長く続いて、しかもそのベアリングを何度でも打ち替えができる最高のBB。フレームからはみ出るボディの美しさもポインツ。
そしてこのバイクのハイライト、made in ジャパントーキョー、アルミのマッドガード(泥除け)は世界に誇る本所工研HONJO。見た目の美しさだけではなく、軽くて頑丈で、何より「雨=自転車乗るの億劫」って気持ちを吹き飛ばしちゃう魔法のフェンダー。
これが愛車に付いていると、年間自転車に乗っちゃう日が1.3倍くらいになります。(数値は体感です)雨の日乗らないならマッドガードはいらないし、雨でも乗っちゃうなら是非オススメ。雨でも乗るかわからないけど格好いいから付けたくて、結果雨でも乗るのが楽しくなったらスーパー幸せですよね。
本当同じ店で組んだ同じフレームではないのかのごとくのバリエーション。
昨今自転車ってインスタントに買えるのかもしれないけど、その人に必要な機能が足りなかったり、不要に無駄な機能が付いていたり。乗る人にアジャストして、何が必要か考えて。そして何より持ち主の”お気に入り”であることが重要だと思います。
それは「好きな色の自転車!」でも「誰も持っていない個性的な自転車!」でもどんな切り口でもよくて、その人らしくて、その人がつい行動的になっちゃうような自転車が最高だと思います。
そんな自転車を一人でも多くのオーナーの元にお届けします、それこそ我々の使命!なんでもご相談くださいませ。
まずは他の皆がどんなバイクを選んで乗っているか、それを見るのがはじめの一歩になるかもしれません。
ここに並ぶ素敵な自転車の中から、気に入ったバイクを見つけて教えて下さいね。そこからあなただけのバイク一緒に考えます!